映画2000年代の映画2008年の映画

クローバーフィールド/HAKAISHA

3.5
リジー・キャプラン(クローバーフィールド HAKAISHA) 映画
リジー・キャプラン(クローバーフィールド HAKAISHA)
2008年1月18日にアメリカ合衆国で公開されたSF・怪獣・パニック映画。原題は「Cloverfield」。日本ではパラマウントジャパンによる配給のもと、同年4月5日にPG-12指定で公開された。日本でのキャッチコピーは「その時、何が起きたのか?」。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

クローバーフィールド/HAKAISHAの感想

「クローバーフィールド・パラドックス」を見たら本作の前日譚だというし、こちらは日本でもずいぶん盛り上がった映画のようなので、続けて予備知識なしに視聴。電力不足や世界戦争が始まっている様子などは別になく、やっぱりつながりがよくわからない。

POV型のモキュメンタリーで、マンハッタンを右往左往するパリピーの視点から突如現れた怪獣と軍との激闘を描く。この記録が、平和な日々のデート記録のヴィデオテープに上書きして録画している、というところがミソ。エンドクレジットのBGMも含めて、ゴジラへのトリビュートが随所に現れるのだが、最後近くまで本体の姿はよくわからないままである(本体の大きさが明らかに合わないので、怪獣は2体いたんじゃないか説がある)。

怪獣の正体はわからないのだが(「パラドックス」が前日譚なのなら、別次元から来たのか?)、物語に出てくる日本企業のウェブサイトやフェイクニュースなどがプロモーションに用いられて話題になった由(一応見てみた)。こういうのは「バイオハザード」から始まったような気がする。

残るは「10 クローバーフィールド・レーン」だが、見ようかどうしようか迷う。

クローバーフィールド/HAKAISHA 見どころ

POV(一人称視点)ドキュメンタリー風怪獣パニック映画で、日本特撮やモキュメンタリー演出へのリスペクトが感じられる作品。

  1. フェイクドキュメント×怪獣映画という魔境融合
    巨大怪獣によるニューヨーク襲撃をホームビデオやハンディカムで“現場視点”だけで描くスタイルは、怪獣映画としては前例がなく、“自分がそこにいる”緊迫感を研ぎ澄ませられるものだ。人々のパニック、瓦礫の音、素人の叫び声——あえて“揺れ”を維持し、恐怖を画面に閉じ込めた構成がリアルな恐怖に迫る。
  2. 自由の女神の頭部という象徴性
    序盤に自由の女神像の頭部が転がる象徴的なカットは、アメリカの象徴が瞬時に“脅威にさらされる”イメージであり、作品全体のトーンを決定づける。「アメリカの牙城が都市に穴を穿つ一撃」を視覚化した衝撃的瞬間で、異常が始まる合図として絶大な効果があった。
  3. 怪獣像の演出と“見せすぎない残酷”の巧妙さ
    怪獣本体はほとんど見えず、暗闇・断片・轟音・振動といった“不在の恐怖”を主体に演出。日本の特撮怪獣映画の“象徴的な怪獣扱い”と、アメリカ・パニック映画の“視覚ショック”を巧妙にミックスした新しい手法である。
  4. 日本特撮×アメリカ大作のハイブリッド感
    日本の怪獣ものの“怪物と人の衝突”をPOVで描き、さらに米兵の戦術的な“飛行機出動”“装甲車突進”などスペクタクルを融合した結果、和風の怪獣映画らしい粘り強い恐怖と、ハリウッドの圧倒的なスケール感が共存する異形体験が生まれている。
  5. 論争を呼んだ“ゲロ酔い視点”と没入度のジレンマ
    POVによる画面の揺れは、大ヒットと共に“気持ち悪くなった”“目が疲れた”という賛否両論も呼んだようだ。視聴者を“その場に置く装置”として機能する一方で、映画としての視認性・観やすさとのトレードオフとなったのはしかたないと言うべきか。

クローバーフィールド/HAKAISHAのあらすじ

ロブの栄転パーティー中、ニューヨークに怪獣が出現。ロブらは脱出を図るが、恋人ベスの救助に向かい、寄生虫に襲われ仲間を失う。軍隊に保護されるも、怪獣の攻撃でヘリが墜落し、ハッドが死亡。ロブとベスは橋の下に逃げ込み、遺言を残す。空爆後、1か月前のデート映像が流れ、観覧車から海に落ちる謎の物体が映り込む。

クローバーフィールド/HAKAISHAを観るには?

クローバーフィールド/HAKAISHAのキャスト

ロバート・ホーキンス – マイケル・スタール=デヴィッド

エリザベス・マッキンタイア – オデット・ユーストマン

ジェイソン・ホーキンス – マイク・ヴォーゲル

マリーナ・ダイアモンド – リジー・キャプラン

リリー・フォード – ジェシカ・ルーカス

ハドソン・プラット – T・J・ミラー

トラヴィス – ベン・フェルドマン

ヘザー – ライザ・ラピラ

グラフ中佐 – クリス・マルケイ

アントニオ – テオ・ロッシ

チャーリー – ブライアン・クラグマン

クローバーフィールド/HAKAISHAのスタッフ

監督:マット・リーヴス

脚本:ドリュー・ゴダード

製作:J・J・エイブラムスブライアン・バーク

製作総指揮:ガイ・リーデル、シェリル・クラーク

撮影:マイケル・ボンヴィレイン

編集:ケヴィン・スティット

美術デザイン:マーティン・ホイスト

美術監督:ダグ・J・ミーディンク

装飾:ロバート・グリーンフィールド

衣装:エレン・マイロニック

音響効果:ウィル・ファイルズ

エンドクレジット音楽作曲:マイケル・ジアッチーノ

SFXスタッフ

アニマトロニクス:アンディ・クレメント

特殊効果監修:ジョン・ハキアン

特殊効果コーディネーター:デヴィッド・ウェイン

特殊効果:クリス・クライン、ケン・タラロ、マット・ヴォーゲル

VFXスタッフ

VFXスーパーバイザー:ケヴィン・ブランク、マイケル・ブルース・エリス、エリック・レヴェン

VFXプロデューサー:アニー・ポメランツ

VFX:ダブル・ネガティブ、ティペット・スタジオ

CGスーパーバイザー:デヴィッド・ヴィッケリー

製作会社

バッド・ロボット、パラマウント映画

『クローバーフィールド/HAKAISHA』は、怪獣映画の“再発明”と言える傑作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

Amazon Prime Videoなら、手軽に視聴できます。

タイトルとURLをコピーしました