撃てない警官の原作
日本推理作家協会賞受賞(収録作「随監」)
本庁から左遷された若き警部は復活を胸に誓った――。警察小説の新たな旗手・安東能明の出世作
俺はいったん、落ちるところまで落ちる。しかし、やられたことはやり返す。そこから、ふたたび這い上がる。それを肝に銘じておけ。(本文より)
総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。日本推理作家協会賞受賞作「随監」収録、あなたの胸を揺さぶる警察小説集。

