終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-の感想
ファーストインプレッション
中村ゆり様の美しさ全開のドラマで、草彅君とのロマンスに収束していくと思われるが(草彅君の芝居は2011年の「冬のサクラ」と同じ構えに見える)、遺品整理/特殊清掃物としての1話完結ストーリーも毎回盛り込まれているので、ストーリーの進みはのろく、テンポも難しい。
「冬のサクラ」は脳腫瘍で記憶を失っていく今井美樹と草彅君の悲恋物だったが、今回死に瀕しているのは中村ゆりではなく、膵臓癌の母親、風吹ジュンで、余命は3ヶ月なので、本作は風吹が亡くなるまでの話という設定である。
離婚した風吹がシングルマザーとして育てた中村ゆりは、御厨家の跡継ぎ(要潤)と結婚したものの、仮面夫婦であり、小柳ルミ子の姑から嫌味を言われる毎日を過ごしている。このへん、外科医・高嶋政伸に支配されていた「冬のサクラ」と被る。
要潤が専務を務める御厨ホールディングスは、A4判大の表ができるほど大量の自殺者を毎年出しているブラック企業らしく、それを労基に悟られないように隠蔽していると説明される。経営者はちょっと凄みのある老人に扮した村上弘明で(誰だろうと私は思った)、自殺の原因や経緯は説明されないものの、自殺者対策より隠蔽工作を優先しているのは不自然というか、荒唐無稽である。集団訴訟を唆すジャーナリストが暗躍しているので(古川雄大)、最終的には御厨家が崩壊していくと予想される。
終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-のあらすじ
5年前に妻を亡くした鳥飼樹(草彅剛)は小1の息子を育てるシングルファーザーで、磯部豊春(中村雅俊)が経営する『Heaven’s messenger』で遺品整理人として働いている。ある日、久米ゆずは(八木莉可子)が新入社員として入ってきた。
一方、御厨真琴(中村ゆり)は、御厨ホールディングス専務の夫・利人(要潤)を伴って、自身の絵本の出版記念パーティーに出席していた。多忙な利人は家庭を顧みず、妻が姑から嫌味を言われても我関せず、愛のない結婚生活に真琴は心をすり減らしていた。
そんななか、樹は、余命3ヶ月の宣告を受けた鮎川こはる(風吹ジュン)から生前整理の見積を依頼され、自宅を訪ねる。そこへ事情を知らない娘の真琴が帰ってきて…。
終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-を観るには?
終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに- キャスト
御厨真琴(絵本作家) – 中村ゆり(中学生時:笹川椛音)
■遺品整理会社 Heaven’s Messenger
久米ゆずは(新入社員) – 八木莉可子
矢作海斗(チーフ) – 塩野瑛久
神部清香(パート) – 長井短
高橋碧(社員) – 小澤竜心
磯部美佐江(経理担当) – 大島蓉子
磯部豊春(社長) – 中村雅俊
■御厨家
外山大河(利人の秘書) – 石山順征
御厨利人(専務) – 要潤
御厨彩芽(広報部長) – 月城かなと
御厨剛太郎(社長) – 村上弘明
御厨富美子(剛太郎の妻) – 小柳ルミ子
■周辺人物
鳥飼陸(樹の息子) – 永瀬矢紘
森山静音(真琴の担当編集者) – 国仲涼子
波多野祐輔(フリーライター) – 古川雄大
鮎川こはる(真琴の母) – 風吹ジュン

