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替え玉ブラヴォー!

3.5
北香那(替え玉ブラヴォー!) 2026年のドラマ
北香那(替え玉ブラヴォー!)
「替え玉ブラヴォー!」は、2026年1月5日からNHK総合の「夜ドラ」枠で放送。劇作家・演出家の岸本鮎佳によるオリジナル脚本で、「ラーメン」「クラシック・バレエ」「女の友情」という異色の要素が絡み合うコメディ作品。主演は北香那。

替え玉ブラヴォー!の感想

ファーストインプレッション

1週目4話まで見たところだが、わざと1話ずつ飛ばしたような不思議な脚本で、何の話になるのか読めないので期待をそそられる。

北香那の代表作になるかも、と思ったが、これまでもこの人は毎回新しい顔を見せる、今どき珍しい意欲的な女優なのだった。

最終回まで観て

ラーメンとバレエ、そしてこじれた女の友情を描いた本作に、なぜ『替え玉ブラヴォー!』というタイトルが与えられたのか、最終回で明らかになって、感動的だった。
そしてその前の回だったか、北香那が「面倒くさい」というキーワードを口にしていた。これは「登場人物全員、どこかめんどくさい(愛すべき欠点がある)」ということが本作の駆動力だったことを表している。

まず北香那の面倒くささとは、「被害者意識の強さ」と「相手の領域に踏み込む鈍感さ」のハイブリッドである。
親友・天野はなから突然の「絶交宣言」を食らっても納得がいかず、天野が勤めるラーメン店に通いつめ、天野のいるバレエ教室にまで入会してしまう。「拒絶されても納得したい欲求を優先する行動力」は、天野にとってホラーに近い。
仕事で大失敗し、彼氏ともうまくいかず、親友には振られ、「私ばかりどうしてこんな目に!」というオーラをまき散らして周囲に感情をぶつける北香那のパワーがすごい。制作統括の石澤かおるは発表会で「友達になりたくない、ややこしい女」と評していたが、自分の感情処理を周囲に依存するタイプの面倒くささなのだ。

一方、天野はなはもまた、北香那と対照的な「内向的で閉鎖的な面倒くささ」をもつ。
20年来の親友を、明確な理由を告げずに突然「絶交」し、その後は一切の対話を拒否するのは、相手が最も精神を削られる「察しろ」タイプである。
ラーメン断ちをしているにもかかわらずラーメン店でバイトをしており、絶交した北香那にラーメンを作ってやるなど、その行動と思考は乖離している。「私のこと放っておいて(でも構って)」とも取れる複雑な内面が周囲を混乱させる。

元彼の駒木根葵汰の面倒くささは、悪気がないゆえタチが悪い。落ち込む北香那を的はずれに慰めたり、チャラい態度で接したりして、火に油を注ぐところは、女性が「今はそういうことじゃない!」とイラつくポイントを的確に踏んでおり、「相手の感情の機微を読めない(読む気がない)」タイプの面倒くささと言える。

その他、登場人物のほとんどが数々の「面倒くささ」を有しており、本作の面白さはそれらを人間らしさとして肯定している点にある。
みっともなくても「納得したい」という北香那のエネルギー。完璧に見えて実は誰よりも迷走している天野はな(階段から大宅聖菜が転げ落ちたシーンの演技は傑作だった)。きれいごとの友情ではなく、嫉妬や執着、言えない本音といった「友情の不純物」を煮込んだスープのようなドラマであった。
「うわ、こういう人いるわ(あるいは自分もこうかも)」というイタさを感じさせつつ、その面倒くささをぶつけ合うことでしか生まれない絆を描き、北香那の「イタい演技」と天野はなの「冷めた演技」の温度差によって、この面倒くさい関係性を絶妙なコメディに昇華させていた。

替え玉とは、スープが残っていれば、麺を新たに入れてもう一度楽しめる、つまり失敗してもやり直せるというテーマである。バレエで挫折した北香那をはじめ、人生に行き詰まった登場人物たちが「今の自分のままで、もう一度新しい麺(情熱や挑戦)を投入して、人生を味わい直す」というポジティブなメッセージがこめられていた。

替え玉ブラヴォー!のあらすじ

広告代理店に勤めるラーメン好きの主人公・千本佳里奈(北香那)が、親友のバレリーナ・二木優美(天野はな)から突然「絶交」を言い渡され、その理由を探る佳里奈が偶然入ったラーメン店で働いている優美を発見し、失われた友情を取り戻そうと奮闘する。

替え玉ブラヴォー!キャスト

千本佳里奈 – 北香那
二木優美 – 天野はな
岩渕光生 – 駒木根葵汰
八代学人 – 葵揚
又野信一郎 – 吉沢悠
川添ひかり – 川久保晴
野中登茂子役 – 梅澤昌代
松金麗子 – 田中真弓
八巻剛昭 – コウメ太夫
浦上恭子 – 異儀田夏葉
謎の占い師 – キンタロー。
マチルダ – 野添義弘

替え玉ブラヴォー!

作 (脚本) – 岸本鮎佳
演出 – 中島由貴伊集院悠曽我まりこ
音楽 – 近谷直之
制作統括 – 石澤かおる
プロデューサー – 二見大輔
ディレクション (ビジュアル) – 吉川エリ
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