パーフェクト・リポートの感想
ファーストインプレッション
松雪泰子、カッコイイねえ。悲しそうな眸がイイのである。
組織に適合できない人間が集まる吹き溜まり部署は、ドラマで最もありがちな舞台だが、テレビ局の報道局というのは目新しい。
個人で頑張れることというのはやはり限度があるものだから、こんなことは実際にはないだろうな、と思いつつ、松雪の演技で一気に見せてしまう。
初回はあまりのムチャぶりに吹き溜まりたちがついていけず、後半の取材は全部一人でやってしまうというスーパーウーマンぶり。
私生活の描写もほとんどない。(督促状が来ているという電話が父親からかかってきていたが)
途中、ジョギングシーンがあり、あまりに細いので大丈夫かと思ってしまう。
最初と最後にみごとなボウリングフォームを見せている田町ハイレーンは、昔ながらのボウリング場で、6Fの龍栄のランチがおすすめである。
第2話
ホメたくせに二回目を見るのが1週間遅れになってしまったが、やっぱりこのドラマは面白い。
松雪の魅力によるところが大きいのだが、癖の強いメンツで、なおかつ仲の悪いチームワーク、という設定が目新しいのだ。
警察でも探偵でもなく、報道だという設定もしかりである。
独走する松雪は上からも下からも厭味を言われ通しなのだが、それに言い返すわけでも反発するわけでもなく、まったく気にしていないというのが面白い。
全体的なバランスの良さは、フジテレビという制作がうまく作用した結果かもしれない。
第3話
松雪がつけたあだ名は「出世虫」「愛想笑い」「子持ち」「メガネ」「女好き」「中年反抗期」で、このあだ名でぞんざいに命令するのがとてもおかしい。
今回は田町ハイレーンのシーンは出てこなかったが、松雪演じる蒼山叶のキャラでここまでの3回までは悠々と見せられている。
パソコンにヨワく、IMEがかな入力になっていたのに気づかずPCをバンバン叩いて直そうとするシーンなど、なんともいえず面白い。
今頃気がついたが、「蒼」山、奥澤「緑」、「桃」井祐、「紫」村 健、「黄」田 功、「白」石弘、「黒」井彰で、ボスの黒井を除けば、典型的な戦隊カラーの5色なのだがww、蒼山も含め、ダメ記者軍団であるところの遊軍チームが、戦隊どころか、特に何の得意技をもっているわけでもないところがまた良い。
今回、冒頭のバイク事故のシーンはとても手をかけて撮られていて、とかくドラマを見続けることがだんだんイヤになる気持ちを晴らしてくれた。
「獣医ドリトル」の裏で、秋ドラマの中ではどうやら視聴率が最低であるらしいドラマだが、
見逃したくない番組である。
第4話
今回のプロットは以下。
地下鉄人身事故の取材を命じられた遊軍。宇野多恵(田島令子)は線路に転落しただ、一瞬の出来事なのに、宇野は女性の顔や特徴を克明に覚えており、片方の靴を残して自分を助けた若い女性を捜してくれた人に100万円の謝礼金を出すという。。似顔絵の目撃情報から、時田弘美(岩田さゆり)と新山明日香(岩田:2役)という二人の女性浮かび上がる。ふたりとも転落事故を起こしたバスに乗り合わせ、時田は死亡していた。時田と新山がバス事故の際に入れ替わったのか? 時田がかつて教師をしていた宇野の教え子だったことも判明。そして新山ならぬ時田が老人を標的と宇野によれば、時田は一家心中を生き残った娘で、事件以来笑顔を失った。宇野は自分が傍にいるからと励ましたのだが、時田の深い悲しみはいえなかった。宇野は当時の約束を果たしたいのだった。宇野は、蒼山のすすめで手紙を書く…。
おそろしく手のこんだ脚本で、上記のややこしいメインストーリーに加えて、総務部の山野海に提出する書類を溜め込んで現場に行けない松雪泰子、
その松雪泰子の現在をつくった過去の事件、並行して進行する小出恵介と小日向文世が追う作曲家の盗作疑惑(こちらもちゃんと解決する)、さらに、闇献金のタレコミや松雪の因縁の人物の出所など、次回以降の引きもきちんと入って、おそろしく手際良く55分の放送時間におさまっている。
木村佳乃の「警視庁継続捜査班」が作業感満々だったのに比べると、これはもう職人技としか言いようがない。
情報をもらうために松雪が自分のチャーシューやタマゴを刑事にふるまうラーメン屋は、田町の有名な店である。
蒼山叶がボウリングに興じる田町ハイレーンのすぐそばである。
「獣医ドリトル」に完敗して秋ドラマとしては視聴率最下位のこのドラマ(今回の放送は例の日本シリーズの影響で深夜になってしまった)、巻き返しのためか、これから大展開があるという。
ちょっと怖いが、もしかしたらと楽しみにしている。
第5話
菊池和澄はなつかしや「ゲゲゲの女房」の藍子ちゃん(&幼少期の布美枝)の子である。可愛い~
なんか大展開があるかのような雰囲気があったのだが、今回はスクープもなく、非常に小さな事件。
ラストで「たった30秒でしたね」という仲間の言葉に、「たった30秒のVでも、この取材は忘れないと思う」と誇らしげに答える紫村。
今回は「紫村の回」で、これからメンバーを一人ずつ掘り下げた展開になるのかしらん。
赤坂が追う献金疑惑の話は進まず、その証言者の飛び降りに巻き込まれた少女という切口から、と焦らされる気分である。
蒼山が担当していた11年前の事件というのも、だんだん絡んでくるのかなあ。
蒼山、部下をケアするつもりでボウリングに誘う。
いつの時代の上司じゃwww
赤坂は今回の事件でPTSDになってしまう模様…?
第6話
赤ん坊を抱くことが癒しになるという感覚は、それを経験した者にしかわからないかもしれない。ま、猫でも癒しにはなるのだがww、やはり人間のほうが癒し効果は大きいとい思う。PTSDになった小出恵介が赤ん坊を抱いて涙を流させるシーンは、なかなかよかった。
「マジック全集」を赤坂に送る蒼山、相変わらずオヤジぶりが面白くて、最初のシーンはこんな感じである。
奥澤 「蒼山さん、昨日出したナレーション原稿のチェックまだですか?」
蒼山 「はあ? 何だっけ?」
奥澤 「やっぱり忘れてる! 歌舞伎町のラブホテルで赤ちゃんが置き去りにされた事件の原稿です!」
蒼山 「ああ? どこにもないわよ、そんなの」
資料だらけのデスクの上をひっかきまわす
奥澤 「たしかに置きましたよ、ここに!」
紫村 「これですか?」
とゴミ箱から原稿を拾う
蒼山 「あ、捨てたのあたしだ…あまりにもひどいから」
桃井 「そんなにひどいすか? 結構丁寧に書かれていますよ」
蒼山 「最低よ。警察発表そのまま。何の視点もない」
奥澤 「そりゃ私だっていろいろ思いましたよ。でも客観に徹するべきものなんですよね。だから私はあ・え・て、警察発表そのままにしたんです!」
黄田 「で? 何をいろいろ思いましたの?」
奥澤 「赤ちゃんを置き去りにするなんて、かなりむかつきました。それが私の視点です!」
蒼山 「あんたの頭はフーセンね」
奥澤 「は?」
桃井 「ああ、空気しか入ってないってことだよ」
奥澤 「いちいち言わなくてもわかります!」
そこへ赤坂登場
蒼山 「ああ、出世虫」
本を放る。表紙表紙『これでキミも人気者になれる!マジック大全』
奥澤 「蒼山さん、私、もうこれ書き直しませんよ!」
赤坂 「なんですか、これ?」
蒼山 「あんた、そういうチマチマした遊び好きそうじゃない」
赤坂 「は?」
赤坂の顔を見る白石
蒼山、電話をとり、
蒼山 「はい、遊軍取材班…なんだ、黒井か…ああわかった、すぐ行く」
蒼山 「愛想笑い、あんたのフーセンに空気以外の何かが見つかるまで、原稿は書き直しよ」
奥澤 「意味わかんない!」
赤坂 「意味がわからない」
白石 「君に気をつかってんだろ」
赤坂 「なんでそんな必要があるんですか」
と蒼山のデスクに本を叩きつける
今回の話のモチーフをさりげなく仕込んだ脚本も上手いが、役者たちにつけられた演出やテンポもよく、安心感がある。視聴率の良い他のドラマに比べると、優れてウェルメイドな感じなのだ。
