ユメノ銀河

小嶺麗奈(ユメノ銀河)
小嶺麗奈(ユメノ銀河)
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『ユメノ銀河』は、1997年冬に公開された日本映画。夢野久作の小説『少女地獄・殺人リレー』を石井聰亙が映画化。全編白黒映画。主演は小嶺麗奈浅野忠信

『ユメノ銀河』ってどんな映画?

大正から昭和へと移り変わるモダンでどこか不穏な時代。地方のローカルバスを舞台に、「乗客の美しい若い女性が次々と不審死を遂げる」という奇怪な噂を巡り、謎めいた青年運転手と、親友の復讐を胸に彼に近づくバスガイドの命懸けの愛憎を描き出す。爆裂パンク映画の旗手だった石井聰亙が、イメージを鮮やかに覆す静謐でクラシカルなモノクロームの映像美を構築。五感を狂わせるような美しさと、静かに迫り来る死の焦燥感が交錯するモダン・サイコ映画。

見どころは、新高が本当に冷酷な殺人鬼なのか、それとも孤独を抱えただけの青年なのか、境界線がじわじわと曖昧になっていく逃げ場のないサスペンスだ。バスガイドのトミ子(小嶺麗奈)は運転手・新高(浅野忠信)の優しさと、時折見せる底知れぬ狂気の狭間で精神的に追いつめられていく。バスには、怪しげな「黒トンビ」の客(嶋田久作)や、不気味な乗客である恵比寿(鄭義信)、強面(池田武志)らが乗り込み、車内にパニックの予兆が漂う。さらに、アイ子(真野きりな)らの噂話、そしてツヤ子の姉や母らが街の閉塞感を際立たせ、トミ子は新高に惹かれていく自分自身の「嘘」とも戦うことに。満州へ渡る夢を語る新高の言葉は真実なのか、それともトミ子を奈落の底へ突き落とすための甘い罠なのか。
小嶺麗奈の硬質な美しさと、若き浅野忠信のカリスマ的な危うさが、石井監督の徹底的に計算された音響と構図のなかで結晶化した、一級のロマンティック・ノワールだ。

あらすじ

バスガイドとして働く友成トミ子(小嶺麗奈)には、忘れられない過去の悲劇があった。同僚であり親友の松浦ミネ子(松尾れい子)が、ある男と駆け落ちした末に謎の心中を遂げていたのだ。そんなある日、トミ子の勤めるバス会社に、妖しい魅力を放つ新しい運転手・新高竜夫(浅野忠信)がやってくる。新高こそが、ミネ子を死に追いやった「少女を惑わして殺す連続殺人犯」ではないかという激しい疑惑と焦燥に駆られるトミ子。彼女は同じガイド仲間の山下智恵子(京野ことみ)や月川ツヤ子(黒谷友香)らが見守るなか、彼の嘘を暴くため、自ら新高のバスガイドとして志願し、死のドライブへと針路を取る。

キャスト

友成トミ子 - 小嶺麗奈
新高竜夫 - 浅野忠信
山下智恵子 - 京野ことみ
月川ツヤ子 - 黒谷友香
アイ子 - 真野きりな
松浦ミネ子 - 松尾れい子
黒トンビの客 - 嶋田久作
恵比寿 - 鄭義信
強面 - 池田武志
ツヤ子の姉 - 近藤結宥花
ツヤ子の母 - 本阿弥周子

感想

見始めてすぐ、DVDでテレビ画面で見ることをあざ笑うような映画であることに打ちのめされる。
台詞(ほんの少ししかない)が聞き取れない。
小嶺麗奈の瞳のクローズアップがクローズアップであることを忘れそうになる。
バスの揺れがテレビになってしまっている。
雨の場面(なんと久しぶりな映画的な雨!)では細部までが見えない。
浅野忠信が若い。監督の気に入りらしい小嶺麗奈も良い。

最後のカットは、蛇足であるような気がする。

春の夜の電柱に
身を寄せて思ふ
人を殺した人のまごゝろ

という戦慄すべき夢野久作「猟奇歌」の全文はこちら

しかしまあ、夢野久作とは無関係に楽しむのがよかろ。

『ユメノ銀河』を観るには?

『ユメノ銀河』作品情報

監督 – 石井聰亙
脚本 – 石井聰亙
原作 – 夢野久作『少女地獄・殺人リレー』
製作 – 須崎一夫
音楽 – 小野川浩幸
撮影 – 笠松則通
編集 – 鈴木歓
配給 – ケイエスエス
公開 – 1997年2月15日
上映時間 – 90分

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