映画1980年代の映画1986年の映画

ジャズ大名

3.5
ジャズ大名 U-NEXT 映画
ジャズ大名 U-NEXT
ジャズ大名は、筒井康隆の中編小説を原作として、1986年4月19日に大映製作、松竹配給で公開。

ジャズ大名の感想

なぜクラリネット奏者が斃れ、それを古谷一行が引き継ぐことになるのか。
モダンジャズの中で失われていったクラリネットの特権性こそ、筒井康隆のテーマであったように思う(幻の「クラリネット言語」は、今は全集で読めるようだが未読)。

ジャズ大名 あらすじ

アメリカの南北戦争後、解放された黒人奴隷たちがアフリカを目指して船出するも、嵐に遭い日本の小藩に漂着する。鎖国中の日本は彼らを座敷牢に閉じ込めるが、好奇心旺盛な藩主・大久保教義は彼らの音楽に魅了され、城中でジャムセッションを繰り広げる。家老の制止も聞かず、藩主は城中の人々を巻き込み、楽器や身の回りの物を使った演奏に夢中になる。ある日、夜が明けると、明治維新が始まっていたという結末を迎える。音楽を通じた異文化交流と、時代の変わり目をユーモラスに描いた物語。
(舞台を原作の南九州から駿河に変更し、東海道の難所を細長く占める城のため、官軍と幕府軍の通り道となってしまうという設定を加え、“戊辰戦争を完全に無視してのセッション”という側面を強調。それ以外は原作に忠実。)

ジャズ大名を観るには?

ジャズ大名のキャスト

海郷亮勝:古谷一行
石出九郎左衛門:財津一郎
文子姫:神崎愛
松枝姫:岡本真実 (新人)
玄斎:殿山泰司
鈴川門之助:本田博太郎
由比軍太夫:今福将雄
中山八兵衛:小川真司
赤坂和馬:利重剛
烏丸源之進:友居達彦
アマンド:ミッキー・カーチス
益満休之助:唐十郎(友情出演)
ジョー:ロナルド・ネルソン
ルイ:ファーレズ・ウィテッド
サム:レオナルド・マーシュ
アンクル・ボブ:ジョージ・スミス
住職:香川良介
樋浦勉
福崎量啓
佐藤英
伊牟田尚平:六平直政
本城裕
大島光幸
森岡隆見
伊吹新太郎
石川慎二
野崎海太郎
吉岡圭二
高安青寿
金澤伸治
綱島覚
岡本陽介
田中直人
鈴木省吾
藤原益二
中瀬博文
深作覚
村上久勝
石川裕介
小林真一郎
川口丈夫
佐藤好男
安岡英之
高野恵雄
中田ちえこ
鬼頭智恵美
田村亜矢子
益海愛子
井深あけみ
川口圭子
みずきれい
早川亜友子
小島蓉子
聖ミカ
山下洋輔 (特別出演)
タモリ(特別出演)

ジャズ大名のスタッフ

黒人俳優はアメリカから来日したが、米国南部の場面はすべて静岡ロケ、英語のセリフはアフレコをかぶせて二重音声で処理された。原作者が若いころに傾倒し、『馬の首風雲録』などの作品でもオマージュを捧げたことのある岡本喜八のメガフォンであり、記者会見で並びながら初期映画の思い出などを話したという。岡本監督にとって3本目の大映映画だが、クライマックスシーンのセットは東宝スタジオに建てられ、音楽監督とプロデューサーを除くメインスタッフ全員が東宝から起用された。同年キネマ旬報ベストテン10位。映画化困難といわれる筒井原作の映画では初の(2017年現在唯一の)ランクインとなった。

監督・脚本:岡本喜八
原作:筒井康隆『ジャズ大名』
脚本:石堂淑朗
音楽:筒井康隆、山下洋輔
撮影:加藤雄大
照明:佐藤幸次郎
美術:竹中和男
編集:黒岩義民
録音:田中信行
助監督:月野木隆、羽石龍太郎、加藤晃
記録:山内薫
プロダクションコーディネーター:岡本みね子
殺陣:宇仁貫三
効果:東宝効果集団
楽器指導:仙波清彦、久万田進、那須ちか、山村美子
現像:東京現像所
プロデューサー:室岡信明
企画:島田開、鈴木良紀
製作者:山本洋、小林正夫
製作協力:大映映像、喜八プロダクション

ジャズ大名の原作(筒井康隆)


エロチックな夢を映し出す表題作ほか、「ジャズ大名」など変幻自在の全18編。

見知らぬ夜の街。裸の美女に案内されて、奇妙な温泉の洞窟を滑り落ちる……エロチックな夢を映し出す表題作。江戸末期、アメリカより漂着した黒人たちと、城をあげてのオールナイト・ジャムセッションが始まる! 底抜けに楽しい傑作「ジャズ大名」など、幻想小説、言語実験、ナンセンス、パロディ、純文学にいたるまで、著者独自の迷宮的世界を見事に展開する、変幻自在の18編。

【目次】中隊長/昔はよかったなあ/日本地球ことば教える学部/インタヴューイ/寝る方法/かくれんぼをした夜/遍在/早口ことば/冷水シャワーを浴びる方法/遠い座敷/また何かそして別の聴くもの/一について/歩くとき/傾斜/われらの地図/時代小説/ジャズ大名/エロチック街道

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