櫻井翔がカラッポだなんて言っていいのかしらん(笑うマトリョーシカの感想)
いきなり、櫻井翔をカラッポでスカスカなキャラクターとして謎提議する初話から始まり、あっけに取られる。思えば「カラッポなのかそうでないのか」という狭間にずっと立ち続けてきたのが櫻井という人だと思うからだ。
もちろんこれは当て書きではなく、いまいち盛り上がらなかった春ドラマ「95」を書いた人の原作があるのだが、禁断のキャスティングのように思えた。
数えきれないほどのドラマや映画に出てきた水川あさみだが、謎を解明するヒロインとしてどこか違和感がある。田村正和の役に立たない助手を演じた「地方紙を買う女」(2016)でも同じ違和感を感じたのだが、「ナイルバーチの女子会」(2021)のようなタガの外れた役のほうが合っていると思う。
笑うマトリョーシカの見どころ
政治の世界に潜む闇と人間の欲望を描いたサスペンスドラマ。緻密なストーリー展開と豪華キャストの演技が見どころで、政治ドラマやサスペンスが好きな方におすすめ。
- 清家一郎の成功の裏に潜む闇や、彼を取り巻く人物たちの思惑が交錯するストーリー
- 清家と鈴木の関係性や、香苗の父の死の真相など、登場人物たちの過去と現在
- 物語の鍵を握る“ハヌッセン”の正体は誰なのか
笑うマトリョーシカ あらすじ
東都新聞記者の道上香苗(水川あさみ)は、厚生労働大臣・清家一郎(櫻井翔)の自叙伝を調べるうちに、彼の秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)の存在に疑問を抱く。父の突然の死や、清家の過去の事故死との関連を疑い、鈴木や清家の母・浩子(高岡早紀)の関与を調べる。清家の大学時代の恋人・美恵子(田辺桃子)が偽名であることや、浩子の中国出身の母・劉英華の「復讐」の言葉が鍵となる。清家が官房長官に就任し、首相公選制を提案する中、道上は浩子から過去を聞き、清家を操る「ハヌッセン」の正体を探る。BG株事件に総理大臣・羽生(大鷹明良)が関与していたことが判明し、道上は清家のブレーンとなる。
笑うマトリョーシカを観るには?
笑うマトリョーシカ キャスト
道上香苗 – 水川あさみ
鈴木俊哉 – 玉山鉄二
清家一郎 – 櫻井翔
■道上の関係者
山中尊志 – 丸山智己
青山直樹 – 曽田陵介
道上香織 – 筒井真理子
道上兼髙 – 渡辺いっけい
旗手健太郎 – 和田正人
旗手勇気 – 森優理斗
■清家の関係者
佐々木光一 – 渡辺大
和田島芳孝 – 加藤雅也
坂本一紀 – 中山麻聖
美恵子 – 田辺桃子
■その他
謎の女 – 高岡早紀
凜々 – 咲耶
羽生雅文 – 大鷹明良
諸橋育夫 – 矢島健一
武智和宏 – 小木茂光
藤田則永 – 国広富之
一色清彦 – 東根作寿英
笑うマトリョーシカのスタッフ・キャストインタビュー
- 『笑うマトリョーシカ』橋本芙美プロデューサーインタビュー(TBS)
- 櫻井翔「力を合わせて大きな絵を描けたら」 『笑うマトリョーシカ』出演の喜びを明かす(Real Sound)
笑うマトリョーシカ スタッフ
脚本 – いずみ吉紘、神田優
音楽 – 大間々昂
主題歌 – 由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修 – 須山義正、武田一顕
法律監修 – 岡本直也
児童福祉監修 – 永野咲
警察監修 – 石坂隆昌
医療監修 – 中澤暁雄
演出 – 岩田和行(共同テレビ)、城宝秀則(共同テレビ)、小林義則(共同テレビ)
編成 – 杉田彩佳
プロデューサー – 橋本芙美(共同テレビ)
製作 – 共同テレビ、TBS
【完全ネタバレ】笑うマトリョーシカ 結局どうなったのか
本作は、「誰が清家一郎(櫻井翔)を操っているのか?」という犯人探しから始まり、最後には「清家一郎という人間そのものの虚無(ホラー)」に行き着いた。
結論:真の黒幕は誰だったのか?
真の黒幕(支配者)は、政治家・清家一郎 本人だった。
「清家を裏で操っている」と思われていた人物たちは、実は清家によって「操るように仕向けられていた(そして用済みになれば捨てられる)」存在に過ぎなかった。
マトリョーシカの意味
タイトルの「マトリョーシカ」は、「人形の中からまた人形が出てくる=裏に操る人物がいる」という意味だと思われていたが、真の意味は「殻をどれだけ剥いても、中身(核となる自我)が空っぽである」という、清家の異常性を指すものだった。
「操っていた」と思われていた人々の真相
物語は、ジャーナリストの道上香苗(水川あさみ)が、清家を取り巻く不審な死と支配関係を暴く形で進んだ。
最初の容疑者:鈴木俊哉(秘書)
役割: 高校時代からの友人で、清家の論文や政策を書いたブレーン。
真相: 彼は自分が清家をコントロールし、理想の政治家を作っていると信じていた。しかし、清家にとっては「今の自分に必要な足場」に過ぎず、スキャンダルが出そうになるとあっさり切り捨てられた(清家の指示で事故に見せかけて排除されそうになるが、一命を取り留める)。
真の容疑者と思われた:清家浩子(母)
役割: 整形をして身元を変え、「劉麗蘭」として暗躍していた母。彼女が「復讐」のために息子を政治家にし、裏で操っていると思われていた。
真相: 確かに母は息子に強い執着を持っていたが、最終回で清家から絶縁される。清家は「母の思い通りになる息子」を演じることに飽き、彼女すらも切り捨てたのだった。
清家一郎の正体と伏線回収
道上がたどり着いた結論は、「清家一郎には『私』がない」ということだった。
ハヌッセン(支配者)の不在
清家は常に「誰かに支配されたがっている」ように見せていたが、それは「他者の欲望を完璧に反射して見せる能力(ミラーリング)」だった。相手が望む言葉、表情、政策を完璧に演じることができるため、周囲の人間は「自分が彼を操っている」と錯覚させられたのだ。
「僕を見ていて」の本当の意味
清家が道上に執拗に言っていた「僕を見ていてください」という言葉は、監視を牽制するものではなく、「自分の空っぽな内面を見透かしている君(道上)だけが、今の僕にとって必要な『観客』だ」という、歪んだ愛着(あるいは次の寄生先への誘い)だった。
結末:最終回はどうなった?
清家の勝利
数々の疑惑(父の不審死への関与疑惑など)を追及されたが、清家はそれらをすべて母や秘書のせいにし、あるいは巧みな弁舌でかわし、内閣総理大臣へと登り詰め、世論は彼を熱狂的に支持する。
道上の決意
道上は清家を社会的に抹殺することはできなかった。しかし、清家との対峙を経て、「権力を持った『空っぽな怪物』から目を離さない」ことこそが自分の役割だと悟る。
ラストシーン
ドラマは、総理大臣となった清家が、カメラ(その向こうにいる道上)に向かって不敵に、しかし虚無感を漂わせて微笑むシーンで幕を閉じる。彼は「支配者」がいなくなった今、たった一人で国を動かす(あるいは破滅させるかもしれない)怪物として君臨し続ける。

