花形の紅洋から対抗試合の申し入れがあったと聞き、
花形め、明らかに俺との勝負を目的に試合を申し入れたな!
明らかにとまで決めつける飛雄馬である(補欠のくせに自意識過剰)。
しかし伴も花形打倒だ!と盛り上がっているのを見て、先輩を立てようと考えた飛雄馬、背中からボールを投げて伴にお仕置きする。
とにかく俺たちは新入りの補欠なんだ、と言い含めて投球練習に励む。
天野先生、こっちのほうが選手よりスゴイんだけどな…という顔で飛雄馬を見ている。
一方、花形は、スポーツカーで放送局(ラジオ神奈川)に乗りつけ、当日の実況中継を約束させていた(さすがの策士ぶり)。
ラジオで中継すれば、星雲が、無様な展開を打開しようとして、きっと星をマウンドに上げるだろうと踏んだのである。
一徹もまた、ラジオ中継があると聞いて、花形の魂胆に気づき、「派手好きの花形君らしい思いつきだな…(ニヤリ)」
そんなことも知らずに、当日、飛雄馬と星は弁当運びをしている。
補欠でウロチョロしてるのを花形に見られたくない飛雄馬は、あえて弁当運びをかってでたのである。
と、そこへ花形らしいバッティング練習の場外球が飛んできた。
なんと通りすがりの左門豊作が登場!
ムッ、と唸るなり、いきなりボールをを打ち返した!
何者だ、いなかっぺ丸出しのくせに、と口の悪い伴がつぶやくと、
「花形のような都会の選手にはない、大地に深く根を張った力だ……」
と、飛雄馬も同じような意味の失礼なことを言うのだった。
いよいよ試合開始。
先発メンバーが並んでいるのを見て、自分もレギュラーとしてあそこに並びたかったと考える飛雄馬。
「ベンチの隅っていうのはみじめだ…」
いつまでもウジウジしつこい飛雄馬なのであった
1回表、青雲はうまく出塁するも、花形のトリプルプレーでチェンジ。
観客席の左門はメモメモ・・・
チェンジ後、花形はピンクバットでホームラン。いきなり3点である。
自分の前をウイニングランしていく花形の姿に、飛雄馬の興奮は頂点に達した。
ラジオで実況を聞いている伴大造はイカって、なんとしても勝てと思わず球場に電話をした。
そして8回裏、紅洋の攻撃。トップバッターは2塁打。このぶんだと花形に打順が回る…
ついに我慢できなくなった飛雄馬、僕に投げさせてくださいと天野に直訴!
なんだかんだいって、やっぱり我慢がきかない飛雄馬である。
かくして星・伴の新入りバッテリーが登板することになった。
そして投球練習を始めると、飛雄馬の豪速球に会場は騒然となり、左門も思わず鉛筆をとりおとしてしまう。
父ちゃん、ついにみんなの前で投げる晴れ舞台だ、と感慨にひたる飛雄馬だった。
星、まず一人を三振にとる。
おそろしか、ばってん今は問題がある…
「星 飛 雄 馬
おそるべき選手がかくれいた 。おれが
甲子園で花形とホームラン王、打点王を
あらそうにはこの第三の男をうちくずす
ことがまず問題になりそうだ。
しかし
今のバッテリーには問題がある!」
(これ、メモというか日記じゃね?)
ラジオ中継を聞く一徹も、なぜか浮かぬ顔をしていた。
花形の指示でバッターは振り逃げ作戦に転じる。素人の伴は、打者がバットを振ると捕球できなくなるのだ。
味方のフォローも遅れ、一塁どころか二塁まで許してしまう。
そしてついに打ち気満々の花形がバッターボックスへ!
さあどうなる!!