映画2010年代の映画2019年の映画

ターミネーター:ニュー・フェイト

3.0
リンダ・ハミルトン(ターミネーター:ニュー・フェイト) 映画
リンダ・ハミルトン(ターミネーター:ニュー・フェイト)
ターミネーター:ニュー・フェイトは、2019年のアメリカのSFアクション映画。原題は「Terminator: Dark Fate」。ティム・ミラーが監督、デヴィッド・ゴイヤー、ジャスティン・ローズ、ビリー・レイが脚本、ジェームズ・キャメロンとデヴィッド・エリソンが製作を務めた。「ターミネーター」シリーズ第6作目にして『ターミネーター2』(1991年)の続編であり、『ターミネーター3』(2003年)、『ターミネーター4』(2009年)、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015年)、TVドラマ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』などとは別の時間軸が舞台となっている。主演はリンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーで、それぞれサラ・コナーとT-800(ターミネーター)を演じ、23年ぶりの再会を果たしている。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

ターミネーター:ニュー・フェイトの感想

一体自分がいくつまで見たのか定かでないまま見はじめるが、「ターミネーター2」以来のリンダ・ハミルトン登場で、キャメロンによる正編であり、新三部作だという(そういえば「ジェニシス」も三部作と言っていたのでは?)。みどころはやはりリンダの細マッチョぶりならん。

徹頭徹尾、未来系ターミネーター(本作では分裂したりしてちょっとずるい。どっちが弱いとかそういうのもないのだ)の破壊描写が続き、舞台もハイウェイから空、水中、そしてお決まりの発電所とくるくる変わる。T800はなんで老化してるのか説明してほしかった。

ターミネーター:ニュー・フェイト 見どころ

本作は『ターミネーター2』(1991年)の続きとして、あとの続編を「なかったこと」にするリブート的性格を強く打ち出している。制作にはジェームズ・キャメロンも関与し、物語は「ジョン・コナーを含む過去の流れを断ち切る決断」から始まり、新たな敵と新たな守るべき存在を据える構造に。

  1. 三世代の“女性バディ”による戦い
    リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナー、Mackenzie Davis演じる軍事改造されたグレース、そしてナタリア・レイエス演じるダニ。この三人による共闘が本作の最大の魅力。
    サラはT2以後の“守る者”から“戦う母”へと深化。リンダの存在感は圧倒的で、レビューでも「サラ・コナーをしっかり再現している」と評価されている。グレースは完全な戦士でありながら、限界があるヒューマニティの象徴。マッケンジー・デイヴィスの活躍が光る。ダニは現代の日常から引きずり出されたヒロイン。新たな“ジョン・コナー的存在”として成長していく。
    これにより、本シリーズでは珍しい「女性中心の戦い」が描かれ、フェミニズム的評価も得た。
  2. 懐かしさと新しさの塩梅(ノスタルジーと刷新)
    T1・T2からの象徴的シーンや名台詞が再登場し、過去作ファンにはたまらない演出が満載。ただし、トピックとして「T2を繰り返しすぎ」との批判もあり、“映像も脚本もリサイクル過多”との声も。
  3. 最新技術と戦闘シークエンスの磨き上げ
    Rev-9型ターミネーターの追跡や戦闘は、リアルタイムCGと実写を巧みに融合した迫真の演出。特に“トランスフォーマー的分離合体”描写には圧倒される。
  4. 続編としての功罪とシリーズの行く末
    Rotten Tomatoes70%、Metacritic54とレビューは賛否が分れる一方で、ファン支持率はCinemaScoreで「B+」と安定。ただし興行的には大失敗。約450億円必要だったところ、興収261億円に留まり“シリーズの墓標”とも揶揄される結果に。2022年以降キャメロンや主演陣が「再起動か続編は限界」と語っており、本作が一区切りとなる可能性も高まっている。

ターミネーター:ニュー・フェイトのあらすじ

メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーは、未来から来たターミネーターに襲われる。そんな彼女の窮地を救ったのは、同じ未来から送られてきた強化型兵士だった。ターミネーターが執拗な追跡を続ける中、伝説の女戦士サラ・コナーが彼女たちの前に現れる。やがて行動を共にし始めた一行は、かつて溶鉱炉に消えた旧型ターミネーターと出会う。

ターミネーター:ニュー・フェイトを観るには?

ターミネーター:ニュー・フェイトのキャスト

サラ・コナー – リンダ・ハミルトン
スタント&若きサラのボディダブル – マディ・カーリー
スタント&現代サラのボディダブル – ジェシ・フィッシャー
T-800 / カール – アーノルド・シュワルツェネッガー
過去のT-800のボディダブル – ブレット・アザー
グレース – マッケンジー・デイヴィス
10歳のグレース – ステファニー・ギル
ダニー・ラモス – ナタリア・レイエス
ガブリエル / Rev-9 – ガブリエル・ルナ
ディエゴ・ラモス – ディエゴ・ボネータ(ダニーの弟)
フィリペ・ガンダル – トリスタン・ウヨア(ダニーの叔父)
ヴィセンテ – エンリケ・アルセ(ダニーとディエゴの父親)
アリシア – アリシア・ボラチェェロ(カールの妻)
マテオ – マヌエル・パシフィック(カールの継子)
ディーン少佐 – フレイザー・ジェームス(サラの友人のアメリカ空軍士官)
ウィリアム・ハドレル – トム・ホッパー(グレースが属するレジスタンスの司令官)
リグビー – スティーヴン・クリー(アメリカ国境警備局の捜査官)
クレイグ – スチュワート・マッカリー(ダニーとディエゴが働く工場の管理者)
グレースの母の声 – ジョージア・サイモン
ジョン・コナー – エドワード・ファーロング
若きジョンの声 – アーロン・クニッツ
若きジョンのボディダブル – ジュード・コリー
ピーター・シルバーマン – アール・ボーエン

ターミネーター:ニュー・フェイトのスタッフ

監督 – ティム・ミラー
脚本 – デヴィッド・S・ゴイヤージャスティン・ロードスビリー・レイ
原案 – ジェームズ・キャメロンジャスティン・ロードスジョシュ・フリードマンデヴィッド・S・ゴイヤーチャールズ・H・イグリー
製作 – ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・エリソン
製作総指揮 – ジェームズ・キャメロン
音楽 – ジャンキーXL
撮影 – ケン・セング
編集 – ジュリアン・クラーク
公開 – アメリカ:2019年11月1日、日本:2019年11月8日
上映時間 – 129分

『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、T2への回帰とその否定、三人の女性ヒロインによる新しい“守る戦い”、懐かしの再現+最新エフェクトの融合という要素で、単なるリブート以上の意欲作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

Amazon Prime Videoなら、手軽に視聴できます。

タイトルとURLをコピーしました