「フィクサー」に寄せつつもハッタリ感は薄い(プライベートバンカーの感想)
いきなり本物の前澤友作が唐沢寿明をプライベートジェットに招き入れるシーンから始まって驚く。
唐沢の演技は「フィクサー」の設楽拳一のままで、この人はもはや何かの“凄腕”しか演じないつもりなのかなあと思いながら見ていると、これも「フィクサー」で唐沢のしもべだった要潤が初話の対決相手だった。
本作では唐沢のしもべは上杉柊平が演じていて、そこまで「フィクサー」に寄せながら、同作のようなハッタリ感が薄いため、なんとなく肩透かしを食わされる。
唐沢えんじるプライベートバンカーは資産7000億の外食産業のトップ天宮寺家(当主は橋爪功)に食い込んでいくのだが、その目論見がはっきりしないことも大きい。
3話まで流し見したが、土屋アンナがクローズアップされる前にちょっと飽きてしまった。2話のゲストは恒松祐里で、こちらは熱演だったと思う。
プライベートバンカーの見どころ
「金融知識が学べる」「キャストの演技が素晴らしい」という肯定的な意見もあったが、「展開が急すぎる」「キャラクターの行動に違和感がある」といった否定的な意見もあった。
- 金融知識を駆使して問題解決する面白さ
庵野は、資産7000億円を誇る天宮寺アイナグループの社長・天宮寺丈洋からの依頼を受け、家族間の相続争いや企業の不正など、さまざまな問題に対処する。冷静な判断力と高度な金融知識が物語の鍵である。 - 天宮寺家の複雑な人間関係の面白さ
社長の丈洋を中心に、副社長の美琴、長女の沙織、長男の努、次男の昴など天宮寺家の家族が多数登場。それぞれが野心や秘密を抱えており、家族間の対立や裏切りが描かれる。 - 最終回の衝撃的な展開
最終回では、庵野の真の雇い主が明らかになるなど、これまでの伏線が回収される。
プライベートバンカーのあらすじ
プライベートバンカーとは、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行うスペシャリスト、いわば“マネーのプロフェッショナル”。しかし、請け負う仕事はそれだけに留まらず、ビジネスの助言から家族間の揉めごとまで、富や権力、名声を持つ富豪たちの資産や利益を守るためなら“何でもやる”存在だ。中でも圧倒的な金融知識と人脈を持つ男・庵野甲一(唐沢寿明)は資産10億円以上の大富豪しか相手にしない凄腕だ。
資産家一族の前に現れたこの男が、相続争いや愛人問題、裏金疑惑など、一家に渦巻く“金”にまつわる数々の問題を、卓越した金融スキルと、時に罠や裏切り、巧妙な戦略など予測できない手法で鮮やかに打破していく。
プライベートバンカーを観るには?
プライベートバンカーのキャスト
庵野甲一(凄腕プライベートバンカー) – 唐沢寿明
■周辺人物
飯田久美子(「だんごの鶴松」の二代目社長) – 鈴木保奈美
御子柴修(庵野の助手) – 上杉柊平
■天宮寺家
天宮寺沙織(長女) – 土屋アンナ
天宮寺努(長男) – 安井順平
天宮寺果澄(努の嫁) – MEGUMI
天宮寺昴(民自党議員) – 吉田ウーロン太
天宮寺美琴(「天宮寺アイナグループ」副社長) – 夏木マリ
天宮寺丈洋(資産7千億の大富豪) – 橋爪功
天宮寺海斗(沙織の息子) – 川原瑛都
鮎川亜里沙(天宮寺家の家政婦) – 井本彩花
加藤(執事) – 山本栄司
プライベートバンカーのスタッフ
ナレーション – 津田健次郎
音楽 – 得田真裕
主題歌 – [Alexandros]「金字塔」(Polydor Records / RX-RECORDS)
プライベートバンカー監修 – 賓田惠介
金融監修 – 木下勇人、小林義祟、宿輪純一
演出 – 西浦正記、山本大輔、保坂昭一
ゼネラルプロデューサー – 横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー – 秋山貴人(テレビ朝日)、髙木萌実(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)
制作協力 – アズバーズ
制作 – テレビ朝日
【ネタバレ】プライベートバンカーの結末は?
“相続バトルの終結 → 庵野の大逆転 → 真の黒幕(依頼主)判明”という三段落ち。表向きは家族の再出発で大団円、実際は庵野が一枚上手という結末。
- 丈洋の“脱・同族経営”
社長・天宮寺丈洋は私財を投じて*公益財団(天宮寺記念財団)を設立、一族に相続させない体制へ。“天宮寺家の遺産争い”に終止符を打つ筋立てが敷かれた。 - 理事会の逆転:庵野が実権を握る
美琴が財団の理事長乗っ取りを仕掛けるも、票は割れ、庵野甲一が理事長に就任。さらに庵野は天宮寺アイナGの過半を押さえ、一族に“クビ”を言い渡す(丈洋が望んだ“脱同族経営スキーム”が完成)。 - 後継者は“だんご屋”の女将
丈洋が後継者に指名したのは、庵野の助手で「だんごの鶴松」2代目の飯田久美子。彼女が新社長に就任し、天宮寺×だんご屋の合併を発表。家族は“やり直し”を受け入れてハッピーエンド…に見えたところで――。 - ラスト2分の“どんでん返し”
庵野の真の依頼主は、だんご屋の常連・京極だったことが判明。庵野は「今『鶴松』を買えば、天宮寺も丸ごと付いてくる」と取引を持ちかけ、京極が指輪印鑑で契約に捺印。全ては庵野の設計だったことが明かされた。 - 置き土産の謎
美琴の傍らにいた眼帯の執事が、最後に眼帯の裏のICチップを見せて高笑い——詳細不明のまま続編を匂わせる余韻を残した。

