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メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断

吉田羊(メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断) ドラマ
吉田羊(メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断)
関西テレビ(カンテレ)とメディアミックス・ジャパン(MMJ)の共同制作により、フジテレビ系「火曜21時ドラマ」枠で2016年10月11日~12月13日に放送。7名の女性医師が原因不明の病気の謎を究明し患者を救うために奮闘する姿を描くオリジナル脚本による1話完結の医療ミステリー。主演の吉田羊は本作が地上波民放連続ドラマ初主演。
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メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断の感想

ファーストインプレッション

じわじわと好感度を上げ、ついにヒロインを獲得した吉田羊だが、このパターンで失敗するケースも多い(例えば吉瀬美智子)。当作は吉田の萌えポイントが押さえられ、従来ファンも満足できるものとなっているように思う。

「フラジャイル」でスポットが当たった病理診断というモチーフが吉田向きだし、「チームバチスタ」チームの手慣れた演出も安定感がある。
あとは山口紗弥加だなあ。

最終回までを観て

[新]マークが付いていたので録画したら、BSの再放送だったのでがっかり(続編を期待したのだ)。
病因究明物としては当時後発だったが、原作なしのオリジナルで良いドラマだった。吉田羊は(長すぎる雌伏を経て)連ドラ初主演だったはずだ。新人吉岡里穂もブレイク前夜である。
とくに優れた点はないのだが、2016年はまだこのレベルのドラマが普通だった。

吉田の娘を演じた子役・藤澤遥は、その後姿を見ないが、吉田はいまだにこのドラマのイメージのまま、CMで鈴木梨央相手に「友達母娘」を演じ続けている。

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断の見どころ

橘志帆(吉田羊)は、亡き娘・真央の幻覚を見続ける特異体質であり、それは第1話から最終話まで一貫して描写し続けられている。
終盤では、真央は「私より先にひかりちゃんを助けて」と告げることで、志帆の医師としての決意を揺るがす存在になる。その幻覚は単なる心の声ではなく、“母性の良心”を体現した人格として機能しており、このドラマ全体を通じて彼女の行動原理となっているが、他のメンバーはそれに気づいていないという設定である。

ただ、志帆はそもそも「幻覚があるから手術しない医者」としてチームへ入っていた。
診断会議でひらめいた「真央の言葉」を実行に移して患者が救われる回が複数あり、実質的には幻覚がチームを導く“触媒”として機能しているのだが、志帆が考えて導いた診断のヒントとして描かれている。

後半になり、真央の幻覚は「脳動脈瘤により脳脚が圧迫されているために起きている病的現象」ということが判明。
志帆は、自身の妄想をあえて手放すことを拒み続け、最終話では妄想と現実の分岐点が葛藤の焦点であり、チームと患者を救うために自身の妄想=幻覚を「切る」選択を強いられる

“幻覚真央”は、常に「ママを支える存在」であり、母子関係の“安心領域”を象徴する存在。最終話では、その妄想を手放すことで志帆は真の“母として”“医師として”の自立へ踏み出すことになる
つまり、幻覚は物語の序盤からずっと“絆=安全ネット”だったのに対し、最後にその“絆”から自身を切り離す瞬間にドラマのメッセージが集約されていると言える。

ドラマ構成の面から見ると、“妄想真央”との会話は、導入→展開→クライマックスまで常に寄り添う一種の“構成的装置”と言える。真央の妄想が導いた診断が“救い”を生みつつ、最終的にその妄想を“犠牲”にして現実を選ぶことで、「贖罪と選択の物語」が成立している。

まとめ

橘志帆の妄想=“幻覚真央”は、単なる幻聴や病理的現象ではなく、母性の良心を体現し、キャラクターに深みを与えるものであり、診断ヒントの源泉としてプロットに貢献している。そして最終話での「自己選択」という展開において必要不可欠な要素となっている。
つまり、“失った娘/取り戻す医師/救う母”を繋ぐ三位一体の象徴である。
“母親としての絆”と“医師としての選択”を同時に担う装置として、ドラマを支える軸になっている。

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断 あらすじ

ゴッドハンドとして知られた白州会西東京総合病院の脳神経外科医・橘志帆は、ある日手術中に幻覚を見たことで医師を辞すことを決心するが、東光大学病院の院長に就任した恩師・北畠昌幸から、手術をしないことを条件に新設の解析診断部の診断医として東光大学病院に誘われる。難解な症状を抱えた患者たちの原因を7人の女医と協力しながら、見つけ出し救っていくが、自分も外傷性の脳動脈瘤を患っており、幻覚症状に悩まされる。

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断を観るには?

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断はこんな人におすすめ

  • 心理的妄想と医療ミステリーの融合に興味がある人
  • 母親として転機を迎えるキャラクターの内面に共感したい人
  • 妄想を物語構造のエンジンにする脚本的仕掛けに注目したい人

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断のキャスト

橘 志帆(脳神経外科医) – 吉田羊
新田 雪野(外科医) – 相武紗季
田丸 綾香(研修医) – 吉岡里帆
里見 藍(救急救命医) – 白鳥久美子(たんぽぽ)
植松 結衣(病理医) – 滝沢沙織
村上 夏海(神経内科医) – 笛木優子
岩倉 葉子(解析診断部部長) – 伊藤蘭
東光大学病院
佐々木 進也(事務長) – 戸次重幸
高杉 祐樹(心臓血管外科医) – 小林且弥
藤本 修二(看護師) – 池岡亮介
渡辺 弘(看護師) – 五十嵐健人
北畠 昌幸(院長) – 高橋克典

その他
宮部 航平(セロニアス製薬MR) – 庄野崎謙
橘 真央(志帆の娘) – 藤澤遥

メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断のスタッフ

脚本 – 田中眞一長谷川徹
音楽 – 原田智英
撮影 – 宮本亘、高田陽幸
照明 – 富川英伸
編集 – 田辺智久
編集デスク – 冨田健吾
音響効果 – 奥山力
CG – 宮島荘司、宮崎弘喜
デザイン – 柳川和央
美術進行 – 長滝谷翔
スタイリスト – 江島モモ(伊藤担当)/中川原寛(高橋担当)
美術プロデューサー – 都留啓亮
主題歌 – AI「ミラクル」(EMI Records/ユニバーサルミュージック)
編成 – 南口博孝(関西テレビ)/橋爪駿輝(フジテレビ)
医療監修 – 生坂政臣(千葉大学)
医療指導 – 山本昌哲/中澤暁雄
宣伝 – 豊増雄、北村友香理(関西テレビ)
広告 – 前田香久(関西テレビ)
プロデューサー – 安藤和久豊福陽子(関西テレビ)、遠田孝一布施等(MMJ)
演出 – 星野和成今井和久小野浩司
制作 – カンテレ、MMJ

『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』は、亡き娘との幻覚対話を通じて、母性と医師としての覚悟を同時に描く、感涙のヒューマン医療ドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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