バカリズムが脚本を担当する、不思議な日常を描くタイムリープ系ヒューマンコメディ。
マイルドヤンキーの伝説ばなし(ブラッシュアップライフの感想)
33歳で死んだので出生から「2周目」の人生をやり直すという話で、1話と2話を続けてみたのだが、いやー、面白すぎる。この時点で早くも「1周目」と違う人生になっているので、この後どうなるのかが気になる。
安藤サクラ、夏帆、木南春香 の仲良し 3人組の会話が良いのだが、よく考えるとバカリズムの世界なので、脚本通りだということがわかる。
(4話目を見たら安藤サクラはテレビ局のドラマ班APになっていて、2013年の「WOMAN」や2014年の「花咲舞が黙っていない」の撮影現場を再現するという離れわざをやっていた。「かもしれない女優たち」でも同じことを思ったが、バカリズムのドラマ好きは年季が入っている。)
話数を重ねるにつれ、今季最良作との呼び声が高まった本作は、いうまでもなく「マイルドヤンキーの伝説ばなし」と言える。こういうホラを吹く先輩がいるもんなのだ。
松坂桃李、志田未来、染谷翔太、三浦透子などちょい役が豪華。黒木華、臼田あさ美、佐藤玲も出てきてファン(私だ)を喜ばせる。
ブラッシュアップライフ 見どころ
平凡な女性が人生をやり直す(タイムリープする)というユニークな設定のドラマ。
- 「人生2周目」という斬新な設定とリアルな日常
近藤麻美(安藤サクラ)は33歳で突然死んでしまい、来世は「オオツノガエル」に生まれ変わると告げられる。人間に生まれ変わるためには現世で徳を積む必要があると言われ、麻美はこれまでの人生をやり直す(タイムリープする)ことを選択。
面白いのは、麻美が歴史上の偉人や大事件に関わるわけではなく、あくまで「平凡な自分」の人生を、過去の知識と記憶を活かしてちょっとだけ「ブラッシュアップ」していくという発想。子どもの頃の些細な出来事、友人との関係、将来の選択など、誰もが経験するようなリアルな日常が描かれる。 - バカリズム脚本が光る絶妙なコメディセンス
バカリズムならではの独特の視点とユーモアが満載。日常の中に潜む「あるある」な瞬間や、麻美が過去の自分や周囲の人々との会話の中で繰り出すシュールで気の利いたセリフの数々が笑わせる。麻美の心の声や、彼女が過去の自分を見つめる視点が非常にコミカル。 - 安藤サクラの唯一無二の魅力
安藤サクラは平凡なようでいて、実は「人生2周目」という秘密を抱える麻美を、自然体でありながらも絶妙な演技で表現。過去の自分を俯瞰する冷静さ、徳を積むために奮闘する姿、そして友人たちとの何気ない会話の中での表情の変化など、彼女にしか出せない空気感が魅力。 - 「平凡な人生」の尊さと「やり直し」の意味
麻美は人生をやり直す中で、過去の選択を変え、少しだけ良い方向に導こうとするが、時には予期せぬ結果になったり、人間関係の難しさに直面。この過程を通して「人生の選択に正解はない」「平凡な日常こそが尊い」というメッセージがじんわりと伝わる。「やり直す」ことの意味や、人生における「徳」とは何かを問いかける。 - 友人たちとの変わらない友情
麻美が人生を何度やり直しても変わらずそこにいる親友たち、門倉夏希(夏帆)と米川美佐(木南晴夏)との友情が、物語の温かい軸。他愛もない会話を交わし、共にカラオケで盛り上がる彼女たちの姿は、視聴者に安らぎと共感をもたらす。この変わらない友情が、麻美の「人生やり直し」の支えとなり、温かい感動を生み出している。
社会現象化した人気の秘密
本作は斬新な設定と心温まるストーリーで、社会現象と呼べるほどの大きな話題を呼んだ。バカリズム独特のユーモアと、主演・安藤サクラの絶妙な演技が相まって、多くの視聴者の心を掴んだ。SNSでは放送中から毎週のように関連ワードがトレンド入りし、「人生何周目?」といったフレーズが流行語となるなど、その影響力は計り知れない。
ユニークな「人生のやり直し」と感情的な深み
ここまで人気を集めたのは、そのユニークなストーリー展開と感情豊かな描写にある。主人公の近藤麻美(安藤サクラ)は、33歳で突然死んだ後、来世はオオツノガエルに生まれ変わると告げられ、人間に生まれ変わるために人生をやり直すことを選ぶ。
例えば、第6話では、麻美が4度目の人生を送り、保育園時代から「徳を積む」ために行動する様子が描かれた。彼女は、園での先生の不倫を阻止したり、その後も友達との関係や人生における孤独感など、様々な感情的な局面に直面する。このエピソードは、視聴者に深い感動を与えると同時に、「人生のやり直し」というテーマに関する深い考察を促した。
第7話では、麻美が医学研究者としてのキャリアを積み、様々な「ミッション」を達成する過程が描かれた。このエピソードでは、友人・志田未来(※正確には麻美の友人である宇野真里の未来の姿)との関係や家族の変化が焦点になり、麻美の人生の転換点となる瞬間が多く描かれた。彼女が選ぶ道が、周りの人々にどのような影響を与えるのか、視聴者も固唾をのんで見守った。
コメディ要素とキャストの魅力
劇中で宮下雄也が熱唱する「粉雪」のシーンも、多くの視聴者に強い印象を残している。彼の演技や歌唱力は多くの視聴者から賞賛され、ドラマの楽しい要素の一つとして、記憶に残る場面となった。
これらの要素は、「ブラッシュアップライフ」が多くの視聴者に愛された大きな理由と言えるだろう。ドラマのストーリーは、人生の選択と再評価に関する深いテーマを掘り下げ、感情的な共鳴を生み出した。加えて、安藤サクラをはじめとするキャスト陣の自然体でありながらも引き込まれる演技や、バカリズム脚本ならではの予測不能な展開が、視聴者を魅了し続けたのだ。
ブラッシュアップライフ あらすじ
近藤麻美(安藤サクラ)は、市役所で働く33歳の独身女性。平凡な人生を送っていたが、ある日トラックにはねられ死亡。死後の世界の案内人(バカリズム)から、来世は人間ではなく、徳を積めば人間に生まれ変われると告げられ、人生のやり直しを選択する。麻美は2周目の人生で、徳を積みながら自分や周りの人生を少しずつ変えていく。奇想天外な「ブラッシュアップライフ」の行方は、麻美の選択と行動に委ねられる。
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ブラッシュアップライフ キャスト
近藤麻美 / あーちん – 安藤サクラ(幼児期:龍野七海、保育園時代:永尾柚乃、小学校時代:和田愛海 、中学校時代:安原琉那、98歳時:石原ヒロコ)
門倉夏希/ なっち – 夏帆(小学校時代:小吹奈合緒、中学校時代:早瀬憩、老年期:橘侑希)
米川美穂(よねかわ みほ)/ みーぽん – 木南晴夏(小学校時代:前田織音、中学校時代:住田萌乃、老年期:内藤律子)
学生時代の麻美の関係者
田邊勝 – 松坂桃李(第2話 – 第4話)
宇野真里/ まりりん – 水川あさみ(第3話・第7話 – 最終話)(中学時代:瀧七海〈第2話・第4話・第7話 – 第9話〉、小学生時:板垣樹〈第2話・第8話・第9話〉、老年期:仙石みよ子〈最終話〉)
福田俊介/ ふくちゃん – 染谷将太(小学校時代:塩崎忍)
森山玲奈 – 黒木華(第3話・第7話)(保育園時代:鈴木凛子〈第1話・第6話・第8話〉、小学生時:本屋碧美〈第2話〉、中学時代:真白莉瑚〈第2話・第3話・第7話・第9話〉)
田上静香/ しーちゃん – 市川由衣(小学校時代:上村結羽)(第2話・第4話・第7話 – 最終話)
丸山美佐/ ごんちゃん – 野呂佳代(小学校時代:羽子田梨杏、中学校時代:小澤美優)(第2話・第4話 – 最終話)
加藤直人 – 宮下雄也(中学生時:藤井優)(第2話・第4話・第7話 – 最終話)
島本加奈子/ ぺーたん – うらじぬの(小学校時代:小嶋咲絢、中学校時代: 野中梨緒那)(第2話・第4話・第7話 – 最終話)
三田哲夫 / ミタコング – 鈴木浩介(第2話・第4話・第7話・第9話)
麻美の家族
近藤寛 – 田中直樹
近藤遥 – 志田未来(幼少期:石塚月雪、幼児期:佐々木明杏、老年期:加藤美智子)
近藤久美子 – 中島ひろ子
原田信博 – 綾田俊樹(第3話・第5話・第7話・第9話)
原田サチ – 松金よね子(第3話・第5話・第7話・第9話)
市役所の人々(1周目)
河口美奈子 – 三浦透子(第1話・第8話・最終話)
谷口裕二 – 竹森千人(第1話・第2話・第4話)
緑山春菜、生田美樹 – 佐々木史帆、冨手麻妙(第1話・第3話)
薬局の人々(2周目)
宮岡徹 – 野間口徹(第3話・第5話・第7話・第9話)
下川祐美 – 川面千晶(第3話)
テレビ局の人々(3周目)
臼田あさ美 – 臼田あさ美(本人役、第4話 – 第6話)
塚地武雅 – 塚地武雅(本人役、第4話・第9話)
仲村トオル – 仲村トオル(本人役、第5話)
医学部研究室の人(4周目)
鶴野多江 – 山田真歩(第8話・第9話)
航空会社の人々(5周目)
中村真一 – 神保悟志(第9話・最終話)
堀口聡子 – 江口のりこ(第9話・最終話)
保育園時代の麻美の関係者
池脇洋子 – 中田クルミ(第1話 – 第3話・第6話)
玲奈の父親 – 勢登健雄(第1話 – 第3話・第6話)
死後案内所
受付係 – バカリズム(第1話・第3話・第6話 – 第8話)
ゲスト
市民 – 矢嶋俊作
警官 – 高木トモユキ(第3話)
真央、早苗 – 泉谷星奈(第6話)、吉田萌果(第6話)
第2話
駅員 – 入江甚儀(第4話)
北熊谷市長 – 森永徹(第4話・第7話 – 第9話)
ヤンキー – 拓夢(高校生時代:上野凱)(第4話・第7話 – 第9話)
患者 – 田野良樹
塩見まどか、小島乃亜、望美 – 深尾あむ(第4話・第8話)、荒川ひなた(第4話)、和泉詩(第4話)
薬学部の女学生 – 堀かおり
痴漢された女性 – 芦原優愛(第4話)
第3話
前野朋哉 – 前野朋哉(本人役、第6話)
薬剤師 – 簑輪裕太(第5話)
第4話(『Woman』の制作スタッフ)
メイキング – 佐藤太助
助監督 – 西中ひさあき
茂山雅紀 – BOB
長山純一 – 岩永ひひお
岩田恵子 – 金子ゆい
金森大輔 – 佐藤まんごろう(第5話)
宇多川誠 – 山口森広
その他スタッフ – 中野深咲、藤田啓介、宮島はるか、荒木誠
笹野香織、役名不明 – 吉田芽吹、篠原美紀
第5話
小田 – 横内亜弓
助監督 – 岡部尚(第6話)
脚本家(今井翔平)、監督 – 阿部翔平、鈴木隆仁(第6話)
仲村 – 佐々木春香(第6話)
りんごちゃん – りんごちゃん(本人役)
向里屋春奈 – 上地春奈
山本 – 佐藤玲(第6話)
夢庵の店員 – 名取えりか
第6話
川端 役、黒幕 役 – 古川康、矢柴俊博
主婦 – 小林千里
望月舞 – 増田光桜
第7話
中山賢治 – 田村健太郎(第9話・最終話)
第9話
教師 – 緒方ありさ
大貫、佐伯、小林 – 小山弘訓
高橋、広川 – 大津尋葵、星川愁
巡査 – 中村公隆
鈴木泰子 / すーさん – 近藤春菜(写真出演)(最終話)
高城 – 浅野忠信(最終話)
最終話
遥の子ども – 本田涼香
遥の孫 – 愛由
市民 – 内藤トモヤ