遠藤憲一に頼りすぎか(それぞれの断崖の感想)
3週以上遅れて始まった東海テレビの夏ドラマは、タイトルからしてエグい。
全員が怪しいと思いながら初回を見た後で、展開を割った紹介を読んでしまった。
遠藤憲一(長身で長い手足の持て余し方が植木等に似ている)にこの役を演らせるために制作を1年待ったそうだ。
田中美里はベテラン女優のようだが、「あぐり」も見ていないし、昼ドラ然としている。本当は、カメオ出演している、佳子さまを巨乳にしたみたいな黛英里佳の方が気になった。
じつはこの原作は2000年にもドラマ化されている。主人公は三浦友和、妻は手塚理美、八巻はつみは石田えりというゴールデンな組み合わせだ。
本作は遠藤憲一の熱演に頼りすぎており、子役も正面からの演技を求めているのがわかり、見ていて辛かった。
たとえば最終話で言えば、死のうとして海に入っていく子役を追って、波をかきわける遠藤のショットに続き、もみ合いのショットが入り、いつのまにか波打ち際まで位置が後退して、次のショットでは二人は浜辺で横たわっている――というきわめて編集的な演出でカバーせざるを得なくなっている。
1話前での遠藤の長い沈黙のシーンなどが良かっただけに、編集に頼るやり方はひどく投げやりに見えた(ま、最終話だからなのだろうが)。
それぞれの断崖 見どころ
小杉健治の同名小説を原作とし、少年犯罪をテーマに被害者と加害者の家族の葛藤を描いた社会派ミステリー。少年犯罪という重いテーマを扱いながらも、被害者と加害者の家族の関係性に焦点を当てている。大胆なストーリー展開が話題となり、社会派ドラマとしての評価は分かれたが、キャストの熱演や衝撃的な展開が記憶に残るドラマである。
視聴者の反応と考察
物語の展開は賛否両論。被害者の父親と加害者の母親が関係を持つという設定には「無理がある」「感情移入が難しい」と批判された。一方で、「一昔前の昼ドラ的なドロドロ展開が逆に面白い」という意見も。
キャストの演技と演出
遠藤憲一は複雑な心情を抱える父親役を熱演。田中美里も加害者の母親という難しい役どころを演じ切った。ただし脚本や演出に関しては、「展開が破綻している」「リアリティに欠ける」といった指摘もある。
それぞれの断崖 あらすじ
コンピュータ会社の部長・志方恭一郎の息子・恭介が突然不登校となり、家庭内で暴力をふるうようになる。途方に暮れる家族の中、得意先・葵電気の担当者・丹野が子どもの問題で共感を示し、相談相手となる。
志方は恭介と海辺で心を通わせる一方、会社では葵電気との契約が一方的に破棄され窮地に立つ。落ち込んだ志方は深酒の末デートクラブに行く。帰宅すると恭介の失踪を妻から告げられ、まもなく警察から衝撃の知らせが入る。志方の悪夢のような日々が始まった。
それぞれの断崖を観るには?
それぞれの断崖 キャスト
八巻はつみ – 田中美里
八巻満 – 清水大登
志方恭介 – 渡邉蒼
志方真紀 – 永瀬莉子
志方真弓 – 仁村紗和
若菜秀一 – 内田滋
角田知宏 – 清水伸
立原マリ – 魏涼子
高城秀子 – 黛英里佳
長瀬一哉 – 井田國彦
大迫隆平 – 酒向芳
大迫俊平 – 中山卓也
山内編集長 – 蒲田哲
深瀬宏 – 溝呂木賢
牧野早苗 – 千広真弓
丹野忠臣 – 梨本謙次郎
金山徹子 – 岡まゆみ
戸田洋平 – 目黒祐樹
志方雪子 – 田中美佐子