三人夫婦の感想
ドラマストリームという枠は主に恋愛ドラマをモチーフとしていたはずだが、最近ではもっぱら夫婦も含めた家族のあり方をテーマにしている(本作のひとつ前は、佐々木希が家族の欺瞞を暴く謎のドラマ「地獄の果てまで連れていく」で、その前は「毒恋 ~毒もすぎれば恋となる~」)。
というわけで、ちょっと昭和っぽいタイトルの本作は(山本陽子・渡辺裕之の夫婦が若い石野真子を家族に引き入れる愛の劇場「三人家族」を思い出した)、建築デザイナーの浅香航大(「結婚できない男」の阿部寛と同業だ)が、元カノの朝倉あきとその年下彼氏と同居する話。見てみると意外とほのぼのしていて、それなりに見せられてしまうのは脚本がうまいからだ。
端役ではよく見る朝倉あきも、さすがのキャリアだからコメディ演技がうまい。
が、そもそもの原案がイマイチである。本作の脚本・監督チームにもこの人の名が見えるが、韓国インディーズにハマってソウルに行ってしまった人で、プロレス映画も撮っているようなので、王谷晶「ババガヤの夜」を映画化してみてはどうかと思う。
三人夫婦の見どころ
「男性二人、女性一人」という新しい形の夫婦関係を描いた新感覚のホームラブコメディ。「正解のない多様性社会」を生きる現代において、既存の結婚の形に囚われず、新しい家族のあり方や、個々人が自分らしい幸せを見つけることをテーマにしている。
- 「男性二人、女性一人」という画期的な夫婦の形
社会の多様化が進む現代において、従来の「一夫一婦制」という枠に囚われない、新しい家族のあり方を提示している点が見どころ。奇抜な設定で終わらず、登場人物たちの葛藤や成長を通じて、温かい人間関係として描かれる。 - 浅香航大の地上波ドラマ初主演と新たな魅力
浅香航大は地上波ドラマ初主演。繊細で内向的ながらも人を大切にしたい「こじらせ男子」を演じる。真面目さや不器用さがこの複雑な役柄に深みを与える。 - 朝倉あきと鈴木大河(IMP.)の個性的な役どころ
朝倉あき演じる美愛は、結婚に焦るアラサー女子でありながら、元カレと今カレを巻き込む大胆な提案をするユニークなキャラクター。鈴木大河演じる新平は、天真爛漫で無邪気なダンサーであり、新しい結婚の形を提唱するキーパーソン。各キャラクターが関係性に独特のバランスと面白さをもたらす。 - リアルな問題とコミカルな描写の融合
セックスや嫉妬、親への説明といったデリケートな問題を、時にコミカルに、時に真剣に描く。 - 「欠けた者同士が補い合う」という温かいメッセージ
登場人物はそれぞれ何かしらの「欠けている部分」を抱えている。三人が力を合わせることで、互いに支え合い、それぞれの「欠けた部分」を補い合いながら、自分らしい幸せを見つけていく。 - Netflixでの先行配信と海外展開
先行してNetflixで配信され、その後海外での順次配信も予定されている。
三人夫婦 あらすじ
主人公は、建築デザイナーとして働く几帳面で内向的な三津田拓三(浅香航大)。かつて交際していた元カノの矢野口美愛(朝倉あき)、美愛の現在の彼氏であるダンサーの里村新平(鈴木大河)から、突拍子もない提案を受ける。それは「三人で結婚しないか?」というものだった。
突拍子もないと断る拓三だが、なし崩し的に「1年間のお試し期間」という名目で、三人の共同生活がスタート。
セックスのルール、互いの嫉妬心への向き合い方、そして両親への説明など、普通の夫婦では考えられないような壁に直面する三人だったが、「三人でいれば、三倍いいことがあるかも!?」という前向きな気持ちで自分たちらしい幸せの形を模索していく。
三人夫婦を観るには?
三人夫婦 キャスト
矢野口美愛(元カノ) – 朝倉あき
里村新平(美愛の年下彼氏) – 鈴木大河(IMP.)
パックン(ナレーション、うさぎ) – 関野理玲
天満小夜(拓三の会社の後輩) – 美山加恋
西本有希(美愛の親友) – 三戸つつめ
池野梨菜(美愛が働く不動産会社の後輩) – 葵うたの
里村涼平(新平の兄) – 市川知宏
三津田夏子(拓三の母親) – 赤間麻里子
矢野口恵(美愛の母親) – 森尾由美