13年後を舞台とする続編『まだ結婚できない男』が同じくカンテレとMMJの共同制作により、同系列の火曜夜9時(「火9ドラマ」)枠にて2019年10月8日~12月10日まで放送された。
『結婚できない男』ってどんなドラマ?
偏屈で毒舌、だけどどこか愛おしい——。
偏屈建築家・桑野信介が繰り広げる、平成を代表する大ヒット王道ラブコメディ!
尾崎将也のオリジナル脚本、阿部寛主演で社会現象を巻き起こしたラブコメディの金字塔。
腕は確かだが偏屈で偏執的、毒舌な性格ゆえに「結婚できない」40歳独身建築家が、ひょんなことから出会った内科医や隣人女性たちとの交流を通じて、少しずつ人間味や他者との関わりを深めていく日常を描いた傑作コメディ。
あらすじ
建築家・桑野信介は、仕事の評価は高くルックスも悪くないが、皮肉屋で偏屈のため、女性や結婚に対して嫌悪感を示し、40歳になっても独身。高級マンションに1人暮らし、1人きりで食事をして買い物をするという気ままな独身生活を楽しんではいるが、どこか空しさも感じ始めていた。
キャスト
桑野信介 – 阿部寛
村上英治 – 塚本高史
中川良雄 – 尾美としのり
中川圭子 – 三浦理恵子
中川ゆみ – 平岡映美→平祐奈
桑野育代 – 草笛光子
早坂夏美 – 夏川結衣
田村みちる – 国仲涼子
吉川沙織 – さくら
金田裕之 – 高知東生
沢崎摩耶 – 高島礼子
小沢真理 – 西丸優子
江森和美 – 高松いく
KEN – こつぶ
見どころ
阿部寛のハマリ役!「偏屈だけど憎めない」独特なキャラクター造形
無表情で理屈をこね回し、クラシックの指揮に酔いしれる信介を阿部寛がコミカルかつチャーミングに体現。パグ犬ケンとの心を通わせる名場面など、阿部寛のコメディ演技の真骨頂が詰まっている。
阿部寛×夏川結衣の軽妙でハイテンポな会話劇
互いに一歩も引かない信介と夏美のウィットに富んだ掛け合いが秀逸。言いたい放題の信介に対し、大人の余裕と辛辣なツッコミで返す夏美との掛け合いはドラマの大きな魅力。
独身貴族の日常と「ソロ活」の先駆け的描写
一人焼肉、一人手巻き寿司、一人レンタルビデオ店など、現代でいう「ソロ活」を19年以上前に先取りしたポップでリアルな独身生活の描写が、多くの視聴者の共感と爆笑を呼んだ。続編『まだ結婚できない男』(2019年)も制作された。
感想
2012年冬季ドラマで見逃したくないほど面白かったのは、本作のBS再放送と「ストロベリーナイト」だった。
本作はジャック・ニコルソンの「恋愛小説家」を念頭において作られたとのことだが、これはかなりフシギなドラマである。かたくなに守られたフォーマットの合間に毎回のストーリーが進行し、阿部寛の演じる桑野という男の謎が図式的に深まる仕掛けになっている。例えば、「金田」とは、一体、何なのか。
レンタルビデオショップ、コンビニ、運河を渡る橋等々。これらの場所も金田も、すべて阿部寛の生きる、孤独で心地良い日常の心象描写と言える(すべての場所は決まった角度からしか映らない。阿部寛の部屋には寝室があるはずだが、ついぞ描写されたことはなかった)。
阿部だけではなく、夏川結衣と国仲涼子も、漫画喫茶やタンメンの店といった「彼女たちの場所」を持っており、登場人物は互いの場所を侵されないように行動する(レンタルビデオショップは例外)。
国仲が阿部を好きになるというクライマックスには、違和感が残る。何よりも国仲自身が首をひねっているのが興味深い。それを経て、夏川と阿部の感動的な邂逅が起こる。キスも抱擁もない、およそドラマとして信じがたい恋愛成就がたいへん素晴らしい。
阿部の計算された演技はいちいちおかしく、夏川結衣もいちいち可愛く、魅力的だった。
2023年の「すべて忘れてしまうから」での阿部の行動もこのドラマとほとんど同じだったから、阿部は20年も同じ空気感で演技をしていることになる。




