我が家のヒミツの感想
4組の異なる夫婦の妻の方だけを佐藤仁美が通しで演じるというドラマ。
「あまちゃん」以前の朝ドラも、ドラマ版「イグアナの娘」(96年)も見ていないので、佐藤仁美に初めて着目したのは「黒い十人の女」(16年)が最初だった。中年になって花開くタイプなのだろう。
奥田英朗の原作はなかなか巧妙で、全5話のラスト2話が前後編という構成もよかった。
我が家のヒミツ あらすじ
IDはサニーデイ
主婦の山本紀子(佐藤仁美)は、使わなくなったピクニックテーブルを処分するのに、妹からネットオークションを勧められて売りに出してみる。買い手が現れるごとに値段がつり上がっていくのが、まるで自分に買い手がついたような嬉しさとなり、紀子は他にもオークションに出せるものがないか家中を探し回るようになる。一方、夫の清志(田中直樹)は、ネットにはまる妻は不倫に走りやすいという話を同僚から聞き、妻を疑い始める。
夫のカーテン屋
そこそこのイラストレーター大山春代(佐藤仁美)は、夫の栄一(八嶋智人)が会社を辞めてカーテン屋を始めると言い出したことに怒る。というのも、結婚してから栄一はすでに7回転職していて、一時は借金を抱えたこともあるからだ。しかし、妻の反対などおかまいなく、どんどんカーテン屋の準備を進めていく栄一にハラハラする春代。そんな折、春代にトップ・イラストレーターへの登竜門といわれるチャンスが訪れるが…。
妊婦と隣人
妊婦の松坂葉子(佐藤仁美)は、隣に引っ越してきた夫婦らしき隣人があいさつに来ず、生活感がほとんどないことから怪しい犯罪者ではないかと疑い始める。そんな葉子を夫の英輔(永井大)は妄想だと否定するが、葉子の疑念は収まるどころか、ますますエスカレートして二人の間には深い溝ができてしまう。英輔は世界スポーツサミットのスタッフとして準備に忙しく、同僚の宮本(矢柴俊博)は、英輔にあるアドバイスをするが…。
小説家の妻
大塚里美(佐藤仁美)は、ファミレスの深夜バイトで家計を助ける健気な妻。ところがある日、小説家である夫の康夫(岸谷五朗)が直川賞を受賞。里美の生活は一変する。憧れの犬を買い、近所に住むセレブの佐野夫婦に影響を受け、ロハスの生活を志すようになる。一方の康夫は、佐野夫婦がうさん臭く見え、自分の小説のネタにしたいと思い始めるが、この先も顔を合わせることを考え、書こうか書くまいか葛藤。ついに原稿に書くが…
我が家のヒミツを観るには?
我が家のヒミツ キャスト
第1回「IDはサニーデイ」
第2回「夫のカーテン屋」
第3回「妊婦と隣人」
第4回・最終回「小説家の妻・前後編」
大塚康夫 – 岸谷五朗
佐野優子 – 山本未來(前編)
佐野拓海 – 大場泰正(前編)
村上和也 – 奥野瑛太
桑原光太郎 – 鈴木晋介(前編)
菊池智子 – 土居志央梨(前編)
大塚恵介 – 立石ケン
大塚洋介 – 福崎那由他
山田芳雄 – 不破万作(後編)
蒲田理恵 – 千葉雅子(後編)
安田清子 – 国生さゆり(後編)
我が家のヒミツ スタッフ
脚本 – 渡辺千穂、荒井修子
音楽 – 遠藤浩二
語り – YOU
演出 – 萩生田宏治、蔵方政俊
制作統括 – 平良英(パオネットワーク)、管原浩(NHK)
プロデューサー – 宮田幸太郎
我が家のヒミツの原作(奥田 英朗)
我が家のヒミツ
どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにない(『虫歯とピアニスト』)。同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居である(『正雄の秋』)。16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく(『アンナの十二月』)。母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが(『手紙に乗せて』)。産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない(『妊婦と隣人』)。妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出して(『妻と選挙』)。どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。
我が家の問題
「夫は、仕事ができないらしい」。会社のこと、実家のこと、ご近所づきあい……どんな家庭にもある、ささやかだけれど悩ましい「問題」の数々をリアルかつ温かく描く短編集。(解説/吉田伸子)