ワーナー・ブラザースでは、原作発表直後から実写化を進め、アキヴァ・ゴールズマンが脚本を完成させたが、2017年のホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が興行的成功を収めるまで、予算を保証しなかった。その後、フラナガンがゴールズマンによる脚本の再執筆及び監督として採用された。
ドクター・スリープの感想
数年前、待望だったはずの原作をようやく入手したものの、どうにも読みづらく放り投げたままだったので、映画を先を見てみることにした。
「シャイニング」では特定されていなかった悪者が、60年代ヒッピーを思わせるカルト集団になっていたり（True Knotという名前も子どもっぽい）、その首魁であるレベッカ・ファーガソンがハット・ザ・ローズというディズニー映画の魔女みたいになっていたり、全体にお子様テイストなのは否めない。
随所にキューブリックへのオマージュシーンが、というか、そのままフィルムを引用していたりするのも興醒めだ。
マイク・フラナガンという人は、あまりぱっとしない「サイレンス」という映画を撮った人。
本作はキューブリックとキングの双方に配慮した映画ということで、なぜか概ね好評なのだが、私には右顧左眄した結果、駄作になったとしか思えなかった。
そして原作が読みにくかったのは、オーバールックホテルの生き残りダニーが、あっという間に中年のアル中に成長したり、そこでまた唐突に5年経過したりする理由が分からなかったから（映画を見てもやはりわからない）ということもあるが、まずもって、キングの執拗なキューブリック批判が「よくわからない」という前提によるものだと思う。
ドクター・スリープのあらすじ
ダニー・トランスはオーバールックホテルのトラウマを抱え、アルコール依存症となる。強力なシャイニングを持つ少女アブラ・ストーンと繋がり、ヴァンパイア集団「トゥルー・ノット」から彼女を守る。ビリー・フリーマンと協力し、囮を仕掛けて対決。アブラは拉致されるが、ダンは彼女を救出。オーバールックホテルでローズ・ザ・ハットと対峙し、ホテルの亡霊を解放してローズを殺害。ホテルは炎上し、ダンは死亡。アブラはダンの遺志を継ぎ、シャイニングの能力を大切にすることを誓い、亡霊に立ち向かう。
ドクター・スリープを観るには？
ドクター・スリープ キャスト
幼少期のダニー・トランス – ロジャー・デール・フロイド
ローズ・ザ・ハット – レベッカ・ファーガソン
アブラ・ストーン – カイリー・カラン
幼少期のアブラ・ストーン – ダコタ・ヒックマン
ビリー・フリーマン – クリフ・カーティス
ディック・ハロラン – カール・ランブリー
クロウ・ダディ – ザーン・マクラーノン
スネークバイト・アンディ – エミリー・アリン・リンド
ジョン・ダルトン医師 – ブルース・グリーンウッド
バリー・ザ・チャンク – ロバート・ロングストリート
グランパ・フリック – カレル・ストルイケン
デイビッド・ストーン – ザッカリー・モモー
ルーシー・ストーン – ジョスリン・ドナヒュー
バーテンダー / ジャック・トランス – ヘンリー・トーマス
ウェンディ・トランス – アレックス・エッソー
チャーリー – ジョージ・マンガート
ブラッドリー・トレバー – ジェイコブ・トレンブレイ
ディーニー – チェルシー・タルマッジ
バイオレット – ヴァイオレット・マッグロウ
ミセス・ロバートソン – デイドラ・ムーア
ビジネスマン – ジェイソン・デイヴィス
ドクター・スリープ 作品情報
脚本 – マイク・フラナガン
原作 – スティーヴン・キング
製作 – トレヴァー・メイシー、ジョン・バーグ
製作総指揮 – ロイ・リー、スコット・ランプキン、アキヴァ・ゴールズマン、ケヴィン・マコーミック
音楽 – ザ・ニュートン・ブラザーズ
撮影 – マイケル・フィモナリ
編集 – マイク・フラナガン
製作会社 – ワーナー・ブラザース、イントレピッド・ピクチャーズ、ヴァーティゴ・エンターテインメント
配給 – ワーナー・ブラザース
公開 – アメリカ 2019年11月8日、日本 2019年11月29日
上映時間 – 152分（劇場公開版）、180分（ディレクターズカット）
ドクター・スリープ原作（スティーヴン・キング）
雪山に建つ「景観荘」の惨劇から三十年。ダニーを再び襲う悪しきものども。異能力「かがやき」を持つ少女と彼は新たな敵に挑む。