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陰の季節

3.5
山下リオ(陰の季節) ドラマ
山下リオ(陰の季節)
陰の季節は、2016年4月18日・25日にTBS系「月曜名作劇場」で放映。全2回。主演は仲村トオル。映画「64(ロクヨン)」(2016年5月7日公開)との連動企画であり、仲村トオルと滝藤賢一は同役で同映画に出演している。

陰の季節の感想

98年の松本清張賞をとった短編集の表題作をドラマ化したものだが、実は上川隆也版(2000)と仲村トオル版(2016、本作)がある。
本作は映画版「64」との連動企画で、三浦友和(捜査一課長)、奥田瑛二(刑事部長)、佐藤浩市(「64」の主人公)が並ぶシーンがあり、そこだけ異様な迫力である。
仲村トオル(警務部警務課)と滝藤賢一(警務部長)ももちろん「64」の登場人物である。
ラストシーンでは「もうひとつの未解決事件」として「ロクヨン」の一行が映る。

原作短編だけでは持たないと判断したのか、同短編集の「黒い線」事件が同時に並行する作りになっており、まだ痩せている和久井映見(警務課係長)もなかなかいいのだが、「黒い線」事件の婦警を、異様に顔が小さい山下リオが演じている。
そんなことをしなくても、伊武雅刀演じる元刑事部長が3年かけて赤く塗りつぶした群馬県内(原作ではD県)の巨大道路地図を、もう少し迫力をもたせた演出にすればよかったのにと思う。

「64」に通じる、原作者が好んで描く「途方もない執念」を示すものだからだ。

「64」はピエール瀧のNHK版のほうが優れていると思うが、映画版をもう一度見直してみようかな。

陰の季節のあらすじ

新たな警務部長として県警に着任した赤間警視正(滝藤賢一)。データ魔の彼は早速、警務課職員たちにあれこれとケチをつけてきた。警務部警務課の調査官・二渡(仲村トオル)は、赤間が異動するまでの辛抱だと同僚をフォローする。そんな県警で静かな大事件が発生した。元刑事部長で建設業界の団体に天下った尾坂部(伊武雅刀)が、期限を過ぎても辞めないと言い出したのだ。OBたちのポスト調整も警務部の重要な仕事であり、歯車がひとつ違えば行き場を失う者も出てくる。警察組織の掟を守らせるため、二渡は尾坂部を説得すべく調査を始める。二渡はまず、連続殺人事件の捜査をしている刑事課長の前島(千葉哲也)に声をかけるが…。

陰の季節を観るには?

陰の季節 キャスト

■群馬県警察本部警務部
二渡真治(警務課調査官) – 仲村トオル
七尾友子(警務課係長) – 和久井映見
今井幸夫(警務課長) – 大高洋夫
赤間肇(警務部長) – 滝藤賢一
■群馬県警察の関係者
上原勇三(警務部 警務課人事係長) – 長谷川朝晴
森島光男(刑事部 鑑識課長) – 西沢仁太
金子(刑事部 捜査一課) – 志野リュウ
■特別出演
松岡勝俊(刑事部 捜査一課長兼参事官) – 三浦友和
荒木田茂(刑事部長) – 奥田瑛二
三上義信(刑事部 捜査二課次席) – 佐藤浩市
■他
平野瑞穂(刑事部 鑑識課機動鑑識班) – 山下リオ

陰の季節 スタッフ

原作 – 横山秀夫
脚本 – 窪田信介
監督 – 榎戸耕史
主題歌 – 小田和正「風は止んだ」
ナレーター – 岐部公好
警察監修 – 倉科孝靖
VFX – イレブングラフィックス
技術協力 – バル・エンタープライズ
美術協力 – BEENS
ポスプロ – ザ・チューブ
スタジオ – 東宝スタジオ
プロデューサー – 伊藤正昭
アソシエイトプロデューサー – 木村理津
編成 – 永山由紀子
企画 – 越智貞夫
製作 – コブラピクチャーズ、TBS

陰の季節の原作(横山秀夫)

D県警警務部警務課調査官の二渡(ふたわたり)真治は、警察一家の要となる人事担当である。二渡は「任期三年」という暗黙の掟を破り、天下り先ポストに固執する大物OB尾坂部の説得にあたるが、にべもなく撥ねつけられてしまう。周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。
警視昇任を控えたQ警察署の生活安全課長・曾根がパブのママと不倫をしているというタレコミが監察課に送られてくる。監察官の新堂は、元公安課の柳刑事を使って、密告者は誰なのか探ろうとする。(「地の声」)
鵜飼県議が、県警を揺るがす不祥事に関する爆弾質問を出すという情報が入る。『議会対策』を担当する警務部秘書課の柘植は、質問内容を調べるために東奔西走する。(「鞄」)など全4篇。
上川隆也、仲村トオルの主演でドラマ化もされている。解説・北上次郎

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