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サブウェイ123 激突

アーン・ジャニュー・エリス(サブウェイ123 激突) 映画
アーン・ジャニュー・エリス(サブウェイ123 激突)
トニー・スコット監督による2009年のアメリカのアクションスリラー映画。原題は「The Taking of Pelham 123」。主演をデンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタが務める。ジョン・ゴーディ(英語版)の1973年の小説『サブウェイ・パニック』を原作とし、1974年版(英語版)、1998年版(英語版)に続く、3度目の映画化。
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ワシントンは何の悪事をはたらいたのか(サブウェイ123 激突の感想)

70年代のベストセラーをウォルター・マッソーで映画化したもの(「サブウェイ・パニック」)のリメイク。他にテレビ映画もあったらしい。

犯人はジョン・トラボルタ、地下鉄の管制官はデンゼル・ワシントンだが、原作ではNY市側は群像劇になっていて管制官はその一人に過ぎないらしい。

地下鉄ハイジャック物の草分けというわけだが、実はトラボルタはウォール街のブローカー出身で、事件を起こすことによって株価を下げ、安全資産である金の暴騰を見込んで一山当てようとしているとのこと。実際に9.11のときにはそういうコトが起こったらしいが、これしきの事件でどの程度それがリアルなのかは疑問。

何かと秒読みして圧をかけるトラボルタはいかにもブローカーっぽいのだが、ワシントンにも賄賂疑惑の弱みがあり歯切れが悪い。この賄賂事件がフワッとしていて、ただの疑惑なのか会社にハメられたのか、いまひとつ釈然としない。
事件へのモチベやトラボルタの信頼度にも関わるので、そこはハッキリさせてほしかった(ラストシーンで市長がもみ消すようなことを約束するので、実際に収賄したということなのだろう)。ワシントンの妻(アーンジャニュー・エリス)も夫の不運に苛々しているようなので、どちらかわからないのは困る。

後半はコニーアイランド目指して時速100kmで暴走する地下鉄車両のスリルと、それを尻目にマンハッタンブリッジを逃げるトラボルタの追跡劇になるのだが、今見るとちょっと地味。
トニー・スコットは翌年「アンストッパブル」という暴走機関車ものを撮っている。

サブウェイ123 激突 見どころ

1974年の名作『サブウェイ・パニック』を、トニー・スコット監督が2009年にリメイクしたアクション・サスペンス。ニューヨークの地下鉄を占拠した武装集団と、彼らと交渉する地下鉄運行指令室の職員との駆け引き。

  1. デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタの対決
    これが本作最大の目玉。
    • デンゼル・ワシントン: 地下鉄運行指令室の職員ウォルター・ガーバー。賄賂疑惑で閑職に追いやられているが、人質を救うため犯人との交渉役を担う。冷静沈着でありながら、家族への思いや自身の弱さも持ち合わせた「普通の男」としての葛藤
    • ジョン・トラボルタ: 武装集団のリーダーであるライダークラス。悪役としてのカリスマ性と、狂気をはらんだ予測不能な行動が緊張感をもたらす。デンゼル・ワシントンとの無線越しの心理戦は「激突」にふさわしい見応え
  2. トニー・スコット監督の疾走感あふれる演出
    監督がトニー・スコットであること自体が見どころ。『トップガン』などで知られるスタイリッシュな映像、スピーディーなカット割り、そして臨場感あふれるアクション演出。ニューヨークの街を縦横無尽に駆け巡る映像、地下鉄内での緊迫した状況が飽きさせない。
  3. 息詰まる心理戦とタイムリミット
    犯人の要求は「1時間以内に1000万ドルを用意しろ。さもなければ1分ごとに人質を殺す」。この明確なタイムリミットが緊迫感を与える。限られた空間である地下鉄車両内、運行指令室という二つの舞台で、犯人とガーバーの会話が繰り広げられ、高い集中力が要求される心理戦が展開。
  4. 「地下鉄パニック」のリメイクとしての新たな解釈
    1974年のオリジナル版とは異なり、犯人の目的が株価操作に絡んでいるなど現代的な要素、より複雑な背景が与えられている。
  5. 実力派の脇役陣
    ジョン・タトゥーロ(交渉担当官)、ジェームズ・ガンドルフィーニ(ニューヨーク市長)など、脇を固める俳優陣も豪華。

トリビア・撮影裏話など

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