扉の影に誰かいるねん(扉の影に誰かいるの感想)
封切時に見たおぼえのある、懐かしい映画(当時10歳)。
チャールズ・ブロンソンを偽の記憶で操ろうとする精神科医がアンソニー・パーキンスで、妻の不倫相手をブロンソンに殺させようと細かく小細工を弄する。
その妻はブロンソン夫人のジル・アイアランドで、つまりこれはブロンソン主体の映画だと宣言されている。
ブロンソンとしては本作で心理劇に挑んでおり、アクションはほぼなし。記憶喪失の精神分裂病患者で、最後まで茫然としているのだが、これで良かったのか。
対してパーキンスのノーマン・ベイツと同じ自律神経失調的な演技は、10年以上の時を経てますます磨きがかかっていた(壁の絵にぶつかりながら短い段差を上るシーンなどすばらしい)。
パーキンスの目論見はまんまと成功するのだが、結局、ジル・アイアランドに軽蔑されて自首を決意することにするので、盛り下がりぶりが甚だしい。なんのこっちゃ。というか、扉の影に誰がいるねん(原題は邦題通りである)。
監督はジョディ・フォスターの「白い家の少女」を撮った人。ほかはよくわからん。
扉の影に誰かいる 見どころ
記憶喪失の男と精神科医の危険な駆け引きを描いた、緊張感あふれる映画。心理的な緊張感と予測不能な展開、ブロンソンとパーキンスという異色の組み合わせが見どころ。
- 見どころ1. ブロンソンの異色の演技
アクションスターとして知られるチャールズ・ブロンソンが、記憶喪失の男という内面的な葛藤を抱える役柄に挑戦。 - 見どころ2. パーキンスの冷徹な医師役
『サイコ』で知られるアンソニー・パーキンスが演じるローレンス・ジェフリーは、冷静沈着でありながら狂気を秘めた人物。計算された演技が緊張感を高める。 - 見どころ3. 緊迫した心理戦
記憶喪失の男と精神科医の間で繰り広げられる心理戦。誰が操り、誰が操られているのか、観客の予想を裏切る展開。
撮影秘話・トリビア
- ジル・アイアランドは、実生活でチャールズ・ブロンソンの妻。二人は多くの作品で共演しており、息の合った演技が見どころ
- ジョルジュ・ガルヴァランツによる音楽が物語の緊張感を一層高める。静寂と不協和音を巧みに使ったサウンドトラックが印象的
- 舞台はロンドン郊外の港町とされるが、フランスで撮影されたためフランス映画として分類されている。
扉の影に誰かいるのあらすじ
妻の不倫に悩む精神科医ローレンスは何とかして妻との愛を取り戻そうと考えていた。その矢先、ローレンスの勤務先である病院に記憶をなくした流れ者が運びこまれる。ローレンスは、男が過去や身の上一切を何も覚えていないことから一計を案じ、男を治療という名目で自宅へ連れて行く。ジュースに精神安定剤を混入させて男を眠らせたローレンスは、外出する妻を見送ると、男にローレンス自身のプロフィールを刷り込んでいく。ローレンスの目論見は、不倫相手を男の手で殺害させるという完全犯罪だった。やがてダミアン宛に電報を打たせ、自宅に出向くよう仕向けたローレンスの計画は完璧に遂行されるに見えたが……。