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フレンチ・コネクションの感想
45年ぶりぐらいに再見。全編ドキュメンタリータッチで(フリードキンは「Z」と「勝手にしやがれ」に影響を受けたと書いている)、子どものころ見たときは正直よくわからなかった(淀川長治が興奮していたのは覚えている)。
胡散臭いフェルナンド・レイが通りの向こうで歩いているところにキャメラがズームインすると、思わずブニュエル映画を思い出してしまう。レイは最後まで逃げきり、映画は銃声とともに断ち切られる。
執拗に分解したリンカーンが元通りになるからくりがよくわからないが、警察御用達の業者だからどうとでもなるということなのか。
「フレンチコネクション」とはトルコからフランスを経由して米国に輸出されるヘロインの密売ルートのこと。1961年にNY市警本部薬物対策課のエドワード・イーガンとサルヴァトーレ・グロッソがフランスから密輸された麻薬約40キログラムを押収した実在の事件をモデルとしている。イーガンとグロッソはアドバイザーとして本作制作に協力し、カメオ出演もしている。
1975年に、ジョン・フランケンハイマー監督による続編『フレンチ・コネクション2』が制作された。
フレンチ・コネクション 見どころ
ジーン・ハックマン演じる“ポパイ”ドイル刑事が繰り広げる、圧倒的リアリズムとスリルを併せ持つ刑事ノワールの傑作。
- 徹底された“ドキュメンタリー的リアリズム”
フリードキン監督は実在の捜査官(エディ・イーガン、ソニー・グロッソ)を制作に参加させ、ハックマンとシャイダーも同行取材を敢行。その結果、劇中の捜査や街並みは“鼻のツーンとする現実感”をもって迫り、70年代ニューヨークの都市犯罪映画の金字塔となった - 伝説のカーチェイス—映画史に残る名場面
エレベーター車を奪い、高架鉄道をひた走る“高速カーチェイス”は、後世にも多大な影響を与えた名シーン。スピード感を増すため18fpsの撮影、スタントミスすらそのまま使用した衝撃のリアル描写は、まるで観客を事故現場に放り込んだかのよう。 - “ポパイ”ドイル刑事のアンチヒーロー性
“ポパイ”ことジミー・ドイルは、正義感よりも“執着と野生”を原動力とする捜査官。人種差別的言動や暴力的手段も辞さない彼を、ハックマンは「正義ではなく獲物に食らいつくドーベルマン」として体現。そのぶっきらぼうながら牙をむく演技が、作品に強烈な緊張感を与える。 - バディ/クラウディとの対比と人間ドラマ
クラウディ(シャイダー)はベテラン刑事ポパイの衝動を支える存在。“刑事バディ”としての役割以上に、彼の正直さや葛藤が、ポパイの狂気を際立たせる。この相互依存の関係性が、ただのアクション映画ではなく“人間ドラマ”としての深みを与えている。 - モキュメンタリーとジャンル混合—新時代のポリスノワール
本作はノワール、アクション、ドキュメンタリーをミックスした「ネオノワール」として評価されました。70年代以降のポリス映画に与えた影響は計り知れず、スティーブン・スピルバーグやデヴィッド・フィンチャーらも本作から多大な影響を受けたと公言している。
フレンチ・コネクションのあらすじ
NY市警本部薬物対策課で“ポパイ”とアダ名されるドイル刑事は、薬物捜査のベテランだが、捜査のためならば強引な手法も厭わない。麻薬の売人を逮捕した夜、相棒のルソーとナイトクラブ「コパカバーナ」に飲みに出かけると、有力マフィアの組長たちが妻同伴で来店しており、共にテーブルを囲んで札びらを切っている若い夫婦がいた。不審に思ったドイルとルソーが夫婦を捜査すると、表向きはブルックリンでデリカテッセンを営んでいるが、夫のサル・ボカは強盗事件などで何度か捜査対象になっていた。工員、郵便配達人などに変装して夫婦を見張るうち、サル・ボカがNYの麻薬取引の元締めマフィア・ワインストックの舎弟だと判明。サルは近いうちにフランスとのヘロインの大口取引を任されるという。
財務省麻薬取締部の捜査官たちと捜査を進めると、マルセイユの黒幕アラン・シャルニエがニューヨークを訪れていることが判明。シャルニエはリンカーンに麻薬を隠して密輸しようとする。シャルニエを執拗に追及するドイル。シャルニエは追及の手が迫ることを恐れて殺し屋ニコリをドイルのもとへ差し向ける。
フレンチ・コネクションを観るには?
フレンチ・コネクションのキャスト
“クラウディ” バディ・ルソー – ロイ・シャイダー
アラン・シャルニエ – フェルナンド・レイ
サルバトーレ・ボカ – トニー・ロビアンコ
アンリ・デブロー – フレデリック・ド・パスカル
ピエール・ニコリ – マルセル・ボズフィ
ウォルト・シモンソン – エディ・イーガン
ビル・クライン – ソニー・グロッソ
ビル・マルダリッグ – ビル・ヒックマン
アンジー・ボカ – アーリーン・ファーバー
フレンチ・コネクションのスタッフ
『フレンチ・コネクション』は、リアルと狂気がせめぎ合う“刑事映画の金字塔”です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。