ドラマ1980年代のドラマ1983年のドラマ

高校教師

桜井幸子(高校教師) ドラマ
桜井幸子(高校教師)
高校教師は、1993年1月8日~3月19日の毎週金曜22:00-22:54にTBS系列「金曜ドラマ」枠で放送。脚本は野島伸司。主演は真田広之と桜井幸子。同年に東宝系で映画版が公開、2003年には続編が制作・放映された。
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高校教師の感想

90年代にほとんどテレビ自体見ていなかった私は初見。30歳だった野島伸司が勝負をかけたと覚しい93年のドラマである。

すばらしい透明感で目を惹く美少女桜井幸子は実は20歳で、前年の朝ドラ女優でもあるのだが(それにしては演技が幼いが…)、すでに2009年に引退していて今では見ることができない。とても残念。主演は観月ありさも検討されたらしいが、それだと大分違ったものになっただろう。

映画中心だった真田広之はすでにこのとき手塚里美と結婚しており、本作で全国区となったが、数年後に葉月里緒奈との不倫スキャンダルに。人は、15歳年下の葉月に、桜井の姿を重ねたのではないかと邪推する。

最終話は視聴者の想像に委ねるシーンで終わっており、「結局どうなったのか」という反響を呼んだ。野島は同年に映画版、10年後にドラマ続編を書いたが、いずれも本作の変奏的な内容となっている。

高校教師 見どころ

教師と生徒の恋愛・同性愛・強姦・近親相姦・自殺など当時の社会的タブーを扱って反響を呼び、サスペンスの要素も反響に拍車をかけた。1994年に同じ野島伸司脚本のTBS金曜ドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』、1995年の『未成年』と合わせ、「TBS野島三部作」と呼ばれる。

  1. 「教師と生徒の禁断の愛」というタブーへの挑戦
    最大の衝撃は、当時テレビドラマでほとんど描かれることのなかった「教師と生徒の恋愛」というタブーに真正面から切り込んだこと。社会が許さない関係性の中で、純粋な愛と、それゆえに引き起こされる悲劇を克明に描く。
  2. 真田広之と桜井幸子の繊細かつ壮絶な演技
    真田広之は葛藤し、苦悩しながらも愛に溺れていく教師・羽村を、抑制された演技の中に情熱を込めて演じた。桜井幸子さんは、世の中の全てに絶望しながらも、羽村との愛に希望を見出す女子生徒・繭の繊細かつ壮絶な感情を、全身全霊で表現し、強烈な印象を残した。二人の間から滲み出るような切ない空気感が多くの視聴者の心に残った。
  3. 野島伸司脚本による衝撃的な展開と社会への問いかけ
    野島伸司ならではの予測不能で衝撃的なストーリー展開。人間の心の奥底に潜む闇、家庭内の問題、いじめ、同性愛など、当時としてもセンシティブなテーマを容赦なく描き出し、視聴者に社会のあり方や、人間の倫理について深く問いかけた。
  4. 「心の孤独」と「救い」の探求
    登場人物たちは皆、何らかの形で孤独や生きづらさを抱えており、救いを求め、あるいは破滅へと向かっていく。愛が救いとなるのか、それともさらなる絶望をもたらすのか、その行方が心を揺さぶる。
  5. 森田童子の主題歌「ぼくたちの失敗」
    主題歌に起用された森田童子の「ぼくたちの失敗」は、ドラマの退廃的で切ない世界観と完璧にマッチし、物語の象徴として多くの人の記憶に残った。その歌詞とメロディーが、ドラマの持つテーマ性をより深く際立たせる。

高校教師 あらすじ

新しく赴任してきた数学教師・羽村隆夫(真田広之)は妻との関係に悩みを抱え、どこか影がある男。女子生徒の二宮繭(桜井幸子)は、彼と互いに心惹かれ合っていく。繭は、明るく奔放に見えるが、家庭では複雑な事情を抱え、孤独を感じていた。羽村もまた、過去の出来事や現在の状況から精神的に追い詰められており、二人は互いの心の隙間を埋めるように、教師と生徒という社会的なタブーを犯す「禁断の愛」に足を踏み入れていく。
しかし、二人の関係は、繭の父親(峰岸徹)や、羽村の妻(持田真樹)、そして彼らを取り巻く学校の教師や生徒たち(京本政樹、若林志穂、益岡徹、赤井英和など)を巻き込み、次第に周囲に大きな波紋を広げていく。嫉妬、憎悪、裏切り、そして過去の因縁が複雑に絡み合い、物語は予測不能な悲劇へと突き進んでいく。

高校教師を観るには?

高校教師のキャスト

■主人公とヒロイン
 羽村 隆夫〈32〉 – 真田広之
 二宮 繭〈17〉 – 桜井幸子
■日向女子高等学校
○教員
 新庄 徹〈33〉 – 赤井英和
 藤村 知樹〈32〉 – 京本政樹
 坂入主任 – 金田明夫
 教頭 – 小宮健吾
 宮原 志乃 – 山下容莉枝
 田辺 里佳 – 若林志穂
○生徒
 相沢 直子〈17〉 – 持田真樹
 佐伯 麻美〈18〉 – 中村栄美子
 女子生徒 – 加藤貴子
■生徒の家族
 二宮 耕介〈48〉 – 峰岸徹
■教職員の家族
 新庄 貴広 – 森田洸輔
 羽村 和人 – 三浦浩一
■昭和理科大学
 三沢 祐蔵 – 小坂一也
 樋口 尚樹〈32〉 – 黒田アーサー
■その他
 三沢 千秋〈24〉 – 渡辺典子

高校教師のスタッフ

脚本:野島伸司
音楽:千住明
彫刻:円谷良夫
演出: 鴨下信一吉田健森山享小池唯一
演出補:松原浩
プロデューサー:伊藤一尋

『高校教師』(1993年版)は、衝撃的な内容で社会のタブーに切り込み、社会現象となった作品です。今見ても色褪せることのない、人間の愛憎と悲劇を描いた傑作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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