TBS系列で2003年10月8日~12月10日まで放送されたテレビドラマ。全10話。初回のみ15分拡大。平均視聴率8.6%。原作は連城三紀彦の短編小説「恋文」で、ドラマ化に当たってストーリーを大幅に膨らませたものになっている。なお、この小説は1985年に『恋文』として映画化されている。
恋文〜私たちが愛した男〜の感想
2003年のドラマで27歳の水野美紀はまだ怪優ではなくて美しい横顔がまぶしく、35歳の渡部篤郎も時代遅れのヒッピー風(画家という設定)なのに対し、33歳だった和久井映見が49歳の現在とほとんど変わりないことに驚く。
余命短い和久井(好んでこういう役を演じている気がする)のために妻の水野を捨てて出奔する渡部、という三角関係を描くドラマで、毎話、修羅場である。連城三紀彦の短編を大幅に引き伸ばしているのは岡田惠和。
恋文〜私たちが愛した男〜 見どころ
- 三角関係の機微と“別れと再会”の切なさ
将一は、余命半年と診断された昔の恋人・江津子との再会を選び、妻・郷子と長男を残して家を離れてしまう。江津子(水野美紀)の病床での切実な想い、郷子(水野美紀)の苦悩、そして離れても引き裂かれない家族の絆──三者の“それぞれの愛”が交錯する様は、“愛する者を手放す覚悟”を描いた深い感情劇になっている。 - 岡田惠和脚本の”繊細な心情描写”
原作の短編を10話に拡大した脚本では、郷子の葛藤、江津子の覚悟、将一の罪悪感などが多層的に描写される。岡田惠和ならではの、“何気ない日常に忍び込む悲しみと優しさ”が各話に散りばめられ、視聴者の心にじわりと響く。 - :豪華キャストが織りなす“背徳と切なさ”
渡部篤郎の“中毒性のあるダメ男”、水野美紀の“妻としての強さと弱さ”、和久井映見の“病める恋人の美しさと孤独”……この3人の“愛と罪の重なり”は、視覚的にも感情的にも深く光るキャスティング。和久井映見は、本作で「可憐な色気」を演じきった。 - リズム良い毎話の感情の起伏
家族旅行、手術前夜の花嫁衣裳、家族の反撃、そして最終話まで、「涙→葛藤→再生」の波がリズミカルに展開。各回が濃い感情で構成されており、フィルマークスの視聴者レビューでも「修羅場の連続なのに目が離せない」と好評だった。
恋文〜私たちが愛した男〜 あらすじ
出版社で働く竹原郷子(水野美紀)は中学の美術教師である夫・将一(渡部篤郎)を引き取りに警察へ出かけた。将一は酔ってちょっとした騒ぎを起こし補導されたのだ。トラブルには事欠かない将一だったが、郷子は彼を憎めず、可愛いとさえ思っていた。数日後、将一の学校に田島江津子(和久井映見)という女性が訪ねてきた。江津子は将一の昔の恋人で、余命6か月の難病で入院していた。後日、仕事中の郷子に将一から突然電話が。「悪いことするかもしれないから、先に謝っとく、ごめんなさい」という不可解な言葉を残して将一の電話は切れた。その夜、将一は家の窓ガラス一面に郷子のマニキュアを使って桜の花びらを描いた。起きてきた郷子はその美しさに見とれるが、将一が高いマニキュアを使ったことを知って怒る。電話で「ごめん」と謝られたのは、このことだと思い郷子は再び眠りにつく。だが次の日の朝、将一は突然家を出て行った…。
恋文〜私たちが愛した男〜を観るには?
恋文〜私たちが愛した男〜のキャスト
竹原将一 – 渡部篤郎
竹原郷子 – 水野美紀
田島江津子 – 和久井映見
若林誠 – 要潤
石塚圭子 – 国分佐智子
三上晴江 – 能世あんな
竹原優 – 泉澤祐希
江津子と将一の幼少時代の写真 – 尾崎千瑛、春山幹介
田島正造(江津子の叔父) – 岡本信人(第4話)
辻美木子 – いしだあゆみ
三田計作 – 寺尾聰
竹原郷子 – 水野美紀
田島江津子 – 和久井映見
若林誠 – 要潤
石塚圭子 – 国分佐智子
三上晴江 – 能世あんな
竹原優 – 泉澤祐希
江津子と将一の幼少時代の写真 – 尾崎千瑛、春山幹介
田島正造(江津子の叔父) – 岡本信人(第4話)
辻美木子 – いしだあゆみ
三田計作 – 寺尾聰