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リッチマン、プアウーマン

4.0
石原さとみ(リッチマン、プアウーマン) ドラマ
石原さとみ(リッチマン、プアウーマン)
リッチマン、プアウーマンは、フジテレビ系「月9」枠で2012年7月9日~9月17日の毎週月曜21時-21時54分に放送。主演は小栗旬。2013年4月1日に続編スペシャルドラマ『リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク』も放送。
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リッチマン、プアウーマンの感想

2012年の月9で、スペシャルも見ている(のにまた見ているという)。26歳の石原さとみ(すでにヒロインをいくつも演った後)が、何度見ても激可愛い。

就職氷河期を背景に、遅れてきたザッカーバーグみたいな成功者を小栗旬が演じる。
小栗が開発している「パーソナルファイル」とは、今でいうマイナンバーをテレビ風にアレンジしたもので(消えた年金問題が起こった社会保険庁から異動してきた総務省の事務次官という人物を大地真央が演じている)、番組放映時は、翌年の安部政権下での番号制度関連法成立前夜だった。

リッチマン、プアウーマン 見どころ

生活も価値観も正反対の男女が衝突を繰り返しながらもお互いを知り精神的に成長して惹かれあう「現代版『プリティ・ウーマン』」的恋愛ドラマに加え、「絵空事じゃない地に足のついた夢を語って、世の中に発信できる」「男のカッコよさ」を描くことを主題とし、企業ものとしての要素も多く盛り込まれた。平均視聴率は12.4%。ザテレビジョンドラマアカデミー賞で2部門受賞。
プロデュースは『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』など特定業種の内実ドラマが得意な増本淳。放送前年(2011年)は大卒就職率が史上最低を記録したことから、増本は格差社会を象徴する主人公とヒロインの二者の間に恋愛は成立するのかをテーマにしたという。
連続ドラマとしては珍しく、クランクイン時点で台本が6話分まで完成しており、キャストはストーリーの全体像を見すえて役作りできたという。小栗はスティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグを参考にしている。石原さとみ演じる澤木千尋こと夏井真琴のキャラクターは、脚本家のあて書きである。
「NEXT INNOVATION」オフィスはフジテレビ湾岸スタジオ内セットだが、一部は日本マイクロソフト品川本社オフィスで撮影され、会議室の受付フロアや社員食堂などが登場している。

ヒロイン夏井真琴の“在り方”

本作で石原さとみが演じる夏井真琴は、東大卒ながら内定がもらえず就活難民になっている若き女性。彼女は「澤木千尋」という偽名で主人公・日向徹(小栗旬)が経営するITベンチャーに近づき、そこから2人の関係と物語が動き出す。

  1. 嘘から始まるヒロイン=“不安定な自己の象徴”
    真琴は、いわば「名もなき若者」。学歴があっても社会で求められず、自信がない。その中で“偽名”を使い、ようやく人と向き合えるという姿は、自分の本名(=本来の自分)では勝負できない現代の若者像を体現している。
    恋も仕事も、“うまく立ち回る”ことができない。でも一歩ずつ踏み出していく、その“リアルな弱さと芯の強さ”。
    この不安定さが、日向の天才的な孤高さと見事な対比となり、彼女をただの“恋愛要員”ではなく、作品全体の感情軸に引き上げている。
  2. 天才×凡人という非対称関係における“希望”
    日向は孤高の天才で、人の名前すら覚えられないほど人間関係に無頓着。そんな彼が、真琴のまっすぐな視線と粘り強さにふれて、初めて“人”に惹かれ、変わっていく。一方で真琴もまた、日向の才能とスピード感、時に身勝手さに苦しみながらも、自分の居場所を探し、自分自身の強みを見つけていく。
    恋愛においても、彼女は一方的に追いかけるだけではなく、時に離れる選択もする、弱さを持ちながらも、「私は私」と言えるようになる過程。この“対等になるまでの物語”こそが、本作におけるヒロインの成長ドラマであり、視聴者にとっての感動の核である。
  3. 石原さとみの表現力が花開いた“ターニングポイント作品”
    石原さとみはそれまで清楚系ヒロインの印象が強かったが、本作で「感情を率直にぶつけ、愛嬌とリアルさを併せ持つ等身大の女性像」を確立。コミカルな表情から涙の演技まで、表情の振れ幅が豊かで、恋愛ドラマにリアリティと勢いを与えた。特に“涙を堪えながら笑う”シーンや、“傷つきながらも相手を立てる”場面に、共感と支持が集中した。
    これにより、「ラブコメヒロイン=石原さとみ」の評価が決定的になったといえる。
  4. 現代女性像の反映としての“真琴”
    夏井真琴というキャラクターは、以下のような“現代的な女性の二面性”を体現している。
    表面 内面
    明るく、ポジティブ 実は自信がなく、迷っている
    恋愛体質に見える 自立を望み、依存しない
    感情豊かで素直 本音をうまく伝えられない

    この「弱さを抱えた強さ」が、視聴者から支持を得た最大の理由である。

    リッチマン、プアウーマンのあらすじ

    日向徹は時価総額3000億円のベンチャーIT企業「NEXT INNOVATION」の天才社長だが、母に捨てられたトラウマを抱える。就活生・澤木千尋(偽名)をインターンとして採用し、彼女が実母と同姓同名であることに気づく。千尋は戸籍情報管理システム「パーソナルファイル」開発に貢献するが、偽名がばれ解雇される。しかし、彼女のアイデアを評価し再雇用。千尋(本名・真琴)は日向に惹かれるが、副社長・朝比奈は日向を裏切り、顧客情報流出で会社を危機に陥れる。日向は解雇され、真琴と共に新会社を設立。朝比奈は逮捕され、新会社は成長。日向は実母と再会しわだかまりを解き、真琴への愛を自覚するが、すれ違う。日向はNEXT INNOVATIONに復帰し、朝比奈と和解。真琴がブラジルへ発つ際、空港で愛を告白し、IT技術で距離を無くすと宣言。1年9か月後、真琴は恋人として日向に迎えられる。

    リッチマン、プアウーマンを観るには?

    リッチマン、プアウーマンのキャスト

    主要人物
     日向 徹 – 小栗旬
     夏井 真琴 / 澤木 千尋 – 石原さとみ
     朝比奈 燿子 – 相武紗季
     朝比奈 恒介 – 井浦新

    NEXT INNOVATION
     安岡 倫哉 – 浅利陽介
     小川 智史 – 中村靖日
     細木 理一 – 植木紀世彦
     立石 リサ – 舞川あいく
     山上 芳行 – 佐野史郎

    その他の社員
     プログラマー – 田邊俊喜
     ディレクター – 練苧弘晃
     ベンチャーキャピタリスト – 大津尋葵
     デザイナー – 野口卓磨
     デザイナー – 三箇一稔
     プロデューサー – 近藤芽衣
     受付 – 西原亜美
     WEBデザイナー – 戸田ゆき
     アカウントプランナー – 我謝レイラニ

    東京大学
     小野 遙香 – 野村麻純
     久賀 友紀 – 古川雄輝

    真琴の家族
     夏井 歌子 – 鷲尾真知子
     夏井 真二郎 – 螢雪次朗
     夏井 真一 – 夙川アトム

    その他
     乃木 湧太 – 丸山智己
     笛木 匡正 – 中原丈雄

    リッチマン、プアウーマンのスタッフ

    脚本 – 安達奈緒子
    演出 – 西浦正記田中亮
    演出補 – 品田俊介、楢木野礼、蔵内彩季子、安川徳寛、酒見顕守、阿部博之、上田迅、迫本竜治郎、松嵜由衣
    音楽 – 林ゆうき
    主題歌音楽 – Naoki-T
    音響効果 – 上田真理香
    視覚効果 – 江崎公光
    画像システム – 岡本喜典
    VFXプロデュース – 冨士川祐輔
    タイトルロゴ – 海老沢正敏
    タイトルバック – 三塚篤、釼持吉秀
    VTR – 宮入俊彰
    予告編集 – 尾形竜太、高橋努
    生命科学監修 – 高鳥直士(首都大学東京生命科学コース発生プログラム研究室助教)
    方言指導 – 杉本泰郷、馬場まさお
    書道監修 – 江島史織
    美術・撮影協力 – 日本マイクロソフト / ジュンク堂池袋本店、H&M(第10話)
    プロデュース – 増本淳関口大輔
    プロデュース補 – 見戸夏美、松浦朋子、足立鮎美、川添志穂
    制作著作 – フジテレビ

    『リッチマン、プアウーマン』は、「可愛いだけじゃない」石原さとみの魅力が光るドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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