絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜の感想
「走る上戸彩」は、お約束なのだが、最終回では惜しげもなく走りまくり、揺れまくりで、それが感動を呼ぶ仕掛けになっている。
今回は面白くなりそうだ
前作「未解決事件特命捜査」は、初回は見たものの、たしか当時刑事物ばかりだったので、見そびれてしまった。上戸彩の主演に期待していたはずなので、見続けなかったのは話が地味すぎると思ったからだと思う。北大路欣也が出ている意味もよくわからなかった。
今回、Season2が始まり、上戸と北大路が異動するのにともなって、宮迫博之が殉職するお話であるスペシャルも先週あったのだが、それはやっぱりかなり地味な話であり、筋を追うのが面倒になってしまった。
…というこれまでに比べると、「特殊犯罪潜入捜査」はずっと面白くなりそうだと期待させた。
刑事物の中でもかなり特殊な世界を扱っているし、尾行にしても、盗撮・盗聴にしても、潜入にしても、これまでの地味な描写が活きてくる題材だからである。
前作も今作も、上戸彩はこれといった才能や取り柄がなく、一生懸命に仕事をする中で悩んだり泣いたりして成長していくキャラクターらしいのだが、今回の設定であればそれで良いと思わせるのだった。桐谷健太がビシビシとしごくのが気持ちいい。
それにしてもこういう世界は本当にあるのだろうか。あそこまで徹底的に洗われたら、犯罪者でなくても、たいていの人間はなんらかのボロが出てきてしまうような気がする。こわいこわい。
桐谷健太は殉死するだろう
2話目は先週の解決編で、かなり満足のいく出来であった。フツーに面白く、これは正攻法にもとづく当たりではないか。低視聴率の女王という不名誉な称号に甘んじてきた上戸彩を祝福したい。
今回、「絶対零度」は視聴率トップなのである。良いドラマが高視聴率になること自体、珍しいので、喜ばしい。
勝因は、やはり潜入物という題材の新鮮さにあるだろう。
潜入捜査といえば、「インファナル・アフェア」(駄作のリメイクは「デパーテッド」)、日本にも「大阪府警潜入捜査官」という優れた映画がある。
裏切り行為にほかならない潜入は、非常な危険をともなうものであり、潜入の物語は、まずもって裏切りの報いによる、捜査官の死をもって終わることになる。
「陽はまた昇る」の佐藤浩市を思い起こさせる桐谷健太のしごきぶりが、このドラマの楽しみのひとつだが、今回の幕切れで、あと3か月で桐谷が刑事を辞めるつもりであることが明かされた。つまりこのドラマは桐谷が刑事を辞めるまでの物語ということになる。
桐谷は、おそらくが辞職する前に、殉死することになるのではないかと予想する。
多少心配なのは、丁寧な描写で前半を盛り上げた前回が、初回スペシャル扱いで時間が延長されていたことだ。
丁寧な描写は、単純に放映時間が長かったからとも言える。今週から通常枠の放映時間になり、2週で1話という形式であったとしても、前週のような重厚さは多少薄まってしまうかもしれない。
今回の主犯・沢田知己を演じた平岳大はなかなか恰好よかった。
いいセンスなのだが、平はさらなる黒幕の存在をほのめかしていた。桐谷はおそらくその黒幕によって命を落とすことになると予想する。
絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜のあらすじ
八王子で起きた2つの事件の捜査終了から1か月後、警視庁内の組織再編による人事異動で、泉は捜査一課に新設された『特殊犯罪捜査対策室』に配属される。泉は慣れない潜入捜査に戸惑いながらも、事件の解決に奔走する。
絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜を観るには?
絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜のキャスト
桜木泉 – 上戸彩
特命捜査対策室、特殊犯罪捜査対策室
塚本圭吾 – 宮迫博之
瀧河信次郎 – 桐谷健太
深沢ユウキ – 丸山智己
白石晋太郎 – 中原丈雄
磯村亮平 – 小林高鹿
本間 – 細野哲弘
佐々木 – 澤純子
山下 – 山本修
川瀬 – 河野達郎
西田 – 西川智宏
井上 – 長谷川恵一郎
猪原恵美 – 峯村リエ
三井朋美 – 齋藤めぐみ
長嶋秀夫 – 北大路欣也
捜査支援分析班
高峰涼子 – 山口紗弥加
倉田工 – 杉本哲太
大森紗英 – 北川弘美
竹林匠 – 木村了
研究員 – 小川智弘、山本啓之、重松宗隆、鈴木隆典、和田亮太、鍋谷哲也
その他
畑山昭子 – 堀内敬子
木幡雄一 – ユースケ・サンタマリア
絶対零度〜特殊犯罪潜入捜査〜のスタッフ