映画2010年代の映画2019年の映画

蜜蜂と遠雷

松岡茉優(蜜蜂と遠雷) 映画
松岡茉優(蜜蜂と遠雷)
恩田陸の長編小説(幻冬舎のPR誌『星星峡』2009年4月号~2013年12月号、『PONTOON』2014年1月号~2016年5月号連載、2016年9月刊行、第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞ダブル受賞作)を原作として、松岡茉優主演で映画化され、2019年10月4日に全国公。監督・脚本・編集は石川慶。
国際ピアノコンクールを舞台に、コンクールに挑む4人の若きピアニストたちの葛藤や成長を描いた青春群像小説。
リーディング・オーケストラコンサートが2018年1月、2018年5月、2019年8月に上演されている。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

蜜蜂と遠雷の感想

「ある男」が話題の石川慶の監督作品。脚本も石川だが、原作ファンからは酷評されており、たしかに未読だと意味がわからないところが随所にあるのだが(本当は鈴鹿央士が主人公なのだ)、松岡茉優らの熱演と吹き替え演奏の見事さで最後まで見てしまった。

第3次予選(風間はサティ、マサルはバルトーク、栄伝はショパンを弾く)が省略されているのが残念ではあるが。

この場合、映画を見てから恩田陸を読むのが正しいかもしれない(私は読まないけど)。

蜜蜂と遠雷 見どころ

国際ピアノコンクールを舞台に、若きピアニストたちの葛藤と成長、そして音楽への情熱を描いた映画。

  1. 恩田陸ワールドの忠実な再現と映像美
    原作小説の独特の空気感や、音楽の描写が、石川慶監督によって見事に映像化。コンクール会場の緊張感、ピアニストたちの内面の葛藤、そして音を視覚的に表現する映像美が圧巻。
  2. 若手実力派俳優たちの競演と熱演
    松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、そして本作で俳優デビューを果たした鈴鹿央士(オーディションで100人以上の中から選ばれた)といった豪華な顔ぶれが個性豊かなピアニストたちを熱演。孤独や苦悩、音楽への情熱がひしひしと伝わる。
  3. 「音楽」が持つ力と感動
    プロのピアニストによる迫力ある演奏シーンが随所に挿入されます(劇中演奏は、河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央といった一流ピアニストが担当)。単に音を聴かせるだけでなく、音楽が持つ感情や、登場人物たちの心情を表現する手段として機能しており、音楽の素晴らしさを見せつける。
  4. 「天才」たちの人間ドラマ
    「天才」と呼ばれる若者たちが、才能と努力、嫉妬と友情、そして自分自身の存在意義と向き合っていく人間ドラマ。彼らがコンクールを通して、音楽だけでなく人生の新たな地平を切り開いていく姿が感動と共感を与える。
  5. 繊細な心理描写と伏線
    登場人物たちの複雑な心理が丁寧に描かれ、それぞれの背景や秘密が徐々に明らかに。原作特有の緻密な伏線が随所に散りばめられており、物語の深みを増している。

蜜蜂と遠雷 あらすじ

若手ピアニストの登竜門として知られる「芳ヶ江国際ピアノコンクール」に、それぞれ異なる背景を持つ4人の若者が集まる。

  • 栄伝亜夜(松岡茉優): かつて「天才少女」と呼ばれながらも、母の死をきっかけに7年間表舞台から姿を消していた。再起をかけてコンクールに挑む。
  • 高島明石(松坂桃李): 楽器店に勤める妻子持ちのサラリーマン。年齢制限ギリギリで、これが最後のコンクールと決意し、「生活者の音楽」を掲げる。
  • マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン): 名門ジュリアード音楽院出身。人気と実力を兼ね備えた優勝候補。
  • 風間塵(鈴鹿央士): 今は亡き「ピアノの神様」からの推薦状を持ち、突如現れた謎の少年。正規の音楽教育を受けていない異端児だが、圧倒的な才能を秘めている。

彼らは熾烈なコンクールの中で、互いに刺激し合い、葛藤し、成長を遂げていく。それぞれの想いを胸に、音楽の神様に愛されるのは誰なのか、そして彼らの人生はどこへ向かうのかが描かれる。

蜜蜂と遠雷を観るには?

蜜蜂と遠雷 キャスト

栄伝亜夜 – 松岡茉優(幼少期 – 加藤莉奈
高島明石 – 松坂桃李
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール – 森崎ウィン
風間塵 – 鈴鹿央士
高島満智子 – 臼田あさ美
仁科雅美 – ブルゾンちえみ
ジェニファ・チャン – 福島リラ
ピアノ調律師 – 眞島秀和
クロークの女性 – 片桐はいり
菱沼忠明 – 光石研
田久保寛 – 平田満
ナサニエル・シルヴァーバーグ – アンジェイ・ヒラ
嵯峨三枝子 – 斉藤由貴
小野寺昌幸 – 鹿賀丈史
栄伝亜夜の母親 – キタキマユ

蜜蜂と遠雷 スタッフ

原作:恩田陸『蜜蜂と遠雷』(���冬舎文庫)
監督・脚本・編集:石川慶
「春と修羅」作曲:藤倉大
ピアノ演奏:

河村尚子(栄伝亜夜)
福間洸太朗(高島明石)
金子三勇士(マサル・カルロス・レヴィ・アナトール)
藤田真央(風間塵)
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:円光寺雅彦)
劇中音楽:篠田大介
製作:市川南
エグゼクティブ・プロデューサー:山内章弘
プロデューサー:
佐藤善宏
石黒裕亮
加倉井誠人
ラインプロデューサー:大西洋志
プロダクション統括:佐藤毅
撮影監督:ピオトル・ニエミイスキ
美術:我妻弘之
照明:宗賢次郎
録音:久連石由文
編集:太田義則
装飾:篠田公史
スタイリスト:高橋さやか
ヘアメイク:酒井夢月
スクリプター:藤島理恵
VFXスーパーバイザー:廣田隼也
音響効果:柴崎憲治
助監督:川口浩史
製作担当:相良晶
音楽プロデューサー:杉田寿宏
宣伝プロデューサー:土肥直人、宮千香子
配給:東宝
製作プロダクション:東宝映画
製作:映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会(東宝、木下グループ、幻冬舎、ソニー・ミュージックエンタテインメント、博報堂、朝日新聞社、東急エージェンシー、ひかりTV、日本出版販売、時事通信社、ヤマハ、河合楽器製作所、ヒラタインターナショナル、フォスター、GYAO、中日新聞社)

「蜜蜂と遠雷」は、クラシック音楽の壮大な世界と、若者たちの繊細な心の動きが融合した、見応えのあるヒューマンドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

Amazon Prime Videoなら、手軽に視聴できます。

蜜蜂と遠雷の原作

恩田 陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫) 文庫


近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。 自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。 かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。 楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。 完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。 天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。 その火蓋が切られた。
タイトルとURLをコピーしました