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「ポリアモリー」はドラマの新しいテーマになるか?(彼女がそれも愛と呼ぶならの感想)
カフェのアルバイト(伊藤健太郎)が栗山千秋と恋仲になるが、「その前に話したいことがある」と言われて自宅に連れて行かれ、そこで、二人の同居人と娘に遭遇する、という話である。
まず栗山に15歳の娘がいるという設定がちょっとフシギで、よく考えると年齢的に不自然ではないのだが、あらためてこの女優が作品ごとに存在感を変える女優だということに気づかされる。
二人の男の方は、本作の話題性の部分である「ポリアモリー」のモチーフを表している。
(ポリアモリーって何?という人のために、下の方に説明があります)
ただし、ドラマではあまり呑気なものではなさそうだ。自分たちを棄てた夫を恨む伊藤健太郎の母親(黒沢あすか)とか、夫の夙川アトムにモラハラされている徳永えりとか、重い話が挟まっていて、とくに徳永のエピソードには渕上泰史が絡んでくるようで、ちょっと注目である。
第1話の終わりで、伊藤は、すでに4人が住んでいるそのマンションに転がり込むことになるのだが、どんだけ広いマンションなのかと思う(栗山の職業は挿絵作家ということになっている)。賃貸なのかな。
原作小説の作者はバンコクの駐妻で作家デビューした人。金原ひとみと似たものを感じるが、もう少し普通の(人に迷惑をかけない)人だろう。
ポリアモリーとは?
「彼女がそれも愛と呼ぶなら」の伊麻が実践しているのは、まさにポリアモリーという関係性である。
ポリアモリーとは何か?
それは「複数の人と同時に誠実で合意に基づいた恋愛関係を築く」という愛のあり方である。
あらすじにあるように「全員が同意し理解しあった上での”複数恋愛”」ということで、これがポリアモリーの本質だ。
伊麻、到、亜夫の3人の関係は、ポリアモリー関係の一形態、おそらく「トライアド」(3人の人間からなるパートナーシップで、全員が全員とお付き合いしている状態)と呼ばれるものである。ここに氷雨が加わることで、関係性がさらに複雑になっていく。
氷雨の「戸惑い」は、フツー(とは、しかし何か?)の人が初めてポリアモリーに触れた時に感じる反応。
私たちの社会では一対一の排他的な関係(モノガミー)がアタリマエになっているので、ポリアモリーのような関係性を「常識では収まらない」と感じてしまうのは無理がない。
「>女がそれも愛と呼ぶなら」では、伊麻たちが直面する課題—嫉妬の管理、時間の分配、社会からの偏見、そして新たに関係に入る人(氷雨)との境界線の交渉なども描かれていく。
これらは、いずれも、ポリアモリーを考える上において重要なポイントである。そういう意味で、本作はポリアモリー入門のようなドラマになっている。
彼女がそれも愛と呼ぶなら 見どころと巷の感想
題材の新しさにくらべ、演出は退屈だと思うが、栗山の演技は新境地のようだ。
- 見どころ1. ポリアモリーというテーマへの挑戦
主人公・水野伊麻(栗山千明)が2人の恋人と同居しながら新たな恋に落ちるという、従来の一対一の恋愛観とは異なる「複数恋愛」を描いている。全員が同意し理解し合った上での関係性を通じて、愛の形の多様性や社会的な偏見に対する問いかけと言える。 - 見どころ2. 登場人物たちの葛藤と成長
伊麻の新たな恋人となる大学院生・小森氷雨(伊藤健太郎)は、複数恋愛に戸惑いながらも、彼女への想いを深めていく。伊麻の娘・千夏(小宮山莉渚)や友人・絹香(徳永えり)も、それぞれの恋愛や家庭の問題に直面し、葛藤しながら成長していく。
巷の好意的な感想
巷の批判的な感想
彼女がそれも愛と呼ぶならのあらすじ
大学院生の氷雨(伊藤健太郎)が、恋に落ちたのは一回り年上の女性・伊麻(栗山千明)。年齢の差を超えて惹かれ合っていく中で、一歩踏み出そうとした氷雨に対して、伊麻が告げたのは「2人の恋人と暮らしている」という事実。全員が同意し理解しあった上での“複数恋愛”という愛を貫く伊麻、そんな愛の形に戸惑う氷雨、さらに伊麻の恋人である到(丸山智己)と亜夫(千賀健永)の4人の、常識では収まらない関係が行きつく先は――。
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彼女がそれも愛と呼ぶならを観るには?
彼女がそれも愛と呼ぶならのキャスト
水野伊麻(挿絵作家) – 栗山千明
小森氷雨(生物専攻の大学院生) – 伊藤健太郎(中学生時:榎本司)
空久保亜夫(美容メーカーの営業マン) – 千賀健永
風間到(イタリアンバルの店主) – 丸山智己
■伊麻の関係者
水野千夏(伊麻の娘) – 小宮山莉渚
篠木絹香(コンビニでバイトする主婦) – 徳永えり
■氷雨の関係者
小森鈴子(氷雨の母) – 黒沢あすか
佐倉史(氷雨のアルバイト先の同僚) – 中村里帆
■周辺人物
篠木真人(絹香の夫) – 夙川アトム
篠木萌絵(絹香の娘) – 並木彩華
藤島太呂(千夏のクラスメイト) – 竹野世梛
針生永人(絹香の運命を変える男) – 淵上泰史
彼女がそれも愛と呼ぶならのスタッフ
脚本 – おかざきさとこ、上野詩織
音楽 – 眞鍋昭大
主題歌 – サブリナ・カーペンター「エスプレッソ」(ユニバーサル インターナショナル)
演出 – 上田迅、遠藤光貴、弓座翔平
チーフプロデューサー – 岡本浩一(読売テレビ)
プロデューサー – 伊藤愛(読売テレビ)、中山喬詞(読売テレビ)、遠藤光貴(ザ・ワークス)、梶原建太(ザ・ワークス)
制作協力 – ザ・ワークス
制作著作 – 読売テレビ
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彼女がそれも愛と呼ぶならの原作(一木けい)
美容好きの両性愛者、頼りがいのある料理人、博識な大学院生。シングルマザーの伊麻は三人の恋人と暮らしている。娘の千夏は、高校で人生初の彼氏ができるが、家庭事情を隠していた。一方、伊麻の友人の絹香は、伊麻を参考に不倫を考え始める。自由恋愛に生きる女性と、その周囲。正しい恋路を外れた先にあるのは—。価値観を揺さぶる不純文学。