『search/サーチ』ってどんな映画?
PC画面だけで物語が展開する革新的「スクリーン・ライフ」サスペンス。16歳の女子高生が突然失踪し、父親が娘のデジタル上の足跡を辿っていく中で、理想の家族の嘘、ネットの海に隠された真実が暴かれていく。新鋭アニーシュ・チャガンティ監督が、セヴ・オハニアンとともに、緻密な伏線、SNSのリアルな生態を巧みに編み込んだ脚本を執筆。一瞬のクリックが驚愕のどんでん返しへと繋がる。サンダンス映画祭を熱狂させたデジタルサスペンスだ。
見どころは、検索窓に入力されるキーワード、動画配信サイト、FaceTimeといったデジタルツールを通じて、父親の知らない「娘の本当の姿」がじわじわと剥ぎ取られていくプロットだ。
娘の交友関係をブラウズすることで、クラスに友達がおらず、大金をどこかへ送金していた不穏な事実が浮き彫りに。さらに、自分の弟と娘の密かな繋がり、怪しげな元受刑者などの不自然な足跡がネットの海で交錯。野次馬的なメディアの煽りよりSNSのタイムラインが炎上する中、最愛の娘を救うことはできるのか?
元Google社員の経歴を持つチャガンティ監督が、デジタル社会の盲点と人間のエゴ、親子の愛を描いた、映画史に残る「スクリーン・スリラー」だ。
あらすじ
カリフォルニア州サンノゼに暮らすデビッド・キム(デビッド・チョー)は、最愛の妻パメラ(サラ・ソーン)をガンで亡くして以来、16歳の娘マーゴット(ミシェル・ラー)を男手一つで育ててきた。ある夜、マーゴットからの深夜の着信に気づかず朝を迎えたデビッドは、彼女が学校にも行かず行方不明になっていることを知る。激しい焦燥とパニックに駆られるデビッド。地元の名経営者として知られる優秀な捜査官ローズマリー・ヴィック刑事(デブラ・メッシング)が捜査の指揮を執るなか、デビッドは娘のPCにログインし、彼女のSNSのアカウントや交友関係を調べ始める。
キャスト
デビッド・キム - ジョン・チョー
ローズマリー・ヴィック(刑事) - デブラ・メッシング
マーゴット・キム(デビッドの娘) - ミシェル・ラー
パメラ・ナム・キム(デビッドの妻) - サラ・ソーン
ピーター・キム(デビッドの弟) - ジョセフ・リー
ロバート・ヴィック(ヴィックの息子) - スティーヴン・マイケル・アイク
ランディ・カートフ(元受刑者) - リック・サラビア
ラジオ番組の司会者 - ショーン・オブライエン
感想
冒頭のファミリーPCの画面は懐かしいWindows7のデスクトップだ。夫婦と娘のアカウントが作られ、写真やカレンダーに次々と思い出が記録される(この流れはまるでコンピュータの広告のようだ)。やがて妻に病が見つかって入院。カレンダーの「ママが帰ってくる日」が延期され、さらに削除されるくだりは切ない。
さらに、3つのアカウントのうち、娘だけが「ママ」のアカウントにログインして秘密の気持ちを綴っていたというのも切ない(主人公は妻のアカウントにログインできないでいる)。
なお、カレンダーが映る画面には「ヴィック(Vic)とのお下がり交換会」予定という重大な伏線が一瞬映り込んでいる。ヴィックと亡妻マーゴットには面識があったのだ。
娘が失踪してからの本編は、娘が置いていったMacBookを父親がいじりまくる画面で進む。パスワードがわからずパスワードリセットのOTPを取得するためにgmail、Yahooメールと遡っていく操作にリアリティが感じられる。シャットダウンを選択してから、背後のウインドウに表示された画像が気になってキャンセルしたり、SNSのタイムラインを遡って気になる文言をポインタでなぞったりする動作が、「操作する主体」の雄弁な演技となっている。また、広いデスクトップに複数開かれたウインドウのどこに主人公が注目しているかをクローズアップで表現しているのは試行錯誤の跡を感じさせる。
主人公はライブ配信サイトでのコメント欄に「fish_n_chips」というアカウントを見つけ、クライマックスでそのアイコンがストックフォトの写真であることを突き止める。そこのアカウントはヴィック刑事が裏をとったと報告していたことから、刑事の嘘がばれるという展開がスリリングだ。この手法を使わないと説明がまだるっこしくなるので、これは効果的だった。なお、このストックフォトの女性は監督の次回作にも出てくるらしい。
『search/サーチ』を観るには?
『search/サーチ』作品情報
監督 – アニーシュ・チャガンティ
脚本 – アニーシュ・チャガンティ、セヴ・オハニアン
製作 -ティムール・ベクマンベトフ、セヴ・オハニアン、アダム・シドマン、ナタリー・カサビアン
製作総指揮 – マリヤ・ザトゥロフスカヤ、アナ・リサ・ムラヴィナ、イゴール・ツァイ
音楽 – トリン・バロウデイル
撮影 – フアン・セバスティアン・バロン
編集 – ウィル・メリック、ニック・ジョンソン
製作会社 – バゼレフス・カンパニー、スクリーン ジェムズ、ステージ6・フィルムズ
配給 – アメリカ: スクリーン・ジェムズ、日本: ソニー・ピクチャーズ
公開 – アメリカ: 2018年8月21日(限定公開)/2018年8月31日(拡大公開)、日本: 2018年10月26日
上映時間 – 102分

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