さて地区予選、星雲高校の初戦相手は帝都学園、前年の地区優勝校であった。
まったくくじ運が悪かったな・・・とみんなはアキラメ顔だが、一徹の威光を借りつつ、みんなを激励する天野新監督だった。

とりあえず星雲健児の歌でメートルをあげる
それを見ながら、飛雄馬は今朝の一徹とのやりとりを回想していた。
――監督を辞めた真意は、天野を慮ってのことだった。男は何よりも引き際が肝心という一徹の美学である。
幻の名三塁手だった父ちゃん、今度は幻の名監督になるんだね と飛雄馬。
父ちゃん、久しぶりに思いっきり呼ばせてくれ もうカントクではなく!
世渡りのへたっぴな俺の父ちゃん!
ハッハッハッ、飛雄馬・・・

甘えまくりの飛雄馬
試合に向かうバスで、一徹に背番号1が見えるよう一番後ろに座る飛雄馬であった

*
球場に入る前に、早速、帝都学園とカバンがぶつかったとやらでモメる両高校である。
「道の真中に電信柱みたいにつっ立ってるからだ、いやポストかな?」(いや、そこはどっちでもいいw)
頭に来た伴、日本一の技で相手を投げ飛ばすが、相手はクルクルと着地・・・
これがキャプテン葛城慎吾であった。
あの身のこなし只者ではない・・・と伴は感心する。

試合中もこんなファインプレーを
試合が始まり、試合慣れしている帝都の守備に星雲は1回表から三者凡退するも、攻撃に回った途端、飛雄馬の豪速球にヒエエエ!と腰を抜かす。
次の打者は葛城だったが、飛雄馬の球をあっさり見送った。
ラジオで実況を聞いていた一徹「おそろしい男・・・」
そして9回裏 再び打順が葛城に回り、高まる緊張感――

あれ?父ちゃんは上の空
葛城打つ! 三塁打である。
飛雄馬はあせるが、天野先生の作戦でわざと三塁に打たせて葛城をアウトに。
星雲、初勝利に大喜びである。

一徹も感無量・・・
結局、葛城慎吾とは何だったのか?(これ以降、出番はない)