半落ち

鶴田真由(半落ち)
鶴田真由(半落ち)

横山秀夫の小説(2003年第128回直木賞落選、2003年週刊文春ミステリーベスト10第1位)を原作として映画化、2004年1月10日公開。新聞記者の中尾洋平が、「中尾洋子」として女性記者に変更されている。2005年第28回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(寺尾聰)。優秀音楽賞。

半落ちの原作


日本中が震えたベストセラー待望の文庫化
妻を殺し、それでも生きる。心の奥に想いを秘めて――
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。2003年このミステリーがすごい! 2002年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。(講談社文庫)

半落ちの原作を読んだ人の感想

映画 半落ち

あらすじ

警察幹部の殺害事件と「空白の2日間」の真相
現役警部の梶聡一郎が、アルツハイマー病を患う妻・啓子を殺害した後、川城中央警察署に自首した。捜査一課の志木和正の取り調べに対し、梶は犯行を認めたが、自首までの「空白の2日間」について沈黙を守った。県警幹部たちは事件を嘱託殺人として処理しようとしたが、志木は疑問を抱く。
マスコミへの情報リークにより、梶が歌舞伎町で目撃されていたことが判明。志木と東洋新聞記者の中尾が独自に捜査を進めると、真相が明らかになっていく。梶は7年前に13歳で亡くなった息子・俊哉の骨髄を提供し、一人の少年の命を救っていた。その少年に「夫との命の繋がり」を感じていた啓子は、認知症が進行する前に少年と会うことを望んでいた。
妻を殺害した後、梶は彼女の日記でその望みを知り、自殺を思いとどまって少年に会いに行った。少年が生き生きと暮らす姿を見た梶は、ドナー登録の有効期限である51歳の誕生日まで生きる決意をした。
4年の実刑判決を受けた梶に、志木は救われた少年・池上との面会を手配。池上は梶に「生きて下さい」と言葉を贈った。

感想

林真理子の株を散々に落とした横山秀夫の原作(2003年第128回直木賞の最終選考において、「致命的欠点が存在」と指摘し、議論を巻き起こした)を私は読んでいない。

しかし、警察・検察・報道・裁判所という“四つ巴”を描いているのは面白いが、やはり同じ高崎を舞台にした「64」のほうが素晴らしい。
原作は出頭した男の心情を一切描いていないそうだが、映画では寺尾聡が無言のまま目一杯演技していて余韻がなかった。
原作では男性の新聞記者を鶴田真由に演じさせることで、危うさを画面にもたらしていた。鶴田真由自体、久しぶりに見たんだけど。

そしてラスト近くに若い高橋一生が出ていて、思わずのけぞった。


キャスト

梶聡一郎(元県警警務部教養課次席・警部):寺尾聰
志木和正(県警捜査第一課強行犯係指導官・警視):柴田恭兵
佐瀬銛男(地検検事):伊原剛志
梶啓子(聡一郎の妻):原田美枝子
島村康子(啓子の姉):樹木希林
中尾洋子(新聞記者):鶴田真由
藤林圭吾(裁判官特例判事補):吉岡秀隆
藤林澄子(藤林の妻):奥貫薫
藤林圭一(元裁判官で藤林の父):井川比佐志
辻内(裁判長):本田博太郎
片桐時彦(洋子の上司):田辺誠一
植村学(弁護士):國村隼
植村亜紀子(学の妻):高島礼子
高木ひさ江(啓子の主治医):奈良岡朋子
笹岡(県警警務部長):斎藤洋介
鈴木孝夫(地検検察事務官):田山涼成
岩村肇(県警刑事部長):石橋蓮司
加賀美康博(県警本部長):嶋田久作
古賀誠司(刑務官):笹野高史
小国鼎(地検検事正):西田敏行
その他
高野しず子:岩本多代
伊予数男:中村育二
池上一志:高橋一生
梶俊哉(梶夫妻の息子):石田法嗣

作品情報

監督:佐々部清
脚本:田部俊行、佐々部清
音楽:寺嶋民哉
撮影:長沼六男
美術:山崎秀満
照明:吉角荘介
録音:高野泰雄
編集:大畑英亮
助監督:高橋浩
製作担当:林周治
スクリプター:江口由紀子
音響効果:佐々木英世(東洋音響)
現像:東映ラボ・テック
ロケ協力:高崎市、高崎フィルム・コミッション、富岡市、水上町 ほか
企画:坂上順、近藤邦勝
企画協力:近藤晋
プロデューサー:中曽根千治、小島吉弘、菊地淳夫、濱名一哉、長坂勉
協力:骨髄移植推進財団
製作プロダクション:東映東京撮影所
製作:「半落ち」製作委員会(東映、TBS、住友商事、東京都ASA連合)
配給:東映
公開:日本 2004年1月10日
上映時間:121分

映画 半落ちを観た人の感想

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