星雲高校理事会は、野球部の帰京を受けて臨時会議を開催していた。
花形に負けた悔しさに机を叩く大造。
「商売敵の花形モータースのせがれに、
場所もあろうか、甲子園でサヨナラホームランを打たれるとは!」
オロオロする校長や教頭たちは
「宙太様はキャッチャーとしてご立派に…」
などとごまをすり、すべてを飛雄馬のせいにしようとする

天野先生、我慢しきれず立ち上がり辞表を叩きつけ、
「しかし青雲高校は準優勝を勝ちとったのですぞ! 甲子園に風雲を巻き起こしたのですぞ!」
「なまじノコノコと決勝に進出したから花形なんぞに負けたんじゃ!」
理屈がメチャクチャである。
「予選で消えていればよかったんじゃ!」

辞職願をビリビリに破き、大造は野球部解散を宣言するのだった
そんなこととは知らずに投球練習に励む星・伴バッテリーだったが、そこへ新聞部のニュースを聞かされた。、
飛雄馬「ひどすぎる、あんまりだ、涙も出ないぜ!」
伴「星、俺は今こそおやじにあれを話す!」
しかし星は伴を止め、
「君の前だが、俺は今ほど人をぶん殴りたいと思ったことはない
それでも、あれだけはいかん、絶対にいかん!
野球部はおろか、俺は世界中がバラバラになってもあれだけは喋るまいと決めたんだ!」
ニュースはあっという間に全校に広がり――
「おい聞いたか、野球部解散だってさ」
「これぞまさしく骨折り損のくたびれ儲けだな」

「君たち、準優勝を誇りに思いたまえ!」と憤る牧場君
久しぶりに登場したこの牧場君の怒りが、この後の伏線になるのだが…
野球部を前に解散を発表する天野先生。
「泣くな! 笑いながら、われわれの健闘を誇らしく語ろうではないか!」
と星雲健児の歌を歌うのだが、飛雄馬は走ってどこかへ行ってしまった。
帰宅すると、長屋にも野球部解散のニュースは伝わっていた。
一徹は腕を組んでなにごとかじっと考えている。
一方、車で自邸に帰った伴大造は、門の前で降りしなに暴漢に襲われた。

このシルエットはどう見ても飛雄馬だが…



走ってきた宙太、犬に下手人を追わせるが

猛犬をイシツブテで倒すコントロールの持ち主
宙太の脳裏に浮かぶのはやっっぱり飛雄馬なのだった。
犯人を見たという運転手も、野球部の…と言っている。
宙太は飛雄馬の家へひた走る。
星一家はなぜか不在だった。
隣家のおばさん「飛雄馬さんも親父さんもどこかいっちまったよ、明子さんは泣きながら探しにいったよ」
宙太は公園で途方にくれる明子を見つける。

「梯子を外される飛雄馬」の明子のイメージ
「あなたのお父さんは残酷なかたね」
「野球部解散は取り消させます」
と伴は約すが、
「ただし、星が俺の友情にふさわしいやつであれば、です」
ゴクリと唾を飲む伴――
「星は…?」
「急に飛び起きて、出ていきました」
「おじさんは?」
「父もやはりぷいと出ていってしまって…」
二人は飲み屋街を探す。

あっ、安兵衛の前だ
「ほう、宙太君も一緒か」
と一徹は悪びれない。
「お父さん、お酒は飛雄馬がギブスをはめた日以来やめていたんじゃないの」
「すまん、明子」
と一徹。
「巨人の星か…しょせんあれは永遠に天上で光り、飛雄馬は地上で輝きを失うのか」
珍しく、いやに悲観的なことを言う。
伴は父親の横暴を思って苦悶し、今度は家に向かって走りだし――