【実況】巨人の星

第45話|失われた目標

さかさに流れる涙,星のバカッ、すばらしいバカッ! 【実況】巨人の星
さかさに流れる涙,
星のバカッ、すばらしいバカッ!

飛雄馬が名乗りでたと聞いて怒りにふるえる伴大造。
関係者を自邸に呼びつけ、もっと厳しい処罰を加えるべきだと主張する。
しかし名門星雲の名を守るためにと説得される。
「ワッハッハ、わしの殴られ損というわけじゃな」

一方、慌ただしい雰囲気を察知して牧場は野球部部室前に駆けつけた。
天野先生からの発表「今朝、星は退学した」。
なぜ飛雄馬が昨夜、家に訪ねてきた理由を悟る牧場君であった。
ついに黙っていられなくなり、伴に真相を語る。
お前にそんな腕力があるもんかと伴が一笑に付すと、

これはブラックジャックといってね

これはブラックジャックといってね
アメリカの不良の喧嘩道具で、革の袋に鉛を詰めたものだ


ブラックジャックって、一般には棍棒状のものだと思うが…
ともあれ、さあ今度は君が怒る番だと言われて
伴は牧場を投げる

伴は牧場を投げる

 
星と仲直りしてくれと牧場は頼むが、
伴は鉄棒にぶら下がり、「あいつが一旦こうと決めたら方針を変えるもんか!」
<font color="red">さかさに流れる涙</font>,<br>星のバカッ、すばらしいバカッ!

さかさに流れる涙,
星のバカッ、すばらしいバカッ!

 
「あいつは他人の悲しみをそっくり自分の悲しみに変えてしまうんだな
 甲子園の栄光も俺との友情も、そして学歴まで!
 今のお前には何もないんだぞ!
 こっちから絶交したんだ、今さらあれは誤解でございましたなんて言えるもんか
 俺は本当の大馬鹿野郎だ!」
という伴の長台詞は、飛雄馬および主な登場人物の行動倫理を表す重要なものだと思う。
「他人の悲しみをそっくり自分の悲しみに変えてしまう」という過剰な優しさが、いったい、なぜ飛雄馬というキャラクターに付されたのだろうか。

逆立ちして夕日に向かって行ってしまう伴であった

逆立ちして夕日に向かって行ってしまう伴であった

伴は頼りにならない、と牧場君は銀座らしき場所まで一徹に会いにいく。
「飛雄馬が退学?」と、一徹は驚かない。
「怒るなら、この卑怯な僕を怒ってください」跪く牧場君。
「いかんいかん、立ちたまえ」
一徹は大人である。
「君は飛雄馬のやったことを無にするつもりかね?」

「君は立派な漫画家とならなければならん」

「君は立派な漫画家とならなければならん」

帰宅した一徹はちゃぶ台にかかった布をめくって、「ほう、刺身か」
それから、塞ぎこんだ息子に「どうした飛雄馬」と声をかける。
(今は言えない、勝手に退学届をだしてしまったことを・・・)
と、これは飛雄馬の内心の声。
俺を星雲に入れるために****病気になるまで働いた父ちゃんに・・・
(土方をして、とかいうところが消されているのか?)
口を開かない飛雄馬に、まあ芝居をしたければするがいいと独りごちる一徹であった。

翌朝、いつものように制服を着てお弁当を渡され、カバンを提げて出かける飛雄馬。
すでに退学しているのだから、リストラされたことを女房に言えないサラリーマンと同じである。
運が悪いことに、ちょうど明子が飛雄馬の月謝をおさめに星雲高校へ赴く・・・
伴や天野先生とばったり会うが、二人ともまずいものを見たように逃げてしまう(オイ伴!)。
出納係で、星君は退学しましたよと言われて明子はびっくり。

その頃、飛雄馬はパチンコ屋へ<font color="red">←やはりリストラリーマンと同じ</font>

その頃、飛雄馬はパチンコ屋へ←やはりリストラリーマンと同じ


パチンコ店には椅子がなく、台は手打ちである。さすがに球を1個ずつ入れる式ではないように見えるが…
お巡りさんに注意されてしまい、飛雄馬は外をさまよう。
俺はいったいどこへ行ったらいいんだ
今の俺には何もない、巨人の星も、学生生活も、友情も…

小川のほとりに佇めば、川面に去来する友人やライバルたちの顔。
俺は莫迦な真似をしてしまったのかもしれない、と初めて気がついた飛雄馬であった。
ああ惨めな時間つぶし、帰ろう、そして父ちゃんに話そう、と決心して家に足を向けると、家の前に見慣れぬ車が停まっているのであった。
中を覗いてみると、なんと球団のスカウトらしい・・・

「条件も悪くないですぞ、どうです!」
「お断りしたはずです、問題は金ではないのです」と答えている一徹。
車が行ってしまうと、飛雄馬、うれしそうに「父ちゃん父ちゃん」
今のスカウト、どこの球団? セリーグ? それともパ?

今のスカウト、どこの球団? セリーグ? それともパ?

ゴゴゴゴ……!

「入団したい球団ではないのだから、どこであっても関係ない」
冷たく答える一徹。
「おおかた、お前が退学したことを新聞で見て来たのだろう」

飛雄馬「アッ、新聞に出ている!」

飛雄馬「アッ、新聞に出ている!」


一徹が一喝!
「お前は自分を認めてくれる球団がいると喜んでいる!
 そんなことなら最初から人の身代わりで退学したりするのではない!」

そして、
「最初から目指す球団はただひとつ。石にかじりついても巨人あるのみ!
「わかったよ、父ちゃん・・・」
そして久しぶりに父子でキャッチボールに出ようとしたところに、飛雄馬退学にショックを受けた明子が帰宅した。
「お父さん、飛雄馬が・・・」
「わかっておる、何も言うな」
おしっこしてるみたいにしゃがんで悩む明子であった

おしっこしてるみたいにしゃがんで悩む明子であった

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