真梨幸子の小説『殺人鬼フジコの衝動』(2008年12月徳間書店刊行)を原作として、Huluが日本向けサービスにおける初のオリジナル作品としてドラマ化。2015年11月13日より全6話が一挙配信された。
フジコの原作
一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生はいつしか狂い始めた。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか? あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。最後の一行を、読んだとき、あなたは著者が仕掛けたたくらみに、戦慄する!
フジコの原作を読んだ人の感想
ドラマ フジコ
あらすじ
通称“殺人鬼フジコ”。 昭和46年10月26日に起き、迷宮入りした「中津区一家惨殺事件」の生き残り。 本人も瀕死の重傷を負うが一命を取りとめ、叔母に引き取られる。 悲劇を乗り越え健気に生きようと努力していたが、やがて、整形手術依存へ陥り、少なくとも15人を殺した伝説の殺人鬼へ変貌していく。
感想
メイキングインタビューを見て、オノマチが関西人であることを初めて知った私。最強やな。そういえば河瀬直美に地元奈良で見出されたんだっけ。
さて本作は地上波では映像化不可能というふれこみのHuluオリジナルドラマで、オノマチは熱演だが、まあこれぐらいやるだろうという感じで、気難しい顔が持ち味の谷村美月のほうが、見ていて面白かった。
この人もフシギな女優で、放映中の「べっぴんさん」をはじめ、びっくりするほど多くの映画やドラマに出演している。
本作は未読だが続編があるとの由。ラストで死を暗示された谷村の演じた美也が、続編でさらなる苦難に遭うことになるらしい。
ちなみにフランスギャル(ギャルは本名である)の「夢見るシャンソン人形」の歌詞だが、サキコ演じる川島鈴遥が口ずさむ「私は蝋人形、おかくず人形…」というのがゲンズブールの原曲の訳詞、オノマチの「私は夢見るシャンソン人形…」というのは弘田三枝子や中尾ミエのカバーした日本語版(越路吹雪のマネージャー岩谷時子によるもの)の歌詞。
昭和35年生という設定のフジコが中尾ミエ版に親しんでいるのはわかるとしても、サキコがゲーンズブールの原詩を知っているのはなぜか。
あと書きそびれたがフジコの思春期時代を演じた小野花梨は素晴らしかった。
キャスト
フジコ – 尾野真千子(現在)/伊藤星(小学生)/小野花梨(中学生~20歳)
高峰美智子 – 谷村美月
若村春 – 丸山智己
水谷編集長 – リリー・フランキー
小坂初代 – 浅田美代子
下田茂子 – 真野響子
上原英樹 – 高橋努
森沢慶子 – 中込佐知子
刑務官 – 阿南敦子
上原早季子 – 川島鈴遥
小坂恵美 – 小山心優
石川(雑誌記者) – 川野直輝
辻村裕也 – 郭智博
大月杏奈 – 佐藤玲
スタッフ
原作 – 真梨幸子
脚本 – 高橋泉
音楽 – やまだ豊
音楽プロデューサー – 志田博英
プロデューサー – 戸石紀子、川西琢
監督 – 村上正典、岩田和行
主題歌 – 斉藤和義「シンデレラ」
協力 – ベイシス、バスク、フジアール、ケイエッチケイアート
製作・著作 – Hulu、共同テレビジョン
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