2021年7月30日に公開された阪元裕吾監督の日本映画。英語表記は「Baby Walkure」(英題は「Baby Assassins」)。続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が2023年3月24日に公開され、シリーズ第3作『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』が2024年9月27日に公開された。同年9月5日(4日深夜)からにテレビ東京で連続テレビドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』を放送。
ベイビーわるきゅーれ
あらすじ
高校卒業を控える女子高生の杉本ちさとと深川まひろには、殺し屋という裏の顔をもち、組織から委託される人殺しはそつなくこなす。一方、日常の生活能力は低い上、公共料金や年金・税金等の支払いが遅れることも少なくない。
卒業後、組織の方針で二人暮らしをしながら、表の顔として社会人をしなければならなくなった。殺し屋として不自由ない生活をしながらもアルバイトをしなければならない現状に、文句を言いつつ適合しようとする二人。
コミュニケーションが苦手なまひろはコンビニの面接すら失敗するが、ちさとは持ち前の明るさでそつなく社会人をこなし、険悪な空気が流れてしまう。
ある日、ちさとのバイト先のメイドカフェに、残忍なヤクザの浜岡一平とかずきの親子が訪れ、メイドたちはあわや売られそうになってしまう。たまたま居合わせたちさとは、勢いで二人を射殺し、店にはいられなくなって退職するハメに。
その晩、まひろはちさとに謝り、二人がお詫びのケーキを食べようとした時、一平の娘であるひまりが宣戦布告の電話を掛けてきたちさととまひろはひまりの下に乗り込み、配下のヤクザや精鋭の渡部ごと一派を壊滅させ、何事もなかったように日常に戻って、その後もままならない日々を過ごすのだった。
幸福な解放感がすばらしい(ベイビーわるきゅーれの感想)
流行りものを避けてしまう傾向があるので、なにやら盛り上がっているのは知っていたが、あえて近づかないようにしていた。が!
思えば高石あかりは昨年の「わたしの一番最悪なともだち」で注目したものの、この映画を観ていたらまるで印象が違ったはずだと思うと悔しい(かのドラマも一種のバディ物だった)。
映画は、ふたりが自由に動くのをしばしば長回しで撮っていて、その幸福な解放感は、実に久しぶりに感じるものだった。戦略的に企画の勝利みたいなところもあるが、すばらしい。
伊澤彩織(実は21歳の高石より9歳も年上)という人のことを、私は寡聞にして、「ジョン・ウィック:コンセクエンス」でリナ・サワヤマのスタントダブルを務めたということしか知らなかったのだが、かなりの逸材ではないだろうか。
いやー、続編や今放映中のドラマもあるし、「ある用務員」というのもVODで観られるようなので、しばらく楽しめそうだ。公開中の映画も観に行こうかな。
ベイビーわるきゅーれのキャスト
主要人物
杉本ちさと – 高石あかり
深川まひろ – 伊澤彩織
その他
浜岡一平 – 本宮泰風
浜岡ひまり – 秋谷百音
浜岡かずき – うえきやサトシ
渡部 – 三元雅芸
田坂さん – 水石亜飛夢
須佐野 – 飛永翼
凪子 – 辻凪子
コンビニ「ハピネスマート」店長 – 大水洋介
和菓子屋の店主 – 仁科貴
大出 – 伊能昌幸
姫子 – 福島雪菜
ベイビーわるきゅーれのスタッフ
製作:奥村雄二、人見剛史、松原憲、小林未生和
エグゼクティブプロデューサー – 鈴木祐介
プロデューサー – 角田陸、後藤剛
アクション監督 – 園村健介
アクションコーディネーター:川本直弘
音楽プロデューサー – 松原憲
撮影・照明- 伊集守忠
録音:五十嵐猛吏、植田中
美術・装飾 – 岩崎未来
スタイリスト – 入山浩章
ヘアメイク – 赤井瑞希、吉野美沙子、仁部遥香
撮影証明助手:呉大雅俊、山崎充
ガンエフェクト:会田文彦
CG・エフェクト – 若松みゆき
仕上:久田宗里
編集スタジオ:フォーディメンションスタジオ
音響効果 – 吉田篤史
MA:五十嵐猛吏、下元徹(サウンドライズ)、市村聡雄(サウンドライズ)
スチール:小野佑介
演出補 – 工藤渉、濱中春
制作プロデューサー – 吉田浩太
制作:新関収一、信永浩志、古谷蓮
衣裳協力:DRC
音楽 – SUPA LOVE(曽木琢磨、高橋祐子、Uio)
音楽プロデューサー – 松原憲
アソシエイトプロデューサ:米谷陵
製作 – 「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会(TOKYO CALLING/ライツキューブ/SUPA LOVE/渋谷プロダクション)
制作プロダクション – シャイカー
配給 – 渋谷プロダクション
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー
あらすじ
殺し屋アルバイターの神村ゆうりと弟のまことは、先行きの見えない日々に不安を覚えつつ、仲介役の赤木とのし上がりを夢見ていた。ある日、殺し屋協会の伝達ミスでターゲットを間違えたために報酬が支払われず、不満を述べるゆうりたちに、赤木は「正規の殺し屋を殺せば、空いた枠に繰り上がりになる」という噂を伝え、「台東区で活躍する別次元の腕を持った女殺し屋コンビ」の話を聞かせる。神村兄弟は、二人を殺して正規の枠を狙うことに。
ちさと・まひろは過去に入会して放置したスポーツジムの会費を支払わなければならなくなり焦る。期日ギリギリに銀行に駆け込むと、そこには銃器で武装した銀行強盗が。二人は強盗を打ち倒すが組織からは「勝手に仕事をした」と謹慎処分を食らってしまう。
借金を負ってしまった二人はアルバイトをするが、上手くいかず、稼いだお金はちさとがギャンブルで使ってしまう始末。またも険悪になる二人に、神村兄弟の魔の手が迫る。兄弟の襲撃を難なく返り討ちにした二人だが、隙を突いて逃走した神村兄弟に田坂が銃撃されて重傷を負う。復讐のため兄弟を探す二人は、やがて廃工場まで彼らを追い詰めた。規則に則って田坂が二人に依頼をしたことで禁則が解け、神村兄弟と戦うことに……。
黄金コンビの発想の源は(ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーの感想)
参考にした映画のひとつとして監督が挙げているのが「この世界の片隅に」で、さらに高石あかりと伊澤彩織の関係性にはドラえもんとのび太の関係性を投影しているらしい。ま、そういうコトは成功したから言えることでもある。この主演二人がいて脚本を自分が書けばいけるという予感があった、というのも同じだが、そうした自信こそがこの映画を支えている。
前作に比べて相手がしょぼいということで評判はいまいちだが、それもあえての狙いであろう。クライマックスの戦闘シーンでは、フェイクをふんだんに入れるということをしていて、結構新鮮だった。あとこんなに無造作にピストルをパンパン撃つアクションも珍しいと思う。
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのキャスト
杉本ちさと – 高石あかり
深川まひろ – 伊澤彩織
神村ゆうり – 丞威
神村まこと – 濱田龍臣
田坂守 – 水石亜飛夢
宮内茉奈 – 中井友望
須佐野 – 飛永翼
赤木 – 橋野純平
向井さくら – 安倍乙
松本さん – 渡辺哲
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのスタッフ
アクション監督 – 園村健介
製作 – 奥村雄二、人見剛史、松原憲、小林未生和
エグゼクティブプロデューサー – 鈴木祐介
プロデューサー – 角田陸、後藤剛
音楽プロデューサー – 松原憲
音楽 – SUPA LOVE
撮影 – 伊集守忠
照明 – 日比野博記
録音 – 五十嵐猛吏
美術 – 岩崎未来
スタイリスト – 入山浩章
ヘアメイク – 赤井瑞希、仁部遥香
ガンエフェクト・編集・VFX – 遊佐和寿
音響効果 – 吉田篤史
アクションコーディネーター – 川本直弘
助監督 – 工藤渉
制作 – 新関収一、小玉直人
スチール – 富山龍太郎