エドワード・アタイヤのミステリ『細い線』(原題「The Thin Line」)を脚色した成瀬巳喜男の映画「女の中にいる他人」をリメイクし、NHK BSプレミアム「プレミアムドラマ」枠にて、2017年1月8日~2月19日に放送。全7回。主演は瀬戸朝香。
女の中にいる他人の原作
不倫相手を殺してしまった男は、次第に罪の意識に囚われ……。家庭サスペンスの名作!
女の中にいる他人の原作を読んだ人の感想
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- 読書メーター
ドラマ 女の中にいる他人
あらすじ
田沼百合子は、夫の和男、義母そして二人の子供と平凡に暮らす主婦だった。ある日、夫の友人楠本の妻沙織が殺される。百合子は挙動の怪しい夫が隠しごとをしているのではないかと疑念を抱く。夫の和男は情事の最中に沙織を殺していたのだ。百合子のかつての友人・美智子は、沙織のマンションから和男が出て来るところを目撃していた。過去の因縁から百合子を恨んでいた美智子は、百合子を追い詰めようと画策を始める。
感想
悔しいことに「贖罪三部作 」と言われる成瀬の映画を私は見ていない(!)。
このドラマについては、映画を見てから口にしようとも思っていたのだが、いつのことになるかわからないので、やっぱり書いてしまう。
前シーズンの「黒い十人の女」に触発されたNHKの企画と思われるのだが、原作からあえて脱線したバカリズムと異なり、瀬戸朝香視点にしたぐらいで、大きな変更は今のところ見当たらない。
瀬戸といえば、あの恐ろしい「女系家族」(2005年版)を大半の人が思い出すだろうから(瀬戸は当時まだ20代だったはずだ)、このドラマでどんな思いきった一面を披露しても、もはや見る者は驚かないはずだ。
最終回まで観はしたものの、これは穴だらけの脚本だった(書いたのは火サスで鍛えたロマンポルノ上がりの吉本昌弘)。
あんな“証拠”では警察は起訴できないし、薬が水に溶ける演出もあり得ない。携帯電話をめぐる引き延ばしにも意味はなかった。
成瀬版には板谷由夏に当たる登場人物はいないようだが、ドラマ版は、とうとう板谷と瀬戸朝香の女の友情もので終えてしまった。
板谷はなかなか良い表情を見せたが、瀬戸は脚本のために悪女ぶりを発揮しきれなかった。
尾美としのりの暗い表情は、成瀬版を意識したものだろう。
キャスト
田沼百合子(主婦で二児の母) – 瀬戸朝香
田沼和男(百合子の夫で会社員) – 尾美としのり
伊東美智子(百合子の友人でワインバー経営者) – 板谷由夏
楠本将文(和男の親友) – 石黒賢
楠本沙織(将文の妻) – 西山繭子
黒木康成(和男の部下) – 甲本雅裕
木村洋二 – 斉藤陽一郎
岡本康之 – 弥尋
広瀬信也(警部補) – 森岡豊
園山俊(美智子の愛人で店のバーテンダー) – 中村倫也
岩瀬厚一郎 – 宇納佑
大森(弁護士) – 福本伸一
田沼初江(和男の母) – 木野花
スタッフ
原作 – 小説『細い線』(エドワード・アタイヤ)、映画『女の中にいる他人』(監督:成瀬巳喜男、脚本:井手俊郎)
脚本 – 吉本昌弘、児玉頼子
語り – 近藤サト
演出 – 塚本連平、本田隆一
制作・著作 – NHK、The icon
ドラマ 女の中にいる他人を観た人の感想
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後半・・ちょっと尻すぼみ。
この原作に目をつけたのはよかったと思うんだけど、アレンジしすぎちゃったかなぁ。
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はっきりしない終わり方だったけど、指紋くらいで犯人にはならないだろうなーと思う。
「女の中にいる他人」最終回(゚・*:.。.final wind.。.:*・゜) -
伊藤美智子を演じた板谷由夏も素晴らしい。美智子をじわじわと追い詰める”悪魔的な女”を見事に演じています。
瀬戸朝香の女優復帰最初のドラマ『女の中にいる他人』(沈みゆく日本~イザヤ2~)