伊与原新の小説(2023年10月20日文藝春秋刊、第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部))を原作として、2024年10月8日よりNHK総合の「ドラマ10」枠で放送。主演は窪田正孝で、窪田がNHKのテレビドラマに出演するのは2020年度上半期生放送の連続テレビ小説『エール』以来。
宙わたる教室の原作
東京・新宿にある都立高校の定時制。そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。
負のスパイラルから抜け出せない二十一歳の岳人。子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。中学を出てすぐ東京で集団就職した七十代の長嶺。
「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、学会で発表することを目標に、「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。
『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、今年一番熱い青春科学小説!
ドラマ 宙わたる教室
感想
定時制高校という舞台はテレビドラマと相性が良く、瑛太や黒木メイサなどを生んだミムラ先生の「めだか」(2004)、その10年後に蓮佛美沙子や田中圭、新川優愛、山本舞香、大賀などを生んだ観月ありさの「夜のせんせい」(2014)など、多くのドラマで採用されてきたが、本作がちょうど、そのさらに10年後というのは単なる偶然か。
今回の先生は、原作者を投影した(伊与原新という人はミステリ出身の作家だが、地球惑星物理学の専門家である)窪田君。この人は立って台詞を言うだけで異化効果をもたらす役者で、小林虎之助、伊東蒼、紺野彩夏などの生徒たちのドラマを映す鏡としてふさわしい。
伊東蒼は、反移民を逆撫でした昨年の「やさしい猫」で、優香の娘を演じていた子。NHK好みで、いつも笑顔に乏しい役柄なのだが、なかなか良い女優になりそうだ。
キャスト
主人公
藤竹叶〈34〉 – 窪田正孝
東新宿高校
定時制生徒
柳田岳人〈21〉 – 小林虎之介
名取佳純〈16〉 – 伊東蒼
越川アンジェラ〈43〉 – ガウ
長嶺省造〈76〉 – イッセー尾形
庄司麻衣 – 紺野彩夏
池本マリ – 山﨑七海
松谷真耶 – 菊地姫奈
生徒 – 倉持菫、おぎのさな、水野哲志、肥田日向、圓岡晃汰
全日制生徒
丹羽要 – 南出凌嘉
教師
木内泉水 – 田中哲司
佐久間理央 – 木村文乃
その他
相澤努 – 中村蒼
三浦孔太 – 仲野温
朴大成 – 阿佐辰美
金井悠 – 佐久本宝
越川レイナ – 黒崎レイナ
名取円佳 – 伊礼姫奈
長嶺江美子 – 朝加真由美
石神怜生 – 高島礼子
伊之瀬嘉之 – 長谷川初範
スタッフ
原作 – 伊与原新『宙わたる教室』
脚本 – 澤井香織
演出 – 吉川久岳(ランプ)、一色隆司(NHKエンタープライズ)、山下和徳
音楽 – jizue
主題歌 – Little Glee Monster「Break out of your bubble」(Sony Music Labels Inc.)
制作統括 – 橋立聖史(ランプ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、渡辺悟(NHK)
ドラマ 宙わたる教室を観た人の感想
- 初回から号泣必至…NHKドラマ『宙わたる教室』が他の学園ものと一線を画すワケ。第1話考察レビュー(映画チャンネル)
- 「ああ、そういうことか!」窪田正孝主演「宙わたる教室」ほぼ原作通りのドラマ版 原作で気づかなかった部分を補う“ささやかで優しい改変”に感動(大矢博子 – BookBang)
- 原作ネタバレ!宙わたる教室のあらすじ解説・結末の考察(Otonablog)