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イニシエーション・ラブ

4.0
前田敦子(イニシエーション・ラブ) 映画
前田敦子(イニシエーション・ラブ)
イニシエーション・ラブは、2015年5月23日公開。監督は堤幸彦が担当。原作と同じく、1980年代後半の旧静岡市と東京を舞台に男女の出会いと別れがSide-AとSide-Bという2編に別れた構成となる。主演は松田翔太。劇中でオマージュされている1987年のTBS系テレビドラマ『男女7人秋物語』以来の共演となる片岡鶴太郎と手塚理美が美弥子の両親役で出演。撮影は原作の舞台となっている静岡市などで行われた。

イニシエーション・ラブの感想

じつは、叙述トリックの名作と言われる乾くるみの原作を最近読んで、目を回したので、どう映像化したのかという興味で見てみた。

小説の語り手をside-Aでは森田甘路、side-Bでは松田翔太が演じているので、後半やたらとモテるのは当然である。

かなり無理があるのだが、髪型を合わせ、頑張ってダイエットしたという設定。
原作の伏線がいくつか省略されていたが、映像で見て初めて気づいた伏線もあった。
しかしラストは原作のままで良かったと思う。

前田敦子のヒロインはかなりはまっていて、煙草を吸うシーンが恰好良い。
しかし映像化すると、このヒロインには何かコンタンがあるようにしか見えないな。
そもそもなぜ静岡からカタクナに出ようとしないのかわからないが、それも80年代ということなのかいな。

正直、80年代イコンの横溢は気恥ずかしくて目を背けたくなったのだが、これをマニアックに撮ったのは堤幸彦ならではということなのかも。

イニシエーション・ラブのあらすじ

side-A

鈴木は合コンで出会ったマユに惹かれるが、奥手な性格から進展せず、海水浴で再会後、デートを重ねる。二人は「マユちゃん」「たっくん」と呼び合う仲になり、電話での告白を経て結ばれる。ドライブやクリスマスイブのデートで愛を深め、鈴木は最高の幸福を感じる。

side-B

鈴木は東京への派遣が決まり、マユと遠距離恋愛に。経済的・精神的負担から疲弊する中、同僚の美弥子と接近する。マユの妊娠が発覚し、鈴木は堕胎を決断。美弥子から想いを打ち明けられ、心が揺れる。マユとの関係が疎遠になる中、美弥子と関係を持ち、二股状態に。最終的にマユと別れ、美弥子とクリスマスを過ごすが、マユへの想いを抱えたまま物語は衝撃の結末を迎える。

イニシエーション・ラブを観るには?

イニシエーション・ラブ キャスト

鈴木 – 松田翔太
鈴木 – 亜蘭澄司(森田甘路
成岡繭子(マユ) – 前田敦子
石丸美弥子 – 木村文乃
海藤 – 三浦貴大
梵ちゃん – 前野朋哉
望月大輔 – 森岡龍
北原鉄平 – 矢野聖人
大石肇 – 藤原季節
優子 – 吉谷彩子
ナツコ – 松浦雅
和美 – 八重樫琴美(Chubbiness)
ジュンコ – 大西礼芳
まどか – 佐藤玲
桑島課長 – 山西惇
静岡支店部長 – 木梨憲武(友情出演)
石丸詩穂 – 手塚理美(特別出演)
石丸広輝 – 片岡鶴太郎(特別出演)
天童 – 池上幸平
ホテル受付 – 村岡希美
カップル – 夛留見啓助三浦葵
洋服屋の店員 – 小松美咲
DJの声 – 山寺宏一

イニシエーション・ラブ スタッフ

監督 – 堤幸彦
脚本 – 井上テテ
音楽 – Gabriele Roberto
原作 – 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)
撮影 – 唐沢悟
照明 – 木村匡博
録音 – 鴇田満男
美術 – 相馬直樹
編集 – 伊藤伸行
音楽プロデューサー – 茂木英興
カースタント – スーパードライバーズ
80年代用語監修 – 大矢博子
オフィシャルライター – 木俣冬
企画協力 – 文藝春秋
VFX・CG – jitto(株式会社十十(ジット))、山口幸治、cai(株式会社回)、リバティアニメーションスタジオ
技術協力 – 池田屋
美術協力 – オフィスハラ、京映アーツ(サンズデコール)
ラボ – IMAGICA
スタジオ – 東宝スタジオ
製作者 – 中山良夫、市川南、松井清人、藪下維也、柏木登、長坂信人、髙橋誠
ゼネラルプロデューサー – 奥田誠治
エグゼクティブプロデューサー – 門屋大輔
プロデューサー – 飯沼伸之、畠山直人、小林美穂
配給 – 東宝
制作プロダクション – オフィスクレッシェンド
企画・製作 – 日本テレビ放送網
製作 – 『イニシエーション・ラブ』製作委員会(日本テレビ放送網、東宝、文藝春秋、読売テレビ放送、バップ、オフィスクレッシェンド、KDDI、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)

イニシエーション・ラブの原作(乾くるみ)

話題沸騰の二度読みミステリー! 松田翔太と前田敦子が共演し、堤幸彦監督で映画化された話題作。 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。バブルにわく1980年代後半の世相や流行を背景に、甘美でときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説——―と思いきや、最後から2行目(絶対に先に読まないで! )で、本書は全く違った物語に変貌する。 最初はミステリー好きが支持するマニアックな作品と思われたが、口コミで広がった評判はやがて芸能界にも波及し、ふかわりょうやUVERworldのTAKUTA∞、茅原実里、アンジャッシュの渡部建、くりぃむしちゅーの有田哲平、広瀬アリスなどが推薦コメントを寄せている。

イニシエーション・ラブのネタバレ見どころ

本作の最大の見どころは、観客が信じて疑わなかった「ある前提」を、ラスト5分で根底から覆す巧妙な叙述トリック(映像トリック)にある。
本作は、一見すると80年代の懐かしいラブストーリーのように見えて、その実態はミステリー(あるいはホラー)なのだ。

ネタバレ全開!『イニシエーション・ラブ』の真の見どころ

衝撃の結末「主人公=Bくん」

この映画の最大のトリックは、観客がずっと追いかけてきた主人公「タッくん(鈴木拓人)」が、ヒロイン・マユにとっての本命(Aくん)ではなく、ただのキープ(Bくん)だったというオチだ。

観客の誤解
Side-A(静岡編): 太っていたタッくん(鈴木拓人)がマユと出会い、彼女のために痩せてイケメンになる。
Side-B(東京編): タッくんが東京に就職し、遠距離恋愛に。東京で美弥子と出会い、心が揺れる。
→観客は「一人の男(タッくん)が、マユと美弥子の間で揺れ動く話」だと思い込まされます。

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