囚人のジレンマの感想
横山秀夫「第三の時効」の一編が原作。2002〜2005年のTBS版と2020年〜のテレ東版があるのだが、どちらもF県警が「山梨県警」になっている。
さて本作はTBS版で、
尾関刑事部長: 寺田農
田畑捜一課長: 橋爪功
一班長 朽木(青鬼): 渡辺謙
二班長 楠見(冷血): 段田安則
三班長 村瀬(天才): 伊武雅刀
というキャスティング。
渡辺と段田はイメージ通りだが、伊武は少し違和感あり。
本作(第5作)では朽木が出張中(それもアメリカに、という大人の事情)のため、三班の石橋凌が一班の班長代理を務めている。
三つの班は獲物を奪い合う猟犬よろしく仲が悪いのだが、にもかかわらず石橋に一班を率いらせなければならない理由は、この話が、別々の3事件を各班が同時に捜査するという設定だからだ。
言うことを聞かない3人の班長に振り回されて疑心暗鬼になる橋爪功の憂鬱が原作ファンを喜ばせる。
しかし結末まで行くと、各班長のツンデレぶりが露呈するという、男たちのドラマである。
女優は前川麻子ぐらいであまり出てこない。
この人はロマンポルノで新人賞をとり、舞台活動ののち小説家に転身し、松田優作との関係を描いた自伝的ケータイ小説を書いたりしている変な人。
監督は相米組出身の榎戸耕史で、先日見た仲村トオルの「陰の季節」もこの人だった。
ドラマ臭くない画面作りが良かった。
囚人のジレンマのあらすじ
山梨県警捜査一課強行犯係は三つの班すべてが検挙率ほぼ100%の“最強軍団”。一班の朽木、二班の楠見、三班の村瀬ら班長は強烈なライバル意識を抱き、田畑課長が彼らをまとめていた。そんな中、主婦絞殺、証券マン焼殺、調理師殺害の連続事件が発生。一班は朽木不在のため東出が代理を務め、三班とともに捜査するが決め手を欠く。楠見は物証不十分のまま調理師の妻を追及しようとし、田畑の制止を無視して独断で進める。進展しない捜査、部下の暴走、記者との駆け引き、組織内の摩擦が重なり、田畑は次第に追い詰められていく。
囚人のジレンマ キャスト
田畑昭信(捜査第課 課長) – 橋爪功
■捜査第課強行犯捜査係 一班
小山内(刑事) – 宮本大誠
■捜査第課強行犯捜査係 二班
楠見正俊(班長・元公安) – 段田安則
矢代勲(刑事) – 金子賢
阿久津(刑事) – 由地慶伍
■捜査第課強行犯捜査係 三班
村瀬透(班長) – 伊武雅刀
東出裕文(警部補・第作は一班に班長代理として出向) – 石橋凌
■その他
松田秀行(巡査部長) – 田中哲司
佐藤仁(刑事) – 信太昌之
伴内孝(刑事) – 上田耕一
真木智広(山梨新聞 記者) – 立川三貴
掛川守(イトイフーズ 経理担当) – 伊藤洋三郎
家田和夫(農協職員) – 山下真広
永井貴代美(永井の妻) – 前川麻子
坂田留美(主婦・主婦絞殺事件の被害者) – 平山さとみ
小宮(甲信日報 記者) – 山中聡
目黒(県民タイムス 記者) – 笠原紳司
前島(砂川警察署生活安全課 署員) – 村松利史
相沢直也(田畑昭信の運転手) – 谷口賢志
熊野悟(証券マン・証券マン焼殺事件の被害者) – 齊藤あきら
鵜崎徹(ラーメン「菜心」主人) – 吉田慎之介
県民タイムス 記者 – 外波山文明
田畑晴子(田畑昭信の妻・故人) – 大原真理子
広報官 – 佐野和敏
永井克也(居酒屋「安寿」調理師・調理師溺死事件の被害者) – 藤田清二
刑事 – 松原末成、芹口康孝
婦警 – 和田有由
記者 – 内田量子
山口哲夫(新聞記者) – 市村直樹
福知山(毎朝新聞 記者) – 稲次将人

