『隣人13号』ってどんな映画?
過去の凄惨な記憶によって生み出された狂暴な「もうひとつの人格」と、復讐のためにその狂気を解き放っていく男の葛藤を描く。井上三太の伝説的カルトコミックを原作に、門肇によるエッジの効いた脚本と井上靖雄監督の先鋭的なヴィジュアルセンスが融合。暴力の連鎖と人間の精神の暗部をえぐり出し、当時の日本映画界に強烈なインパクトを与えた、バイオレンス・サイコサスペンス。
見どころは、村崎十三(小栗旬)の制御を離れて暴走していく13号(中村獅童)の圧倒的な凶気と、それによって崩壊していく周囲の日常を描いた凄惨なサスペンスプロットだ。同級生・赤井トール(新井浩文)への復讐をじわじわと進めるなかで、13号の残虐性はエスカレート。謎の存在である死神(松本実)の影がちらつき、裏社会の住人である金田(三池崇史)やヒデさん(堅島仁希)らをも巻き込む予測不能なバイオレンスの渦へと発展していく。理性を保とうとする十三の静かな嘘と、すべてを破壊しようとする13号の血塗られた真実が激しくぶつかり合う。
狂気の化身に身を委ねて憎き仇への復讐を全うするか、それとも人間としての踏みとどまり「13号」を自らの内に封印するか。逃れられない過去の呪縛のなかで、十三が最後に下すあまりにも衝撃的で切ない選択。目を背けたくなるほどのバイオレンスに、人間の孤独と救いようのない悲哀を鮮烈にあぶり出した、傑作ダーク・サイコスリラーだ。
あらすじ
一見すると気弱で大人しい青年、村崎十三(小栗旬)。彼は小学生の頃、同級生の赤井トール(新井浩文)から執拗で凄惨ないじめを受け、顔に硫酸をかけられるという深い肉体的・精神的トラウマを負っていた。それから10年後、十三は復讐を果たすため、赤井が妻のぞみ(吉村由美)と暮らすアパートの真上の部屋に「隣人」として引っ越してくる。同じ職場の関肇(石井智也)らと接する日常の裏で、赤井への復讐の機会を伺う十三。しかし、彼の心の中には、いじめの恐怖と憎悪の焦燥から生み出された、凶暴極まりないもう一つの人格「13号」(中村獅童)が潜んでいた。
キャスト
中村獅童は、相当に考えた演技をしている。
井上三太は読んでいない、どうも好きではないのだ。というか、世代的になのかカルチャー的になのか、ひどく断絶感がある。
暴力的なシーンは、実際にはほとんどないのではないか。直接的に描かれるのはほぼいじめだけで、暴力について、監督は巧妙に隠蔽している。おそらく最も「残虐な」シーンはアニメーション化された部分だろう。
観客は、いじめっ子時代の赤井トール君にならともかく、新井浩文にも吉村由美(特攻服似合いすぎ、土屋アンナに匹敵する)にも制裁が加えられる必然性を感じないはずで、だから二人が追いつめられていく過程が痛々しく映る。
14号室に住んでいるビデオまみれのおじさんは三池崇史らしい(笑)。
『隣人13号』を観るには?
『隣人13号』作品情報
監督 – 井上靖雄
脚本 – 門肇
撮影 – 河津太郎
音楽 – 北里玲二
制作プロダクション – P.I.C.S.
配給・宣伝 – メディア・スーツ
上映時間 – 115分





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