できちゃった結婚

できちゃった結婚の感想

広末涼子と片瀬那奈がハタチ、石田ゆり子が31歳。2001年の月9で、「そう昔というわけではないんだな」と思ったが、よく考えれば（よく考えなくても）20年前である。

竹野内豊をはじめ、阿部寛、妻夫木聡、沢村一樹など男性陣の若さも微笑ましい。

月9特有の浮ついた空気はこの頃まさに全盛だったろう。

片瀬那奈、石田ゆり子、広末涼子（できちゃった結婚）

できちゃった結婚　見どころ

1. 「妊娠→恋愛」という逆順ストーリーの新しさ
   当時としてはまだ珍しかった「「妊娠したことで始まる恋愛」。竹野内豊演じるヒロは、自由気ままで責任感が薄い“ダメ男気味な”サーファー、広末涼子演じるちよみは、芯の強いがどこか天然な保育士。最初は戸惑いながらも“子どもを通じて相手を理解していく”というプロセスが、恋愛の甘さよりも人生のリアルな難しさを際立たせる。にもかかわらず、コミカルな語り口とテンポ感のある演出によって、重くなりすぎず観やすい作品に仕上がっている。
2. キャスト陣の“旬”の魅力が炸裂
   2001年当時、竹野内豊と広末涼子はどちらも“時代の顔”だった。竹野内の軽妙さと色気のバランス、広末の素直さと不器用な強さ。この二人が、まだ“大人になりきれない”若者同士としてぶつかり合い、次第に「家族」になる過程は、役者としての成長とも重なって説得力を増していく。
   さらに脇を固めるのは、阿部寛、妻夫木聡、片平なぎさ、沢村一樹、伊東四朗といった実力派・個性派俳優たち。彼らが“家族”や“結婚観”に多様な視点を持ち込むことで、物語に深みと幅を与えている。
3. 「家族って何？」という問いへのやさしい回答
   本作は単なるラブストーリーではなく、“家族のあり方”を見直すドラマでもある。「子どもができたから仕方なく結婚する」という価値観、「順序が違うからってダメなわけじゃない」という前向きなメッセージ、「結婚はゴールではなくスタート」という視点。これらが、軽快な台詞と爽やかな空気感の中に丁寧に織り込まれており、決して説教臭くないのにしっかりと伝わるのが本作の美点。
4. 映像美と演出センスの良さ
   中江功監督（のちに『ラスト・フレンズ』『神様、もう少しだけ』などを演出）の手による映像は、湘南の海、自然光を活かした柔らかな画作りが特徴。21世紀初頭の“キラキラした月9”らしい映像美がありつつも、どこか生活感のあるリアルな空気感も持ち合わせている。
   また、主題歌「Precious Time」も作品世界にぴったりの爽やかさで、毎話のラストに絶妙な余韻を残す。

できちゃった結婚のあらすじ

平尾隆之介は真夏のビーチで知り合った名前も知らない小谷チヨから妊娠したことを告げられる。最初は困惑したが、がんばって育てようと決心する2人の前に、チヨの父親の頑固な一徹、隆之介の仕事状況の変化など、様々な障害が立ちはだかるが、姉や友人たちの協力を受け、隆之介とチヨは結婚そして出産に向け奮起する。

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