『黒革の手帖』(武井咲版)ってどんなドラマ?
夜の銀座という欲望の迷宮で、男たちの巨万の富を1冊の手帖を武器に奪い去る、最も美しく冷徹な悪女のサクセスストーリー。ミステリー界の巨匠・松本清張の不朽の名作を、羽原大介によるシャープな脚本と、ゼネラルプロデューサー内山聖子らの鉄壁の布陣で現代に蘇らせた傑作サスペンスドラマだ。
親の借金を背負い、東林銀行世田谷北支店で派遣社員の銀行員として働いていた原口元子(武井咲)。理不尽な格差社会の底辺で耐え忍んでいた彼女は、銀行から1億8千万円もの大金を横領するという大胆な計画を実行に移す。架空名義預金者のリストを書き留めた「黒革の手帖」を盾に、支店長の藤岡彰一(菅原大吉)や次長の村井亨(滝藤賢一)らの追及を冷酷にはねのけた元子は、その大金を元手に銀座の最高峰クラブ「カルネ」の若きママへと華麗に転身する。
見どころは、弱肉強食の夜の世界で男たちを次々とハメていく元子の鮮やかなまでのピカレスク・サクセスと、豪華キャスト陣による泥沼の化かし合いだ。監督の本橋圭太と片山修の演出が、銀座の煌びやかな夜の裏に渦巻く人間の強欲さをドラマチックに炙り出す。主演の武井咲が、それまでの清純なイメージを覆す妖艶さと凄みをまとい、凄然とした覚悟で生きる悪女を熱演。高級洋品店の店員(井上あかね)の前で豪快に買い物をし、美容師・牧野(和田正人)の手で美しく磨き上げられていく姿が息をのむオーラを放つ。
元子が銀座のルールを学んだクラブ「燭台」の気品溢れるママ・岩村叡子(真矢ミキ)の存在感、元子が目をかけホステスに引き上げたものの、やがて最大のライバルへと豹変する山田波子(仲里依紗)の怪演が、女同士の容赦なきキャットファイトを爆発させる。
さらに、手帖の情報を武器に元子が恐喝のターゲットとする、大手予備校理事長の橋田常雄(高嶋政伸)の変態的な執着心、楢林クリニック院長の楢林謙治(奥田瑛二)の狡猾さ。そこに長年尽くしながら裏切られ、怨嗟の塊となる看護師長の中岡市子(高畑淳子)、料亭「梅村」の仲居から元子のスパイとなる島崎すみ江(内藤理沙)らが入り乱れ、欲望のドミノ倒しが始まる。
だが、元子の前に立ちはだかるのは彼らだけではない。政財界の不気味な巨大フィクサー・長谷川庄治(伊東四朗)、その裏で堂林グループの令嬢(江口のりこ)との政略結婚を進める衆議院議員秘書・安島富夫(江口洋介)の存在が、元子をさらなる危険な運命の賭けへと誘っていく。安島との間に芽生える、決して結ばれることのない危険な愛の火花が、元子の心に切ない影を落とす。
誰の手も借りず、ただ自分の野心と「黒革の手帖」だけを信じて頂点へ駆け上がろうとする孤高の女王。騙し、騙され、最後にすべてを手にするのは誰なのか。魑魅魍魎が跋扈する銀座を舞台に、人間の尽きないエゴイズムと、それに立ち向かう一人の女の壮絶な戦いを圧倒的なスリルで描ききった、サスペンスドラマの不朽の傑作。
あらすじ
昼は銀行の派遣、夜はクラブのホステスとして働き借金を完済した原口元子は、理不尽な派遣切りを機に、違法な借名口座から1億8000万円を横領。その金と不正な預金者リストを記した「黒革の手帖」をネタに、銀座の一等地に自身のクラブ「カルネ」をオープンさせる。クラブを我が物にしようとする者やかつての同僚、政治家や銀行幹部たちと、愛と欲望が交錯するスリリングな騙し合いを繰り広げる。
キャスト
安島富夫(議員秘書) – 江口洋介
山田波子(ホステス) – 仲里依紗
村井亨(「東林銀行」世田谷北支店次長) – 滝藤賢一
藤岡彰一(「東林銀行」世田谷北口支店長) – 菅原大吉
牧野(美容室店長) – 和田正人
島崎すみ江(料亭「梅村」仲居) – 内藤理沙
橋田常雄(大手予備校理事長) – 高嶋政伸
堂林京子(「堂林グループ」令嬢) – 江口のりこ
岩村叡子(クラブ「燭台」ママ) – 真矢ミキ
中岡市子(楢林クリニック看護師長) – 高畑淳子
楢林謙治(楢林クリニック院長) – 奥田瑛二
坂本(楢林クリニック受付) – 沢井美優
長谷川庄治(政財界のフィクサー) – 伊東四朗
銀行員 – さとうほなみ
銀行員 – 逢澤みちる
高級洋品店の店員 – 井上あかね
感想
ファーストインプレッション
山本陽子、大谷直子、浅野ゆう子、米倉涼子に続くヒロインになった武井咲だが、「ドクターX」続投を渋る米倉のバーターだというが、違和感はあまり感じない。
ぱっとしなかった米倉が成功したのは「黒革の手帖」に始まる清張もののヒロインを射止めたからだが、武井はこのチャンスをつかめるか。
最終回まで観て
結局、武井咲はハヅキルーペによって似たような地位を手に入れたのだが、その起用を後押ししたのはやはり本作だったと思う。
その後
新年のSP「拐帯行」(原作は「黒革」とは関係ない)の番宣で年末に再放送しているのを見かけ、あらためて武井咲の美女ぶりを確認。このSPは最近めっきり見ない武井の3年ぶりの復帰作らしい(「黒革」の後の「今からあなたを脅迫します」以来)。楽しみである。
さらに再見して
武井咲の演技は「てめぇ、五寸釘ぶち込むぞ?」とキメていた「エイジハラスメント」から変わっていない。
不幸な幼少期の反動?みたいな処理もすっきりしないし、最終回もいい加減で、奥田瑛二にマルサが入ったのに、金を脅しとった自分に検察の手が回らないと思っている理由がわからない。
黒革の手帖(武井咲版)を観るには?
黒革の手帖(武井咲版)スタッフ
脚本 – 羽原大介
監督 – 本橋圭太、片山修
ゼネラルプロデューサー – 内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー – 中川慎子(テレビ朝日)、菊池誠・岡美鶴(アズバーズ)
主題歌 – 福山雅治「聖域」
制作協力 – アズバーズ
制作著作 – テレビ朝日
黒革の手帖(武井咲版)の原作(松本清張)
私は、銀座の女王になる――。切り札は、架空口座が記された手帖。累計180万部突破、清張史上最強の悪女!
7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長・橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。
夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。




