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マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜

木村文乃(マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜) ドラマ
木村文乃(マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜)
『マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜』)は、2015年4月14日~6月16日の毎週火曜日22:00~22:54に、TBS系「火曜ドラマ」枠で放送。木村文乃は当作が連続ドラマ初主演。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

「名前をなくした女神」を引き合いに出さずには語れない(マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜の感想)

本当にキモチ悪いのは、雑誌「VERY」が主導する(?)「ママ名刺」が飛び交う世界である。
だからこそ「名前をなくした女神」(2011年)というドラマがあったわけだ。
本作に出てくるしずく幼稚園の母親たちは下の名前で呼び合っており、キラキラネーム時代を迎えてようちえん文化も変容したのかと思わせる異世界学園ドラマとして幕を開けた。

杏・尾野真千子・倉科カナ・りょう・木村彩乃という「名前をなくした女神」の顔ぶれと、木村文乃貫地谷しほり長谷川京子安達祐実檀れいという本作の顔ぶれは、ほぼ同ランクのキャスティングのように見えるかもしれない。
しかし実際に彼女たちが並んだシーンで一目瞭然なように、まるで高身長で選んだかのような「名前をなくした女神」のほうが明らかに見た目のゴージャス感の面で優っている(小柄な安達祐実は「名前を…」ではサブキャラだった)。
本物の高級家具やアクセサリーを集めて現実離れした素封家のリアリティを追求した本作にとっては皮肉なことである。

サスペンスあり、ミステリーあり、となかなか良くできていた「名前を…」の脚本家は、のちに「ファーストクラス」を書く渡辺千穂だった。「名前を…」がひとつの転換点になったと思われるのだが、今ひとつヒットがない荒井修子にとっても、本作はひとつのチャレンジだったことは想像に難くない。
タイトルから予想させるカースト物の期待を裏切り、ストレートな母親戦友物で勝負に出たのは、渡辺への対抗心があったのではないかと想像されるのである(誰もが、檀れいが木村文乃を窮地に突き落とすラスボスになると期待したはずだ。例えば、お受験の会場から逃げ出した息子を追って街をさまようのは、檀ではなく木村の方でなければならなかった)。

檀れいとひきこもりのツトム君がそれぞれへの言葉を表裏に綴った、ありえないほど大量のメモが、チェストからあふれるという最終回のシーンなど、見るべきところがなかったわけではない。
母親たちが繰り広げる、DVや、姑や、収入格差や、ひきこもりといった時代の共通敵との戦闘は、涙なくして見られないものではあった。
それを「母親の成長」とまとめる室井滋園長は、やはり「名前を…」の夏木マリ塾長とほとんど重なってしまう。

実際に子役たちの登竜門でもあった「名前を…」に対し、やはり本作は波及力の低い小品にまとまってしまった感が否めない(とくに子役へスポットを当てる余裕をとれなかったことは、凡庸による効率の悪さを表していると思う)。
狂言回しである木村の「はっきり言わせてもらいます」というキメ台詞は、「花咲舞が黙ってない」の杏を思わせたが、外連味に欠けていて、そこも、思いきりの悪さを感じさせた。

マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 見どころ

シングルマザーの主人公が名門幼稚園でのセレブママたちとの関係を描いたドラマで、母親たちの葛藤や成長が見どころである。
巷の感想は「母親ってかっこいい。あたしゃーなれない!」「展開がわかりやすくてストレスなく見れる!」「ちょうどいい加減のドロドロ感でおもしろかった」など。

  • 見どころ1. 階級社会と母親像の描写
    名門幼稚園を舞台に、異なる社会的背景を持つ母親たちの関係性。主人公・希子(木村文乃)は庶民派のシングルマザーで、セレブママたちとの交流によって、母親としての在り方や社会的階級の壁に直面する。
  • 見どころ2. 各キャラクターの背景と成長
    聡子(長谷川京子)は姑からの精神的な圧力、由紀(貫地谷しほり)は借金問題など母親たちが問題や葛藤を解決し、成長していく。

マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 あらすじ

マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 キャスト

■主要人物
蒲原希子 – 木村文乃
矢野聡子 – 長谷川京子
神谷由紀 – 貫地谷しほり
後藤みどり – 安達祐実
小田寺毬絵 – 檀れい
■蒲原家
蒲原徹治 – 竜雷太
蒲原陽斗 – 横山歩
■矢野家
矢野正輝 – 桜井聖
矢野静子 – 長谷川稀世
矢野怜奈 – 香音
矢野衿奈 – 渡邊れいら
矢野優輝 – 大江優成
■神谷家
神谷恭二 – 篠田光亮
神谷桜子 – 後藤由依良
■後藤家
後藤修平 – 丸山智己
後藤梨香 – 矢崎由紗
■小田寺家
小田寺隆吾 – 豊原功補
小田寺信 – 五十嵐陽向
小田寺彬 – 望月歩
小田寺早苗 – 金沢きくこ
■しずく幼稚園関係者
奈良岡信之助 – 瀬戸康史
山川真美子 – 映美くらら
角田佳代 – 富永沙織
奈良岡フミ/フネ – 室井滋
■その他
磯山琢己 – 上地雄輔
柏木薫平 – 渋川清彦
樫山秀徳 – 岡田義徳
崎坂樹里 – 中山由香
タナカ – 田中直樹

マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜 スタッフ

脚本 – 荒井修子武田有起千寿みのり
音楽 – 遠藤浩二
主題歌 – Superfly「Beautiful」(ワーナーミュージック・ジャパン)
プロデューサー – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子竹村謙太郎福田亮介村尾嘉昭
製作 – ドリマックス、TBS
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