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プレデターシリーズ

エルピディア・カリロ(プレデター) 1987年の映画
エルピディア・カリロ(プレデター)

 

【ザ・プレデター】死に場所を探していたルーニーズ。イイ話だ(2018年)

「プレデター」で最初に殺される猥談好きのメガネ男だったシェーン・ブラックは、その後「リーサル・ウェポン」の脚本を書き、監督まで務めた本作と同じ年に公開された。
1987年は彼の転身を世間が知る年だったのである。

キャラ立ちしたプロ集団が次々とプレデターに殺されていく展開は本シリーズの重要な約束ごとなのだが(「2」の失敗はこの要素が薄いからだと思う)、本作では、ルーニーズと呼ばれる退役軍人たちが担っている。
彼らはいずれもPTSDで精神を病んでおり、不真面目なジョークを連発する、しかし愛すべきおじさんたちである。
本作では彼らのワチャワチャぶりにかなりの時間を割かれている。
成り行きで進化生物学者のオリヴィア・マン(サンドラ・ブロック的ながさつさを備える)と合流するのだが、事態の深刻さを理解しているのかしていないのか、目を覚ましたオリヴィアが銃を取るか引き金を引くかを賭けてワチャワチャしているくだりなど面白く、そうこうするうちにオリヴィアも仲間になっている。
頼り甲斐があるのかないのか不明であり、思わず最後まで誰も死なないパターンを期待したが、やはりそんなことはなく、終盤では個々に見せ場が用意されてちゃんと散っていくのだった。
つまりは死に場所を探していたということだろう。
イイ話なのである。

本作では、人間そっちのけでプレデター同士が肉弾戦を展開する。
オリヴィアは、敗者の脊髄を引き抜くのは勇者のDNAを採取している行為だと見抜き、件の肉弾戦を、積極的進化派(体が大きい)が消極的従来派(「プレデター」「2」に登場したタイプ)を駆逐したと解説する。
本作前半で捕獲されたのは後者で、「良いプレデター」だったというわけ。
前作「プレデターズ」でのプレデター間イジメを示す説明でもある。

さらに終盤では、プレデターが政府側が用意した翻訳機を介して英語で人間たちに語りかける場面まである。
きわめつきは、「良いプレデター」が人類にプレゼントするために地球に持ち込んだ「プレデターキラー」なるスーパー装備である(ショルダーキャノン2機、リストブレード、6焦点レーザーポインター)。

これらの余計な設定を付け加えたことで、本作は毀誉褒貶の渦を巻き起こし、設定を引き継ぐ続編は作られていない。

ザ・プレデターの見どころとトリビア

見どころ

  • 従来のプレデターよりもさらに強化された「アルティメット・プレデター」が登場。他の種族のDNAを取り入れることで進化を遂げ、人類にとって脅威となる
  • 主人公クイン・マッケナ(ボイド・ホルブルック)を中心に、PTSDを抱える元兵士たち「ルーニーズ」と呼ばれるチームが結成され、彼らの個性的なキャラクターとチームワークが物語を盛り上げる
  • 従来の「狩り」を楽しむプレデターとは異なり、本作のプレデターは人類の進化を促すために地球に訪れたという設定

トリビア

  1. 監督のシェーン・ブラックは、オリジナル『プレデター』で通信兵ホーキンス役を演じていた
  2. ジェイク・ビジーが演じたショーン・キーズ博士は、『プレデター2』でゲイリー・ビジーが演じたピーター・キーズの息子という設定
  3. プレデターが初めて人間の武器を使用するシーンがある
  4. エンディングで登場する「プレデター・キラー」スーツは、続編への布石として注目された。

ザ・プレデターのあらすじ

宇宙船が地球に墜落し、米軍スナイパーのクイン・マッケナはメキシコでプレデターと遭遇。仲間を殺されるが、プレデターの装備を回収し自宅へ送る。装備は発達障害だが天才的な記憶力を持つ息子ローリーの手に。政府はクインを逮捕するが、護送中に退役軍人仲間「ルーニーズ」と脱走。
政府機関に捕獲されていたフュージティブ・プレデターが脱走し、装備回収のためクイン宅へ。さらに強化型のアサシン・プレデターが現れ、フュージティブを殺害。プレデターの目的は地球の植民地化で、アサシンは天才ローリーを狙う。
激戦の末、クインたちはアサシンを倒す。フュージティブが残した対プレデター用装備「プレデターキラー」を発見し、クインは地球防衛の準備を始める。

ザ・プレデターを観るには?

ザ・プレデターのキャスト

クイン・マッケナ – ボイド・ホルブルック
ネブラスカ・ウィリアムズ – トレヴァンテ・ローズ
ローリー・マッケナ – ジェイコブ・トレンブレイ
ケイシー・ブラケット – オリヴィア・マン
ウィル・トレーガー – スターリング・K・ブラウン
コイル – キーガン=マイケル・キー
バクスリー – トーマス・ジェーン
リンチ – アルフィー・アレン
ネトルズ – アウグスト・アギレラ
エミリー・マッケナ – イヴォンヌ・ストラホフスキー
ショーン・キース – ジェイク・ビジー
サピア – ニオール・マター
プレデター – ブライアン・A・プリンス

ザ・プレデターの作品情報

監督 – シェーン・ブラック
脚本 – フレッド・デッカーシェーン・ブラック
原案 – ジム・トーマス、ジョン・トーマス
製作 – ジョン・デイヴィス、ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルバー
製作総指揮 – ビル・バナーマン、イラ・ナポリエッロ
音楽 – ヘンリー・ジャックマン
撮影 – ラリー・フォン
編集 – ハリー・B・ミラー三世、ビリー・ウェバー
製作会社 – 20世紀フォックス、シルバー・ピクチャーズ
配給 – アメリカ/日本 20世紀フォックス
公開 – アメリカ/日本 2018年9月14日
上映時間 – 107分

『ザ・プレデター』は初代「プレデター」の精神を受け継ぎつつ、新たな舞台とキャラで展開するSFアクション映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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