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ゴジラ-1.0の感想
それなりに楽しみにはしていたが外出中に時間が余り、結局公開初日に見てしまった。ネタバレしないように書くが、情報をシャットアウトしたい人は読まないように。
まずキャストが佐々木蔵之介、吉岡秀隆に本多忠勝と、今季毎週ドラマで見ている面子で、新鮮さに欠けることおびただしい。
しかも主役は先日「心の糸」で見たばかりの神木隆之介で、「終わりにしてもいいですか!」という台詞まで同じである(これは私の個人的事情だが)。
女優は浜辺美波と、これも微妙に既視感。
最大の特徴は1947年という時代設定にある(初代ゴジラは1954年)。映画は終戦直前に神木隆之介が特攻機が故障したと嘘をついて大戸島の守備隊基地に降り立つところから始まるが、神木はこの行動を悔いて「男たちの旅路」の鶴田浩二のような終戦を実感できない人として生き、その屈託描写が長いので眠くなった。
序盤に「ジェラシックパーク」、中盤に「ジョーズ」のような描写を経て銀座に現れたゴジラの特撮は圧倒的だが、「無(ゼロ)からマイナスに」というのなら、焼野原の描写をもっとしっかりするべきだったのではと思わせる。
ギミック感たっぷりの熱線はキノコ雲を起こし、爆風の後に真空状態になった爆心地に空気がなだれ込む逆風が起こるのがリアル。黒い雨が降ったり、浜辺美波の被爆描写もラストにあったりして、反核はかなり意識されている。
日本は占領下にあるが、ソ連を軍事的に刺激したくないという理由で米軍は何もしてくれないので、海軍生き残りの民間部隊によるゴジラとの決戦になるという統治者不在の強引な設定は、シンゴジの裏返しになっている。
まだ書きたいことはあるが、やはりネタバレになりそうなのでこの辺で。映画館では隣の人が涙ぐんでいたのだが、私には理由がわからなかった。シンゴジのようにすぐにもう一回見たいという気にはならなかったが、面白くなかったわけではない。
ゴジラ-1.0 見どころ
- 「史上最も絶望的なゴジラ」というコンセプト
戦後の日本、全てを失い「ゼロ」になった焦土に、さらに追い打ちをかけるようにゴジラが出現し、日本を「マイナス」に叩き落とすという、衝撃的なコンセプト。これまでのゴジラ映画とは一線を画し、ゴジラが「災害」として、人々の生活や心を徹底的に破壊していく様が描かれる。ゴジラによってもたらされる絶望と恐怖を、登場人物たちと共に体験する。 - 圧倒的リアリティと迫力のゴジラVFX
山崎貴監督がVFXも手掛け、ゴジラの造形、動き、そして街を破壊する描写の全てが、驚くほどリアルで迫力満点。熱線を吐くシーン、都市が破壊される様は、まさに「ゴジラが本当に存在したらこうなるだろう」と思わせる説得力。ハリウッド大作にも引けを取らないVFXが、世界中で絶賛された。 - ゴジラと戦うのは「名もなき人々」の人間ドラマ
特殊部隊や軍隊ではなく、戦争で心に傷を負った元特攻隊員・敷島浩一(神木隆之介)や、焼け野原を生きる庶民たちが、知恵と勇気を振り絞ってゴジラに立ち向かう。ゴジラの脅威にどう抗い、失ったものを取り戻そうとするのか、その必死な姿、人々の間に生まれる連帯が、感動的な人間ドラマとして描かれた。 - 戦争で生き残った者たちの「罪悪感」と「再生」
主人公の敷島は、特攻から逃れたことで深い罪悪感を抱えている。多くの登場人物が戦争によって心身に深い傷を負っている。ゴジラは彼らにとって戦争の傷を抉る存在であり、同時に生き残った彼らが「生きる意味」を見出し、再生していくための試練でもある。 - 不朽の名作へのオマージュと新たな解釈
1954年の初代「ゴジラ」への深いリスペクトが感じられるシーンが随所に。現代的なVFXと人間ドラマの解釈が加わることで、単なるリメイクではない、新たな「ゴジラ」の金字塔を打ち立てた。 - キャストの熱演
神木隆之介、浜辺美波をはじめ、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介など実力派俳優陣が、絶望的な状況に置かれた人々の感情をリアルに演じる。
「ゴジラ-1.0」は、単なる怪獣映画という枠を超え、戦争の傷跡、人間の尊厳、そして希望を描いた、日本映画の新たな傑作です。視覚的な迫力と、心揺さぶる人間ドラマの両方を求める方には、ぜひ見ていただきたい作品です。
ゴジラ-1.0 あらすじ
第二次世界大戦末期、敷島浩一は特攻を逃れ、小笠原諸島の大戸島で伝説の生物「呉爾羅(ゴジラ)」と遭遇する。戦争後、敷島は東京で大石典子と共同生活を始め、機雷撤去作業に従事する。1946年、米軍の核実験で被曝したゴジラは巨大化し、日本へ向かう。敷島たちはゴジラと戦い、東京は壊滅的な被害を受ける。野田健治は「海神作戦」を立案し、ゴジラを深海に沈め、さらに減圧でダメージを与える計画を立てる。敷島は戦闘機「震電」でゴジラを誘導し、作戦は成功するが、ゴジラは死なず、敷島は特攻を敢行する。しかし、橘宗作の助けで脱出に成功し、典子も一命を取り留める。しかし、典子の首には黒い痣が浮き上がり、ゴジラの肉片は再生を始めていた。
ゴジラ-1.0を観るには?
ゴジラ-1.0 キャスト
大石典子 – 浜辺美波
水島四郎 – 山田裕貴
堀田辰雄 – 田中美央
齋藤忠征 – 遠藤雄弥
板垣昭夫 – 飯田基祐
明子 – 永谷咲笑
阿南健治
水橋研二
徳田アナウンサー – 須田邦裕
元軍人谷口 – 谷口翔太
中台あきお
佐々木一平
中村織央
元軍人鰐渕 – 鰐渕将市
西垣匠
佐々木風磨
整備兵・冨田 – 長部努
整備兵・平岡 – 小松勇司
整備兵・稲垣栄次郎 – 三濃川陽介
整備兵・加治木定吉 – 日下部千太郎
川端康太
古堅元貴
吉川裕斗
整備兵・谷 – 大島祐也
整備兵・山縣重治 – 赤妻洋貴
濱中遼
荒谷清水
塚本幸男
大宮将司
マイケル・アリアス
松原正隆
古山憲太郎
艇長 – 松井工
平原テツ
鳥谷宏之
運転士 – 千葉誠太郎
車掌 – 小熊樹
間瀬英正
大西遵
高雄乗組員 – 持永雄恵
高雄乗組員 – 市川大貴
太田靖則
野田健治 – 吉岡秀隆
元軍人 – 土橋竜太
斉藤淳
山田将之
佐藤五郎
雪風航海長・藤田 – 藤田啓介
元軍人若林 – 若林佑太
福田航也
杉崎シュンペーター
高尾悠希
苅田 – 苅田裕介
元軍人松本 – 松本誠
長島慎治
山本晃大
山田英彦
東洋バルーン係員 – 伊藤亜斗武
山田ジャンゴ
東洋バルーン – 保里ゴメス
橘の助手 – 阿部翔平
飛行機整備士 – 嶋田彥
木原勝利
矢作マサル
富士丸船長 – 俵木藤汰
夕風艦長 – 原田悅嗣
欅艦長 – 仲城煎時
明樂哲典
大野真緒
北御門亜美
逃げまどう市民達 – 羊華
得田舞美
植田倖瑛
鶴田翔
荒木誠
相澤大翔
長谷川瑞己
井上喜介
未来みき
阿部大地
浜辺美波のスタンドイン – 三浦理香子(本編出演なし)
剛州
小野瀬侑子
奥田誠治
橘宗作 – 青木崇高
太田澄子 – 安藤サクラ
秋津淸治 – 佐々木蔵之介
ゴジラ-1.0 スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー – 臼井央、阿部秀司
企画・プロデュース – 山田兼司、岸田一晃
プロデューサー – 阿部豪、守屋圭一郎
協力プロデューサー – 上田太地、山内章弘
チーフゴジラオフィサー – 大田圭二
ラインプロデューサー – 櫻井紘史
VFXディレクター – 渋谷紀世子
撮影 – 柴崎幸三
照明 – 上田なりゆき
美術 – 上條安里
装飾 – 龍田哲児
録音 – 竹内久史
特機 – 奥田悟
編集 – 宮島竜治
カラリスト – 石山将弘
音響効果 – 井上奈津子
選曲 – 藤村義孝
衣裳 – 水島愛子
ヘアメイク – 宮内三千代
キャスティング – 杉野剛
スクリプター – 阿保知香子
助監督 – 安達耕平
制作担当 – 横井義人
プロダクション統括 – 會田望
スタントコーディネーター – 小池達朗
ゴジラデザイン – 山崎貴、田口工亮
音楽 – 佐藤直紀、伊福部昭『ゴジラ』『モスラ対ゴジラ』『キングコング対ゴジラ』
制作協力 – 阿部秀司事務所
VFXプロダクション – 白組
制作プロダクション – TOHOスタジオ、ROBOT
監督・脚本・VFX – 山崎貴
製作・配給 – 東宝
「ゴジラ-1.0」は、単なる怪獣映画という枠を超え、戦争の傷跡、人間の尊厳、そして希望を描いた、日本映画の新たな傑作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。