満願

満願の感想

米澤穂信の原作は6話あるそうなので、3話のみで終わるのはあまりに惜しい。
大変見応えがあった。

演出は萩生田宏治（第1夜）、榊英雄（第2夜）、熊切和嘉（最終夜）、
脚本は大石哲也（第1夜、第2夜）、熊切和嘉（第3夜）。
いずれも完璧に近い。

女優は、ほぼ、第3夜の市川実日子のみ。これまで見たことのないような市川の演技がすばらしかった。

満願のあらすじ

夜警
川藤浩巡査は殉職するが、その死には疑問が残る。川藤は失敗をごまかす癖があり、殉職時も「こんなはずじゃなかった」とつぶやく。兄は川藤が勇敢ではなく、駄目な男だったと語り、事件の真相が浮かび上がる。

万灯
商社の伊丹はバングラデシュで天然ガス開発に挑む。ボイシャク村を拠点にしようとするが、指導者のアラムが反対。他の長老たちはアラムの排除を伊丹とライバル社の森下に持ちかけ、伊丹は倫理的な葛藤に直面する。

満願
弁護士の藤井は、学生時代に畳屋の妻・妙子から励まされ、司法試験に合格。4年後、妙子は夫・重治の借金返済を迫る貸金業社員・矢場を殺害し、藤井は正当防衛を主張するが実刑判決。妙子は控訴を取り下げ、藤井は8年後に出所した妙子と再会し、事件の真相を振り返る。

満願を観るには？

満願　キャスト

第1夜「万灯」

第2夜「夜警」

最終夜「満願」

満願　スタッフ

満願の原作（米澤穂信）

死にたい人たちのあいだで、随分評判らしいのよ。
磨かれた文体と冴えわたる技巧。この短篇集は、もはや完璧としか言いようがない――。驚異のミステリー3冠を制覇した名作。
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。