良いこと悪いこと

良いこと悪いことの感想

まずタイトルに微妙なズラしがあるのだが（良いこと・悪いことではなく、良い子・悪い子なのだ）、まずもっとジャンルとしてはタイムカプセル物ということでいいだろう。

このジャンルは、そのタイムカプセルを埋めた時代のレトロ描写が強調されることが多い。本作で言えば、ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」が主題歌に採用されているのもその一環だろう。
もっとも、この曲のリリースは2001年だそうなので、本作の「22年前のタイムカプセル」＝2003年とは多少ズレている。そこはエモさで選曲されたのだろうが、厳密に合わせるとしたら「渦」あたりになったところだ。「渦」も名曲なのだが、当時、釈由美子の「スカイハイ」（「おいきなさい」という釈の決め台詞で有名）の主題歌だった。
いずれにせよ、「アゲハ蝶」が懐メロとして使用されるのは、ひとつの事件ではある。

さて、間宮祥太朗（なぜか娘との距離感が微妙なので、徳永えりとは再婚で、娘は徳永の連れ子と想像される。また禁煙しているのも何かの伏線か）は、22年前の小学校同窓生に誘われ、校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことになる。

カプセルの中の卒アルは、なぜかクラスメートのうち6人の顔が黒く塗りつぶされていた。さらに同梱されていた「私の夢」の自画像が示す通りに、その6人が殺されていくという事件が起こる（一人目は空を飛ぶ夢を書いた貧ちゃんの転落死、二人目は消防士の絵を描いたカンタローの焼死）。
6人は、どうやら当時転校してきた新木優子をイジメた子どもたちらしいことに間宮は気づく（勘が良すぎねえ？）。

顔を塗りつぶされた子どもは、間宮を含めてあと4人いるはずだが、ホステスの松井玲奈、専業主婦の剛力彩芽のほかに、ニートの森優作、美容師の稲葉友、地方公務員の藤間爽子、IT会社社長の森本慎太郎などがおり、どこまで含まれているのかは微妙に伏せられている（が、画面を止めてみれば卒アルの名前でわかるはずだ）。

また、キャスト一覧を眺めると、同窓生でもないのに同年齢の登場人物（戸塚純貴、木村昴、深川麻衣）がおり、このへんが怪しい気がする。

どうしてまたカプセルを掘り出すまでの22年間も復讐（？）を猶予していたのか、という疑問がまずあって、納得いく説明はなさそうな予感がするが、一応考察系ということなので、伏線に注意して観てみることにするか。

なお、マンションの高層階から転落死した貧ちゃん（水川かたまり）は、１階の自転車置き場の屋根にまっすぐ落ちるところが正面から映り、カットを割らずにそのまま上にパンして頭から血を流している死体が映り、そこで血の滴る「私の夢」の絵に切り替わっていた。ちょっと黒沢清的なつなぎ方なのだが、自転車置き場の屋根が地面みたいに丈夫すぎて気になった。CGの手間はかかるが、屋根を突き破るか、せめて屋根が凹むぐらいの描写が欲しかったところだ。

良いこと悪いことのあらすじ

東京郊外で塗装会社を営む高木将は、小学校時代のクラスメイトと22年ぶりに再会し、校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こす。そこには、子供の頃に描いた「夢の絵」や卒業アルバムが入っており、アルバムには高木を含む6人の顔写真が塗りつぶされていた。その夜、6人のうち1人が謎の死を遂げ、連続殺人事件が勃発する。標的は、美人記者・猿橋園子と因縁のある6人。園子が疑われる中、高木は自分も標的だと気づき、園子とバディを組んで真相究明に挑む。

良いこと悪いことを観るには？

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