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愛の、がっこう。

4.0
木村文乃(愛の、がっこう。) ドラマ
木村文乃(愛の、がっこう。)

文字の読み書きができないというハンディキャップを抱えるカヲルにとって、愛実の授業は、過去や内面と向き合い、言語化できなかった感情や思考を「言葉」として獲得していくプロセスである。ひらがなから始まり、鉄道の本を教材に漢字を学ぶ中で、彼は「学校に行きたかった」という抑圧された願望をおそらく初めて吐露する。
愛実が根気強く、彼のペースに合わせて教える姿は、彼がこれまで受けることのなかった無償の肯定であり、人間としての尊厳を回復する行為でもあった。

教える側である愛実もまた“授業”を通して多くを学んでいく。父親の言いなりに生きてきた彼女にとって、カヲルに教えるという行為は、初めて自分の意思で誰かのために深く関わる経験だった。カヲルの純粋さや、世間の常識に囚われない物事の捉え方に触れることで、彼女自身が縛られていた窮屈な価値観から解放されていく。カヲルに文字を教えることは、愛実が自分自身の人生の「先生」になるためのレッスンでもあったのだ。

愛実から読点(、)と句点(。)の使い方を教わったカヲルは、ラストシーンで、「じゃあ先生と俺は今日で句点?」と問いかける。
この台詞は彼が言葉の意味を深く理解し、それを用いて自らの状況を客観視できるまでに成長したことを示しているが、二人の関係が単なる恋愛感情に留まらず、学びを通じた精神的な結びつきであったことを強く印象づける。
彼らは、自己を確立していくための、互いにとっての「がっこう」であったのだ。

愛の、がっこう。のあらすじ

高校教師である小川愛実は生徒からの信頼を得られずに悩み、婚約者の川原洋二との関係にも、どこか不安を抱えていた。そんなある日、教え子の夏希がホストクラブ「THE JOKER」に入り浸っていることを知った愛実は彼女を連れ戻すべく店へと駆けつける。だが、そこで複雑な家庭環境で育ち、文字の読み書きができないホスト・カヲルと出会い、彼と関わり続けるうちに禁断の恋へと足を踏み入れる。

愛の、がっこう。を観るには?

愛の、がっこう。キャスト

■主要人物
小川愛実(私立ピエタス女学院高等学校葵組担任) – 木村文乃(幼少期:宮﨑葵唯)
カヲル / 鷹森大雅(ホストクラブ「THE JOKER」No.7) – ラウール(Snow Man)(幼少期:白鳥廉)
■ホストクラブ『THE JOKER』
松浦小治郎(オーナー) – 沢村一樹
竹千代(カヲルのルームメイト) – 坂口涼太郎
神門つばさ(No.1ホスト) – 荒井啓志
皇ヒロト(No.2ホスト) – 別府由来
松浦社長の側近 – テイ龍進
■私立ピエタス女学院高等学校
佐倉栄太(3年葵組の副担任) – 味方良介
沢口夏希(3年葵組の生徒) – 早坂美海
植野憲子(教頭) – 今藤洋子
橋本恵美子(学年主任) – 小野寺ずる
■周辺人物
町田百々子(テレビ局報道センター勤務、夕方のニュースの責任者) – 田中みな実
川原洋二(愛実の交際相手) – 中島歩
田所雪乃(洋二の不倫相手) – 野波麻帆
宇都宮明菜(やり手女社長) – 吉瀬美智子(第2話 – )
香坂奈央(カヲルの母) – りょう
香坂勇樹(カヲルの異父弟) – あお
小川早苗(愛実の母) – 筒井真理子
小川誠治(愛実の父) – 酒向芳

愛の、がっこう。スタッフ

脚本 – 井上由美子
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – レイニ「Spiral feat. Yura」
演出 – 西谷弘高橋由妃山田勇人(スイッチ)、岩城隆一
プロデュース – 栗原彩乃
制作著作 – フジテレビ
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