歩くひと

歩くひとの感想

もちろん井浦新のドラマなのだが、最初と最後にしか出てこない田畑智子（子育て中で変な髪型をしている）の存在感がいい。
脚本というのはなく、アベラヒデノブ（「日本ボロ宿紀行」を撮っていた人だ）が演出。
谷口シローの90年の漫画を原作としており（未読）、もはや内声すらない孤独の道行きは、谷口作品の読み手なら親しいものであろう。

歩くひとのあらすじ

「ちょっと歩いてくるよ」そう言い残して家を出た男が、見知らぬ土地に迷い込み、また家に帰ってくるだけの異色の散歩ドラマ。知られざる絶景や何気ない風景の輝きを捉え、歩くという“冒険”を描いた。

歩くひとを観るには？

歩くひと　キャスト

歩くひと　スタッフ

歩くひとの原作（谷口ジロー）

▼第1話/鳥を見る▼第2話/雪が降る▼第3話/町に出かける▼第4話/木のぼり▼第5話/雨が降る▼第6話/夜泳ぐ▼第7話/台風のあと▼第8話/長い道▼第9話/星の降る夜▼第10話/路地をぬける▼第11話/かすんだ風景▼第12話/桜の寝床▼第13話/忘れもの▼第14話/夜明け▼第15話/よしずを買って▼第16話/いい湯だな▼第17話/海を見に来て▼解説・村上知彦●登場人物/夫(郊外の借家に引っ越してきたばかりの男。年齢40歳前後)。妻(夫とともに郊外に移り住んできた)。ゆき(この家に迷い込み、飼われることになった飼い犬)。●あらすじ/仕事の都合で郊外の一軒家に引っ越すことになった夫婦。夫は着くなり、「ちょっと歩いてくるよ」と言い残し、家を後にする。行く先々で、都会では見られない自然を感じながら歩いていくうち、林でバードウォッチングをしている人を見かける。望遠鏡を覗かせてもらった彼の眼に、初めてシジュウカラの姿が飛び込んできた。そうして家に帰ってみると、一匹の白い犬が迷い込んで来ていた。前の飼い主が置いて行ったというその犬を、彼ら夫婦は飼うことにする(第1話)。●本巻の特徴/1回の掲載分8pのなかで、日ごろ眼に止めないようなある町の風景の数々を、「あるく人」の眼から繊細なタッチで畏敬や憧れの対象として描き出してみせる珠玉の小品。『「坊っちゃん」の時代』で98年手塚治虫漫画賞を関川夏央とともに受賞した谷口ジローが、その連載と平行して描いた異色作である。●その他データ/『モーニング・パーティー増刊』90年30号~91年47号掲載。