頁の隙間から聞こえてくる、今の世界を保持するための骨組の軋み。こういう小説と出会うことでしか、私達は私達の不都合な部分を見つめられない。――朝井リョウ(作家)
女であること、産む性であることは、なんて悲しいのだろう。ラストを読み、思わず溢れた涙の理由を、私は今も考えつづけている。――小島慶子(エッセイスト)
新技術と経済・ジェンダー格差が交差するとき、恩恵を受けるのは男性だ。被害をこうむるマイノリティの苦しみを、マジョリティの私がどこまで想像できるかを突きつけられ、たじろいだ。――斎藤幸平(経済思想家)
読んでいる間、ずっと殴られるような感覚に襲われていた。それは自分を含む大勢の人が、今この瞬間も世界に殴られ続けているのだという、気付きであり目覚めでもある、大切な痛みだった。――村田沙耶香(作家)